就活が始まると、企業と電話でやり取りすることも増えるはず。ですが、すべての電話をその場で取れるとは限りませんよね。企業からの留守電や不在着信があったとき、折り返しが必要な場面もありますが、マナーが気になるところ…。
「そもそも電話を折り返さないと失礼?」
「いつ折り返せばいいの?」
「どの時間帯までならかけてもいい?」
この記事では、企業への電話を折り返す際のマナーから言葉遣いまで、例文付きで気を付けておきたいポイントを解説します。
目次
この記事の監修者
doda 新卒エージェント事業部
キャリアアドバイザー 岩佐 優花
新卒で不動産会社へ入社。
現在はキャリアアドバイザーとして、不動産領域だけでなく幅広い業界を担当。
「こんなこと伝えて大丈夫かな?」と不安を持つ学生様に寄り添い、希望だけでなく不安についても丁寧にカウンセリングを実施。
相互コミュニケーションを重視したキャリアアドバイスを行う。
就活における電話の基本マナーとは?
電話では顔が見えないからこそ、相手に失礼な印象を与えないために、基本的なマナーを押さえておく必要があります。ここからは、電話をかけるとき、電話がかかってきたときの基本マナーについてみていきましょう。
電話をかけるときの基本マナー
電話をかけるときは姿勢を正し、はきはきと丁寧に話すことが大切です。姿勢が悪いと声がこもりがちになり、相手に暗い印象を与えることになります。背筋を伸ばしてあごを引き、肩の力を抜いて明るい声で話すことを心がけましょう。
また、敬語を適切に使いこなせるかどうかで印象は大きく変わります。早口になったり、言い間違えたりしないように、敬語の使い方を練習しておくと良いでしょう。
相手の声が聞き取りづらいときは、あいまいに対応せず、聞き返すようにしてください。「恐れ入りますが、もう一度お聞かせいただけますか」と低姿勢に切り出すのがポイントです。
電話がかかってきたときの基本マナー
電話がかかってきたときは、なるべく3コール以内にとることを心がけましょう。ただし、いつでも電話の前でスタンバイしているわけにはいかないので、無理する必要はありません。3回以上コールが鳴ったら、出るときにひと言「お待たせいたしました」と添えると良いでしょう。
また、電話はかけたほうが切るのが原則なので、電話を受けたときは話し終わった後も相手が切るまで待つようにしてください。
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就活で電話を折り返す前の確認事項
電話を折り返す前に、以下の3つのことを確認しましょう。
留守電の確認
電話の相手である、企業名と担当者名がわかる場合は、確認しておきましょう。留守電が入っていることもあるので、その場合は留守電をちゃんと聞いてからかけ直しましょう。留守電の内容をメモに書き出しておくのもOKです。
企業名、担当者名の確認
留守電がなく、どの企業からの電話だったのかわからない場合や、心当たりのない場合は、インターネットでその電話番号を検索すれば、企業を特定できることが多いです。先にかけ直す先の相手がわかっていれば、落ち着いて対応することができます。
ペンとスケジュール帳の用意
電話での内容をメモする用にペンとスケジュール帳は必須。あとで電話の内容がわからなくならないように、電話中はメモをとってくださいね。
また、日程調整などが必要になることもありますよね。スケジュール帳の代わりにスマホで予定を管理している学生も多いはず。通話しながらスケジュールアプリを確認するのは難しいので、先に自分の予定を確認しておきましょう。返答内容をあらかじめ確認しておくと、スムーズに受け答えできますよ。
電話を折り返すときの、時間と場所の注意点
急ぎの連絡の場合もあるため、なるべくはやく折り返したほうが印象は良いです。 ただし、電話をかける時間帯、場所には注意が必要です。
休日、早朝・夜、昼休みに折り返すのは避ける
企業の仕事がはじまる時刻直後の9時~10時ごろは会議やミーティングなどで担当者が席をはずしていることが多いです。
また、お昼の休憩時間や、退勤時刻前後に連絡をすると、急いでいる場合が多いので避けた方が無難です。
相手にとって迷惑でなく、つながりやすい時刻に折り返すようにしましょう。
電波が良好で、静かな場所を選ぶ
地下や教室、交通量の多いところなど、電波が不安定な場所や周囲の音が大きい場所からかけると、双方の声が聞こえない場合があります。 就活での電話を折り返す場所は、なるべく通信環境がよく、静かなところを選ぶのがマナーです。
就活で電話を折り返すときの実際の流れ
では、実際に電話を折り返す際にどのようなことに気をつければいいのでしょう?電話での話し方を順序だてて解説します。
1.大学名と名前を伝える
電話がつながったら、まず自分の所属する大学・学部、学年、名前は漏らさず伝えましょう。友達同士で慣れていると、名乗るのを忘れてしまうものですが、いきなり要件を言い出さないようにしましょう。
2.担当者の部署名や名前を伝え、つないでもらう
担当の方に直接つながらない場合もあります。直通の携帯電話でなければ、受付の方、あるいは人事部の別の方につながることも多いです。その時は、折り返しの電話であることを伝えて、担当の方につないでもらいましょう。
担当者の名前がわからない場合は、確認してもらっても良いかもしれません。
話し方の例
「先ほどお電話いただきました、○○大学○○学部3年の○○と申します。折り返しご連絡いたしました。担当の●●さんはいらっしゃいますでしょうか。」
3.担当者に大学名と名前を伝える
担当者につないでもらったら、再度自分の名前と所属、折り返しの電話であることを伝えます。 また、電話をかけるタイミングによっては、担当の方が取り込んでいる場合もあります。相手の都合(今時間があるか)を尋ねると親切です。
話し方の例
「お電話いただきました、○○大学○○学部3年の○○と申します。先ほどは、お電話を受けられず申し訳ございませんでした。ただいまお時間よろしいですか。」
4.メモを取りながら聞く
担当の方の都合がよければ、電話の用件を聞きましょう。本題に入ったら、大事なことはメモをとるのが電話対応の鉄則です。聞き違いや聞き逃しをしないように気を付けなければいけません。
話し方の例
「お忙しいところ、ご連絡ありがとうございました。先ほどのお電話のご用件についてお伺いしたいのですが。」
5.大事なことは復唱して確認する
電話の内容は後から確認することはできません。面接日程や場所など、大事なことは必ずメモを取り、それをもとに最後に復唱して間違いのないように確認しておきましょう。
話し方の例
「再度確認させてください。次回の面接日程は、○月○日14時30分から、場所は、○○ビル4階会議室ですね。当日はよろしくお願いいたします。」
また、聞き逃してしまったり、電波が悪く相手の声が聞こえないこともあるでしょう。「聞き返すのは失礼かな」と、ためらってしまうかもしれませんが、その場で必ず確認するようにしましょう。
話し方の例
「申し訳ございません。恐れ入りますが、もう一度~についてうかがってもよろしいでしょうか。」 「お電話が遠かったようで、恐縮ですが、もう一度おっしゃていただけますでしょうか。」
6.通話を切るときはあいさつする
電話を終えるときは、最後に一言あいさつをしましょう。通話を切るタイミングは、相手が通話を切るのを待ってから、通話を切るのが無難です。ただし、お互いに切らないままでいた場合、電話はかけたほうが切るのが一般的なマナーです。
話し方の例
「お忙しいところ、ご連絡ありがとうございました。失礼いたします。」
7.不在の場合はかけ直す時間を聞く
担当者が不在の場合は、戻る時間を聞き、改めてかけ直しましょう。
話し方の例
「○○さんは何時ごろ戻られますか?」
「のちほど(明日)改めて私からから連絡させていただきますので、そのようにお伝えいただけますか。」
通り急ぎの用件のときは、伝言をお願いするか、メールでその旨を伝えておくとよいでしょう。
メールの例
○○さま
先ほどお電話をいただいておりました、○○大学○○学部3年の○○と申します。
折り返しお電話をさせていただきましたが、席を外されていたそうなので、メールにて失礼いたします。ご用件は○○のことでしょうか。・・・
お忙しいところ恐縮ですが、明日以降、お手すきの時間に再度ご連絡いただけますでしょうか。
何卒よろしくお願いいたします。
○○大学○○学部3年
氏名
その他シチュエーション別対処法
就活で電話を折り返すときは、シチュエーションに応じた方法で対処する必要があります。ここからは、就活で電話を折り返すときのシチュエーション別対処法を紹介していきます。
「またかけます」と留守電が入っていた場合
会社からの留守電が入っており、最後に「またかけます」と相手が断っている場合、どうすればいいのか迷う人もいるでしょう。
この「またかけます」は社交辞令の場合もあるため、留守電を聞いたらすぐ折り返すようにしてください。多くの学生と連絡をとっている担当者は、「またかけます」と言ったことを忘れているかもしれません。確実な約束ではないため、自分から折り返したほうが安全です。
「またかかってくるならいいか」と放置しておくと、主体性のない学生だとみなされる恐れもあるので注意しましょう。
遅い時間になって留守電に気付いた場合
着信があったことや、留守電が入っていたことに遅い時間になってから気付いた場合は、相手のメールアドレスを知っていれば、すぐにメールで謝意を伝えるのが賢明です。何もせず放置しておくと相手を不安にさせる場合もありますし、ルーズな人間とみなされる恐れもあります。なお、メールは担当者の私用携帯に転送されることが多いので、なるべく夜10時頃までに送るのが良いでしょう。
相手のメールアドレスを知らない、時間が遅くなりすぎたケースでは、翌日の午前中に電話をかけるのがベストです。ただでさえ日をまたいでいるので、正午を過ぎてから電話をかけたのでは遅すぎます。特に、採用担当者から個別で電話がかかってくる場合は重要な連絡である可能性が高いため、なるべく迅速に対応することを心がけてください。
折り返したら留守電につながった場合
電話を折り返しても相手が出ず、留守電につながることがあります。このとき、電話をそのまま切ってしまうのではなく、メッセージを残しておくようにしましょう。留守電を残すときは、最初にあいさつをし、自分の名前と学校名を伝えます。
次に、電話に出られなかったことを詫び、「○時頃に改めてお電話させていただきますので、どうぞよろしくお願いいたします」というように、いつ頃かけ直すかを伝えてください。最後に「それでは失礼いたします」とあいさつまで残してから終えると良いでしょう。
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折り返し電話で印象のよい受け答え方
電話越しの対応は、直接的に採用にかかわることはなくても企業の人や採用担当者の印象を左右することも。 だからこそ、相手に不快感を与えず、印象のよい受け答えが望ましいです。
丁寧な言葉づかい
使い慣れていない改まった敬語はかえって不自然に聞こえるかもしれません。丁寧な言葉づかいで、落ち着いて話すことを心がけましょう。
ただし、マナー違反の言葉を使ってしまうと、相手に不快感を与えてしまうことも。 そこで、気を付けたい敬語と、きつい言い方を避けるためのクッション言葉やフレーズを紹介します。
気を付けたい敬語
わたし → わたくし
相手の企業 → 御社(おんしゃ)
見た → 拝見した
聞いた → うかがった
言った → 申し上げた
今日 → 本日
きのう → さくじつ(昨日)
ちょっと → 少々
よく使うクッションことば
「恐れ入りますが」 「お手数ですが」 「恐縮ですが」 「あいにくですが」
よく使うフレーズ
〇お願いするとき 「~してもらえますか?」 → 「(恐れ入りますが)~していただけますか。」
〇承諾する、断るとき 「了解しました。」 →「かしこまりました。」「承知いたしました。」 「その日は無理です。」 →「あいにくですが、その日は都合がつきません。」「大変恐縮なのですが、ほかの日程でもよろしいでしょうか。」
〇お詫びをするとき 「すみません」 →「申し訳ございませんでした。」「失礼いたしました。」
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就職活動では、さまざまな場面で企業と電話のやり取りをすることになります。電話対応の基本的なマナーを事前に押さえておかないと、選考に悪い影響を与える可能性もあるので注意が必要です。
企業に電話をかけるときは、時間帯に気を配り、マナーや流れを意識しながら話すようにしましょう。敬語の使い方についても、この機会に練習しておくことをおすすめします。
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