就職活動を天気に例えると? と聞くと
「ずっと台風でした」
と答えた2020年卒の佐藤さん。就職活動を終えたいまだからこそ、晴れやかな笑顔で終始インタビューに応じてくれましたが、順中満帆ではなかったと振り返ります。
と言うのも、もともとメディア業界を志していた彼女が、最終的に「dodaキャンパス」で決めたのは飲食業界でした。就職活動を通じて、さまざまな思いや気持ちに変化があったと話す佐藤さんは、これから就職活動を始める後輩に「可能性を広げること」「無理はしないこと」、そして「周りに流されない」ことが重要だとアドバイスをします。
佐藤さんに就職活動で得た経験を語っていただきました。
メディア業界を志望していた学生時代
ーー学生時代はどのように過ごしていましたか?
「サークルとアルバイトに明け暮れていました。サークルは大学新聞の編集委員会に所属して広報局長をやっていました。具体的には、TwitterなどのSNSを利用して、新聞の認知度を高めるのが目的で、週2〜3回は活動していました。アルバイトも掛け持ちしたり、かなり精力的に取り組んでいました」
ーー就職活動を具体的に意識したのはいつ頃ですか?
「昔から本が好きだったのですが、特に物語を読むのが好きで、漠然とメディア業界に就職したいな、とは思っていました。ですので、大学新聞の編集委員にも所属して、将来的に就職活動につながればいいな、と考えていました。アルバイトも大学2年生の頃からずっと本屋さんで働いて、短期インターンも10社以上いきました。就職活動を本格的に始めたのは、3月1日の解禁日からですね」
ーー漠然とは言え、大学ではメディアに関わることに軸を置いた生活をされていたのですね。長期インターンの経験もありますか?
「3年生の頃に経験した『東京国際映画祭』の併設イベントでのインターンです。映画も好きだったので応募しました。このインターンは、『TIFFCOM』という、東京国際映画祭に併設されている映像のマーケットで行っておりました。ここでは主に、『TIFFCOM』に参加していただけないかという営業の電話を掛けたり、当日スタッフとして動いたりという活動をしていました。ですので、初めて経験するさまざまな業務を通して、自分の向き不向きが理解できたのはよかったです」
ーーでは、解禁日からはどのように活動をされましたか?
「まずは学校がおすすめしている就活サイトに登録するところから始めました。やれることは全部やろうと思って、自己分析も企業研究もおこなって、第一志望ではない業界の説明会にも行きました。可能性を自分から消す必要はないって思っていたので」
自分が働く姿、働きがいを把握して、志望を変更
ーーメディア業界を志望しつつも、他の可能性も捨てなかったのはどうしてですか?
「自己分析や志望動機で非常に悩んだのが大きな要因かと思います。自己分析では、明るく積極的な部分を押し出した方がいいんだろうな、というのは理解できているものの、本来の自分はそうだろうか……と。エントリーシートで志望動機を書く際にもスラスラ書けなくて固まってしまうんです。本当に就職したい業界ならスムーズに書けると思い、『実はやりたくないんじゃないか』って疑問が出てきたり」
ーーそれはメディア業界の志望動機に限ってですか?
「メディア業界の志望動機は他と比べると特殊で、自由記述だったり、どういうメディアを作りたいか、を記述するものが多かったんです。そこでどうしても困ってしまうんです」
ーー自己分析や企業研究は繰り返してきたけど、実際に自分と合うかどうか疑問が湧いてきたのですね。
「やりたいことを変えるのは本当に嫌だったのですごく悩みました。でも、説明会でも周囲のエネルギー量がすごい。私はどちらかというと大人しいほうなので、違和感がありました。あと選考も第一志望の業界より、他の業界の方が進むんですよね。もしかしたら、私が活躍できるフィールドはやりたい仕事とイコールではないかもしれない。就職活動を続けるうちにそんな思いが強くなっていきました」
ーー就職活動中に志望業界を変えるのは勇気が必要ですね。
「業界を絞らないといけないという型や流れにハマっていたんだと思います。内定を受諾した企業と初めてお会いしたときに『佐藤さんのここは長所だよね』と言ってくれたんです。就職活動を始めたときは“やりたい仕事”に目線が集中しがちでしたが、徐々に一緒に仕事をしたいと思える企業にシフトしていきました」
ーー就職活動中の経験を通して、柔軟に対応して道を定めていったのですね。
「就職活動中は、本当に台風でした(笑)。やりたいこともすごく大事ですが、自分が働くことを想像すると、一緒に仕事をする人や自分を必要としてくれる喜びが大事だったんだって気づけました」
合わないことはやらない、合うことは全部やる!
ーーこれから就職活動を始める後輩にアドバイスはありますか?
「私は気負いすぎるほうなので、まずはそんなに重く考えなくていいよ、と伝えたいですね。就職活動を楽しめるのは理想ですけど、そこまでポジティブに考えられる人は限られていると思います。とは言え、重く考えてもダメ。私は面接終わりに泣きながら友達に電話したりと、友人がいたからこそ乗り越えられましたね」
ーーただ適当にやるのはもっとダメですよね
「もちろんです!可能性はどんどん模索した方がいいですし、“就職活動はこうしなきゃダメ”というルールや周りにはとらわれすぎないでほしい」
ーー確かに、世の中には「成功する就職活動の方法論」みたいな情報は溢れていますね。周りは気にならなかったですか?
「あまり気になりませんでした。自分がやらなきゃいけないことはやっていた自負もあったので。でも、合同説明会は1度参加したら、本当にたくさんのライバルがいて圧倒されて、『これはダメだ』と思いました(笑)。あくまで自分の経験談ですが、合同説明会にはあまりメリットは感じられなかったのもあり、参加したのはその1回だけです。自分にとって合わないことは無理してやる必要はないと思います。でも、合いそうなことは全部やる(笑)」
最後に「dodaキャンパス」の活用法について教えて下さい
「企業からオファーがくるのは、単純にうれしいですよね。自分のどこを企業が求めてくれているのか、理解できることもメリットだと思いました。私は「dodaキャンパス」を利用して、就職活動の幅や可能性を広げることもできたし、なにより内定先を決定できました。オファーが来たら、可能性を狭めないでお会いすることで道が切り開けるかもしれません。キャリアノートは、アピールポイントが伝わるようにわかりやすく。あとは画像を多めにするとよいです。文章を読まなくても全体像を把握してもらえるようにするのが大事です。また更新がない場合も、とりあえず毎日ログインするようにしていました」
ーー貴重なアドバイス、ありがとうございます。企業のチェックポイントに沿った活用が出来ていたのですね!本日はありがとうございました!
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