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【社会人インタビュー】人事コンサルタント 中野裕弓さん、ファイナンシャルプランナー 樽利恵子さん

  • インタビュー
  • 2021.12.24
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プロフィール

中野 裕弓 さん
・人事コンサルタント(ソーシャルファシリテーター)
https://www.romi-nakano.jp/index.html
・30歳のときに創立したばかりの会社で人事経理総務のすべてを勤めた。外資系ワシントン世界国際銀行に勤務したのちに日本に帰国し、現在はフリーでカウンセラー、講義、執筆を行う。
・代表著書に「愛のコーヒーカップ」「自分を愛する習慣」がある。
樽 利恵子 さん
・福岡県北九州市を拠点にご活動されているファイナンシャルプランナー。
https://fp-taru.com/
・前職では婦人服のパタンナーをしていたが、90歳現役で保険代理店の仕事をしている女性の存在をきっかけに、「生涯現役で働きたい」という思いから現職に転職。
・話を通して相談者に「何ができるか」気づいてもらうことが、樽さんにとっての仕事であり、相談者と信頼関係を築けるように相談は無料で行なっている。
宮岡 七菜子 さん
・福岡県立大学人間社会学部に在学中大学3年生(24卒)
・「dodaキャンパス」でインターン生として、コラムやSNSの運用を担当

「1対1の対話で人をサポートする仕事」と聞いたとき、皆さんはどんな仕事を思い浮かべますか?
人間関係や日々の生活の中でさまざまなストレスを抱えるクライアントに寄り添う心理カウンセラー。学生や失業者、求職者に対して専門的な知識を用いながらアドバイスを行なうキャリアコンサルタント。
身近なところでは、小中高生に対して勉強を教え、成績を上げたり受験勉強のサポートをしたりする塾講師も「1対1の対話で人をサポートする仕事」ですね。

今回は、企業の経営管理やキャリアや対人関係のアドバイスを行なう人事コンサルタントの中野裕弓さんと、家計の見直し・保険の見直し・資産運用・住宅ローン相談・年金相談・相続対策・貯蓄に関わるコンサルティングを手掛けるファイナンシャルプランナーの樽利恵子さんに、「1対1で人と話す、1対1で人を助ける仕事」というテーマでお話を伺ってきました。

取材を行なった背景

私は将来、対話を通して人をサポートすることができる人材になりたいと考えています。そのような中で、1対1でじっくりと話を聞いたり、アドバイスをしたりするという観点から、企業経営や人間関係の面でアドバイスをする人事コンサルタントや、お金の面でサポートをするファイナンシャルプランナーという職業があると考えました。お二人とも取材依頼に快く応えて下さり、貴重なお話を聞かせていただきました。

この記事では、今回の取材を終えて私が心に響いた4つの話をご紹介します。

目次

    自分探しをするー中野さんのお話より(1)ー

    1つ目は、「自分探しをする」ということ。

    中野さんからこんな話をいただきました。

    「今の日本では仕事で幸せを見つける人は少ないですね。自分が成長でき、経済的な対価をもらい、チームワークで仕事を愉しむのが理想的な職場ですが、見つけるのは難しいですね。私は、なかなか内定が決まらないという相談に対して『決まらなくて良かったね』と言いました。そして、まずは「自分探しをしてください」と話しました。
    自分のことが分からずに適当なところに入ると自分を合わせて生きていかねばなりません。何をすることが好きで、何をしているときに楽しみを感じるのか、という自分の思いを知ることです。会社を選ぶんじゃなくて、自分に合った職種を見つけるための能力は必要ですね。」

    存在感と人間力

    「そして発言することで自分の存在感を出しましょう。失敗を恐れず発言するには、まずは意見を言おうと思わないこと。とにかく相手の話をよく聞き、そしてインタビュアーのように相手に質問して下さい。深く知りたいという思いを相手に伝えます。関心を寄せられていると、相手は嬉しくなります。人間力を培うことが大事ですからコミュニケーション能力は欠かせません。話の内容だけじゃなく、自然な笑顔、声のかけ方やトーン、間合いの取り方も学びましょう。また人間力を高めるには、自分の個性を尊重し、なおかつ他人との協調性が高いということだと思っています。」

    個性ー中野さんのお話より(2)ー

    2つ目は、「個性」について。

     私は「個性を持つ」とお聞きしたとき、自分には個性がない(=人に誇れる能力がない)と感じました。しかし、個性は人に誇る能力とは全く関係なかったのです。こちらも、中野さんからお話いただきました。

    個性は人に誇る能力とか他人の評価とは全く関係ないのですよ。等身大の自分をそのまま認めるところから始まります。例えばスキーが趣味なら、それをどのようにパッケージして人に伝えられるか。『私は小さい頃から両親にスキーに連れて行ってもらっていたので、寒いところでスポーツをやるのが得意。だから高校・大学時代にこのようなことがあり、その経験が今このようにいきている』といった、ストーリーを話すことで際立つ個性が表現できます。どんな些細な事でもストーリーは作れます。これが自己PRです。面接の際にはこのようなマイストーリーを5つくらい(趣味、家族、学業、部活、住んでる場所など)用意しておくといいですね。とっさの質問にも、これらに話をつなげられれば余裕が生まれます。自分の人間性が伝わるような面接での対応をしましょう。」

    仕事をどのように捉えるのかー樽さんのお話より(1)ー

    3つ目は、「仕事をどのように捉えるのか」ということ。

     私自身仕事というと、どうしても「生活のために働く」というイメージが抜けませんでした。そこで、樽さんからお仕事をどういう風に考えているかについてお聞きしました。

     「私にとっては、仕事は趣味と言っても過言でないくらい好きなことです。就職すると、会社のルールに従って仕事をする必要があります。ノルマや、言われる通りに仕事をすることがストレスになるかも知れません。お金のためだけに必死で働いていると燃えつきるかもしれません。仕事のあり方は就職だけでなく、自分自身で起業するのもありだと思います。失敗したら成功するまでやる。先は長いのですから色んなことにチャレンジするのもありですよね。出来ることをすればいいのです。
    私は自分自身で経営しているのでストレスを感じないようにコントロールできているのだと思います。私は休みの日と仕事の日を明確に決めていません。2週間休みなく働くこともあれば、計画して1週間海外旅行に行くこともあります。楽しんで仕事をしているから、夜遅くまで帰れなくても、休みがなくても、仕事が苦しいと思ったことはありません。コロナで仕事が出来ない時は本当にストレスでしたが、WEBで遠方の方とも面談できるようになり、ピンチをチャンスに変えられました。変化に対応することも必要だと感じます。

    点から線、面になるー樽さんのお話より(2)ー

    4つ目は、「点から線、面になる」ということ。

    私はこれまで、資格の取得や試験への合格が目的となった勉強になってしまい、勉強して得た知識を活かす、といった経験がありませんでした。そこで、樽さんのように勉強を仕事に活かす、モチベーションの根源についてお聞きしました。

    まずは仕事が好きだということ、お客様の要望に応えたいという気持ちで勉強することにより知識が増え、それを仕事に活かせて、喜んでいただけることがモチベーションですね。知識が増えていくと「これとこれって繋がっていたんだ」と気付く事により仕事の幅も広がります。それがどんどん繋がっていって、点が線になって面になり解決策が見えてきます。
    私の仕事には、学校の勉強のように明確な答えはありません。その方にとって何がベストなのかを一緒に探して問題に気付いてもらい、解決策を提案することが私の仕事です。その提案は100人いれば100通りの方法があると言っても過言ではありません。全ての方に共通する私の願いは生涯お金に困らないようになって欲しいという事。それが、ファイナンシャルプランナーの仕事だと思っています。

    私は取材より、相談者に真正面から向き合い、自身にあるものやできることに気づいてもらう「道しるべ」を示す、対話を通して人をサポートする仕事の魅力を知りました。ここには書き切れませんが、他にもたくさんのお話をしていただきました。お二人の話は、今後のキャリアを考えるきっかけになることはもちろん、自分自身の内面とじっくり向き合う機会となりました。
     最後に、お二人から学生に向けてメッセージをいただいたので、ここに記すことで締めくくりたいと思います。

    中野さん:今までの常識が通用しない未知の時代で、常にあなたらしく生きることが大切です。そのためにはまず自分を知ることが必要。今の自分に対し、100%自己肯定感を持って下さい。人と比べることは無意味、ライバルがいるとしたら5分前のあなた自身です。そして仲間作りをすること。同じ志を持った人と目標を達成することで喜びを感じるのです。まずは就職して、社会を知り、世界を視る。そして自分が輝ける場所を見つけ、いずれは独立するのもいいですね。今は"変化対応能力"があなたの財産になります。

    樽さん:なりたい自分になれるように頑張ってほしいですね。社会に流されないこと。すなわち自分らしさを失わないこと。人と同じである必要はありません。あなたにしか出来ない事があるはずです。もし躓いたら原点に返り、本来の自分を見つめ直してください。そして方向を変えてまた進んでください。自分を大切に、社会の駒になる事なく自分らしく生きて行ってほしいと願っています。

    取材を通して

    私は人と話すことが好きという思いから、「人を助ける仕事」というテーマの中でも、「1対1での対話」に対象を定めて取材を行いました。取材を通して、対話により人をサポートする仕事の魅力にふれることができたのはもちろんですが、私自身が一人の人間として社会生活を営んでいくためのヒントもたくさんお聞きすることができました。
    お二人からメッセージでいただいたように、まずは自分と向き合うことで自分を知り、そこで見つけた自分の思いや熱意を大切にしながら生きていきたいです。

    (執筆:福岡県立大学人間社会学部2年 宮岡七菜子)

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