今回は、信金中央金庫の人事部 人材開発グループの菊地 裕さん(以下、菊地さん)に「doda キャンパス」のキャリアノートで着目している項目、求める学生像、社風や働きがいなどをお伺いしました。
みなさまは信用金庫にどういうイメージを持たれていますか?銀行のようなもの、というざっくりとした印象をお持ちの方が多いのではないでしょうか。
信用金庫は地域に根づき、営利を目的とせずに中小企業や個人の発展をサポートする金融機関であり、地域活性化の核となる存在です。信金中央金庫は、信用金庫のセントラルバンクとして、全国の信用金庫へ経営コンサルティングを行うなど、金融機関でありながら多様な経験ができる、働きがいと魅力にあふれた会社であると菊地さんはお話してくれました。
信金中金は、全国の信用金庫とともに日本の発展に貢献
――まずは、信金中央金庫の事業内容について教えてください。
菊地さん「現在、全国には256の信用金庫がありますが、そのセントラルバンクが信金中央金庫となります。私たちは、信用金庫の業務面へのサポート、経営面へのコンサルティング、世界を相手にした資金運用などの幅広い業務を通じて、全国の信用金庫を支えています」
――全国の信用金庫、つまり金融機関に対するコンサルティングを行うなど、業務内容は専門的かつ幅広いですね。
菊地さん「専門性の高さや業務フィールドの広さは、インターンシップやセミナーにご参加いただいた学生からもよく言われます。このことは、信金中金の持つ魅力のひとつでもあると思います。しかし残念なことに、信金中金は、個人のお客さまとの直接の接点が少ない金融機関であるため、信金中金を知らずに就職活動を終えてしまう学生も多くいるように感じています。金融やコンサルティグの領域に興味を持っていたり、幅広い業務経験を通じて知識やスキルを身に付けたいと考えている学生にはピッタリな会社だと思っているんですけどね。実は私も就職活動をするまでは信金中金を知っていたわけではありませんでした。でも信金中金を知るにつれ、人に胸を張って誇れる仕事ができると確信したので、信金中央金庫を選びました」
――どのような点に惹かれたのでしょうか?
菊地さん「全国にある信用金庫は金融業務を営むことで地域経済を支えていて、信金中央金庫はその信用金庫を支えている。つまり、私たちの仕事は、信用金庫を発展させることを通じて、日本経済を発展させる仕事だとも言えます。私自身、信金中金の説明会に参加した際、使命感あふれる職員の姿に惹かれ、社会に貢献する仕事ができるかもしれないと期待して入庫しました」
――素晴らしい使命ですね。信用金庫と銀行の違いを教えていただけますか?
菊地さん「信用金庫と銀行は、いずれも金融業務を通じて日本経済を発展させるという役割を持っています。しかし、信用金庫は株式会社ではなく、相互扶助の理念を持つ“協同組織金融機関”です。『出資者(会員)=顧客』であることから、顧客(=出資者(会員))の利益や発展を目的に日々の業務を行っています。このことは、金融機関の中でも社会性や地域性が強いという信用金庫の特徴につながっています」
求める学生は、熱量をもって取り組んだ経験がある人
――御庫でご活躍されているのはどのような方が多いですか?
菊地さん「信金中金では、1人で進める仕事は少なく、基本的にはチームで動きます。そのため、他人を巻き込んだ仕事の進め方とそのスキルを持つ職員が活躍しています。また、『信用金庫のために何ができるか』を常に考えながら、自身のスキルや専門性を磨いている人も多いように感じています」
――これまでの新卒採用ではどのような学生からの応募が多いですか?
菊地さん「経済や金融、経営などを専攻している学生が多いのは事実ですが、文学部、社会学部、理系など幅広い方にもご応募いただいています。共通しているのは、信金中金の使命や社会貢献性、経営理念に共感してくれていることですね」
――「doda キャンパス」を利用するなかで、学生のキャリアノートで注目している項目はありますか?
菊地さん「経験欄ですね。ただし、単に留学経験があるとか、長期のインターンシップ経験があるとか、表面的なことに注目しているわけではありません。どんな経験であっても、自らが考えて行動し、一生懸命取り組んだと思わせてくれる経験に注目していきたいと思っています。本当に楽しそうに取り組んでいる姿がイメージできる内容だと、アプローチしたくなっちゃいますね」
――経験の種類や文章量ではなく、“熱量”が伝わってくるような経験ですね。では、インターンシップはどのようなプログラムを行っているのですか?
菊地さん「今年度は、夏に5days、冬に1dayのインターンシップを開催しました。夏の“5daysインターン”は、信用金庫の取引先の海外進出をサポートする仕事や、巨額の資金を運用する仕事など、幅広い業務をワーク形式で体験してもらいました。冬の“1dayインターン”は、信金中金の主要業務の一つである『経営コンサルティング』にフォーカスして、架空の信用金庫を用いた実践的なコンサルティング体験をしてもらっています」
――かなり実践的な内容ですね。そのプログラムを通じて、どのような資質をみているのでしょうか?
菊地さん「資質を判断しているというより、まずは信金中金を知っていただきたいという思いがあります。信用金庫に対する『経営コンサルティング』を通じて、信金中金が果たすべき役割や目指すべき将来について、理解を深めてもらいたいと考えています。学生にとっては、難しいテーマだと思いますが、参加された方々からは、『金融機関に対するコンサルティングはなかなか経験できない』『地域性まで考慮したグループワークは経験したことがなかった』と大変評価をいただいています」
スケールの大きな仕事を担う職員の成長をサポートしたい
――信用金庫を支える業務。そのなかでも御庫での働きがいを感じるのはどのような瞬間でしょうか?
菊地さん「信用金庫の役員の方から直接ご相談を受けたり、私から提案をさせていただいたときです。私は3年目でしたが、当時の私からすると、とても大きな仕事にどんどんチャレンジさせてもらえました。若いうちから金融機関の経営者と仕事をできるというのは、信金中金ならではだと思います。相手は金融のプロフェッショナルですので、多くのことを勉強させていただきながら、課題の解決に向けて一生懸命取り組んでいました」
――ホームページを拝見すると、スケールの大きな仕事を担う信金中金ならではの研修制度など、サポート体制がかなり充実していますよね。
菊地さん「信金中金の職員は、信用金庫業界のセントラルバンカーとして、様々な知識や自分自身の武器となる専門性を身に付け、変化の激しい経済社会で業界をけん引していくことが求められています。そのため、来年度から『SCBユニバーシティ』という人材育成制度をスタートさせる予定です。これまでも研修制度は整備しておりましたが、より拡充し、自身のキャリア形成の糧とできるようにしていきたいと思っています」
――現時点の構想で構いませんが、職員の方は必ず参加するものでしょうか? それともエントリー制になりますか?
菊地さん「両方向で考えています。信金中金で働くうえで必要になる知識も、世の中の変化とともに常にアップデートされていくため、業務に必要な最新情報やどんな社会でも役に立つヒューマンスキルやビジネススキルを得られるような機会を提供していく予定です。そのような土台を築いたうえで、どの分野の専門性を高めていきたいか、職員が自身のキャリアを切り拓いていけるように、会社として全力でサポートする体制を作り上げていきます」
――常に成長をサポートする体制があると、社会人になってからも高い目標とモチベーションを維持できそうですね。研修制度の他に、新しい取り組みがあれば教えてください。
菊地さん「全社をあげて、コミュニケーションを活性化して、イノベーションを起こしていこう、という取り組みをしています。その第1弾として、まずオフィスレイアウトを変えて、フリーアドレスにしました。かっこよく表現すると、“ザ・金融機関”からベンチャー企業のような自由闊達な雰囲気の空間になりました。部門や職位を超えたコミュニケーションが活性化することで、ちょっとした雑談から仕事のヒントが生まれたり、悩みが解決できたり、少しずつ変化が生まれています」
――組織も常にアップデートを続けているのですね。最後に学生の方にメッセージをお願いします。
菊地さん「ゼミでもアルバイトでもサークルでも学外の活動でも、胸を張って頑張ったと言えることがあると良いと思います。就職活動も早く始めれば成功するとは限りません。大学生活の中で打ち込めるものがあれば、就職活動ばかりに気を取られるのではなく、とことん打ち込んで充実した日々を送ってください。私たちも、皆さんが夢中になって取り組んできた経験について、お聞きすることを楽しみにしていますし、そういった姿が就職活動にもつながってくると思います」
――本日はお忙しいなか、貴重なお話をありがとうございました。
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