企業からのオファーを見逃さない! dodaキャンパス公式アプリ ダウンロード

【イベントレポート】就活で知っておきたい、SDGs×ビジネスの取り組みとは

  • dodaキャンパス活用法
  • 2021.09.02
  • Xアイコン
  • LINEアイコン

プロフィール

平原 依文 さん
ナビゲーター

World Road株式会社 共同代表
青年版ダボス会議 One Young World の日本代表。小学2年生から単身で中国、カナダ、メキシコ、スペインに留学。
東日本大震災がきっかけで帰国し、早稲田大学国際教養学部に入学。新卒でジョンソン・エンド・ジョンソンに入社、デジタルマーケティングを担当。
幅広い世代へのSDGs教育のため「地球を一つの学校にする」をミッションに掲げるWORLD ROADを設立。一人ひとりが自分の軸を通じて輝ける、持続可能な社会のあり方を追求している。
6月に『WE HAVE A DREAM 201カ国 202人の夢 x SDGs』を出版。
加治 慶光 さん
登壇者

シナモンAI取締役会長兼CSDO(チーフ・サステナブル・デベロプメント・オフィサー)、鎌倉市スーパーシティ・アーキテクト、日立製作所Lumada Innovation Hub シニア・プリンシパル
富士銀行、広告会社を経てケロッグ経営大学院MBA修了。日本コカ・コーラ、タイム・ワーナー、ソニー・ピクチャーズ、日産自動車、オリンピック・パラリンピック招致委員会等を経て首相官邸国際広報室へ。
その後アクセンチュアにてブランディング、イノベーション、働き方改革、SDGs、地方拡張等を担当後現職。2016年Slush Asia Co-CMOも務め日本のスタートアップムーブメントを盛り上げた。

※本記事は2021年7月15日にオンラインで開催された「就活で知っておきたい、SDGs✕ビジネスの取り組みとは」のイベントレポートです。

近年よく見聞きするようになったSDGs。SDGsに関心はあるものの、就職活動においてどう生かすべきか分からない方も多いのではないでしょうか。また、SDGsに取り組む企業をどのように見極めればよいのでしょうか。

本イベントは、ナビゲーターとして幅広い世代へのSDGs教育を推進するWorld Road株式会社代表の平原さん、登壇者として企業や自治体でSDGsの推進に取り組む加治さんをお招きし、就活生なら知っておきたい「企業がSDGsに取り組む理由」や「企業選びのコツ」を語っていただきました。

サステナブルな社会とは ー社会の変化・社会で求められる力ー/dodaキャンパス

目次

    就活で知っておきたいSDGs

    トークセッションでは就活で知っておきたい3つの質問を用意。
    様々な企業・自治体でSDGsの取り組みの推進を行う加治さんにSDGsへの理解を深めるポイントを語っていただきました。

    企業が今、SDGsに取り組む理由

    (平原)近年、SDGsを推進している企業は増えてきました。
    推進の仕方も、ボランティアのような形で余った予算の中で社会にいいことをするというところから、どんどん経営と両輪で事業活動の中でもSDGsを推進し始めた企業が増えてきています。その背景と理由について教えてください。

    (加治)まずはSDGsの前身であるMDGs(Millenium Development Goals)について説明します。
    MDGsは2000年に、2015年までに達成すべき目標として人類で初めて定められた中期目標です。8つのテーマを掲げており、新興国や発展途上国を課題解決を主な目的としています。MDGsにより、貧困や疾病、食料自給率などで高い成果を出すことができました。

    2013年頃、次なる中期計画に向けて議論が始まりました。そこで判明したのは、このままのペースで進めば、我々はこの地球に住めなくなるということ。
    先進国も巻き込んで、全世界が一体となって課題解決に取り組まなければならないという結論に至りました。気候変動などの新しいテーマが付け加えられたのもこの時です。

    さて、MDGsとSDGsの大きな違い、それはMDGsはフォアキャスティング、SDGsはバックキャスティングであることです。
    フォアキャスティングとは、今の現状から戦略を積み上げます。一方でバックキャスティングは理想とする状況をまず定義しています。

    すなわちバックキャスティングのSDGsは、今のやり方の延長線では解決できないという考えのもと、ビジネスにイノベーションを突きつけているのです。

    考えようによっては、できるかできないのか分からないのに宣言するのは、無責任に見えるかもしれません。しかし突きつけることで「本気でやらねばならない」という決意につながります。
    例えば、日本の電気メーカーの(株)東芝は、2020年度までの3年間で再生可能エネルギー分野に1600億円の投資を決めました。
    この意思決定ができるのは、バックキャスティングの目標が定められたからです。EUは企業に対して「今動けば安くつく」と呼びかけました。早めに動いたほうが企業としても利益に繋がるからです。

    すなわちSDGsは、あらゆる環境が目まぐるしく変化し、予測できない時代において、2030年までに世界が向かっていく方向を指示したビジネスアイデアのリストとして見ることができます。

    (平原)いよいよ、フォアキャスティングからバックキャスティングに変わり、もうやらなければいけないというフェーズに入ったわけですね。

    企業は今、どんなことを求められている?

    (平原)企業がなぜSDGsに取り組んでいるのかは分かりました。それでは企業に求められる役割とはなんでしょうか?

    (加治)SDGsの宣言文書には、「我々は地球を救う最後の世代かもしれない」という言葉があります。
    それほどまでに人類が地球に住み続けられるかどうか際どい状況となっています。自然災害やパンデミックはどんどん深刻になっており、我々は一刻も早く世界を変えていかねばなりません。

    SDGsの実現には政府や企業、大学、自治体などあらゆる組織が不都合な真実と向き合うことからはじまります。CO2を大量に排出して高収益を出していることや、サプライチェーンのどこかに不法就労が忍び込んでいることなど、今まで野放しにされていた不都合な真実と向き合い、勇気をもって変えていくことが企業にとって第一歩だと考えます。

    またSDGsは、誰一人取り残さず、誰もができることで達成に貢献できる目標として位置づけており、急速に広がりを見せています。皆さんもよく、SDGsのバッジをつけた人たちを街で見かけると思います。
    国連のサイトでもSDGsの説明資料を誰でもダウンロードできます。最近は、中身がないけれどもSDGsを掲げている人たちをSDGsウォッシュという言葉で表現することもあるほどです。

    なぜこのような打ち出し方をしているのか、それは地球が危機に瀕していることを知ってもらうことが第一だと考えているからです。
    まずは知ってもらうことで、自分一人では勇気を持てないけれども、それぞれが持っている良心や希望のかけらを組み合わせることができるかもしれません。小さな力を大きなうねりにしていくような、そんな仕組みではないかと思っています。

    (平原)個人も企業も、私たちが住む地球の状況を知り、向き合わなければいけない時期ですよね。
    私も2021年4月出版の、世界でSDGs(持続可能な開発目標)に取り組む若者たちが「夢」をつづった『WE HAVE A DREAM 201カ国202人の夢×SDGs』という本の企画プロジェクトを企画しました。世界中で皆さんとも同じ世代の方々が、不都合な真実と向き合いながら活動していることを、学生の皆さんや多くの方々に知っていただきたいですね。

    SDGsに本質的に取り組む企業を見分ける4つのステップ

    (平原)では最後の質問です。先ほども中身がないけれどもSDGsを掲げている、SDGsウォッシュという言葉が出てきました。
    本質的にSDGsに取り組んでいる企業を選ぶためには、どうすればいいでしょうか?

    (加治)SDGsを推進している企業は優良だとか、そんな簡単な理屈ではないと考えています。判断するのは非常に難しいです。

    まずは企業のHPを見てみましょう。SDGsを宣言しているだけでなく、なんらかの取り組みをしていること、さらにはその取り組みが本業に結びついているかどうかを確認します。
    たとえば日産自動車(株)やトヨタ自動車(株)は、電気自動車や燃料電池にどんどんシフトしています。このように本業でやっているかどうかの視点で見てみましょう。

    さらには全社で取り組んでいるかどうかが大事です。
    これは正直、実際に働いてみないと分かりませんが、インターンなどの機会を活用してみるのもいいと思いますね。最近は日本の大企業でもCSDO(チーフサステナブルディベロップメントオフィサー)を設置している企業も増えています。

    私自身も、現在人工知能の開発を行う(株)シナモンという会社でCSDO(チーフサステナブルディベロップメントオフィサー)を務めています。
    こういったポジションがあるというのも、一つ皆さんが会社を選ぶ時のヒントになるかもしれません。

    SDGsに取り組んでいる企業紹介

    ここで、dodaキャンパスにも掲載中のSDGsを推進している企業をご紹介しました。

    三建設備工業

    空調設備や給排水衛生設備、電気設備工事の、設計・施工・メンテナンスを行う企業。
    地球温暖化抑制の取り組みとして、オフィス内、施工資材のリサイクルや、産業廃棄物の削減・処理などの活動に取り組んでいます。

    企業詳細はこちら

    株式会社シェルター

    株式会社シェルター 木造の大規模建築に携わる山形県の会社です。「
    「都市(まち)に森をつくる」をスローガンに、CO2を多く吸収し伐採期を迎えた木を使い、最先端技術で大規模・高層の木造建築をつくることで脱炭素社会実現を目指しています。

    インターンの応募はこちらのLINEから

    質疑応答

    また、参加者からの質問にも答えていただきました。

    Q.入社までにSDGsを専門的に学びたいのですが、おすすめの方法はありますか?

    (加治)まずは国連のサイトをじっくり読むことをおすすめします。
    それ以外にも内閣府や外務省、環境省のサイトも有用です。解説書もたくさんあるので、気に入った本を読んでみてください。

    【参考リンク】

    内閣省 地方創生SDGs官民連携プラットフォーム

    外務省 JAPAN SDGs Action Platform

    まとめ

    SDGsの前身であるMDGsの解説から、企業がSDGsを推進する理由や企業選びのポイントまで網羅された本イベント。
    開催後のアンケートでは、「MDGsなど初めて知る概念も多かった。もっと調べていきたい」「就活で着目すべきポイントが分かった」「良心を大きなうねりにするという考えに夢を感じた」という声が寄せられました。

    イベントレポートに書ききれなかった皆さんの気になるエピソードが盛り沢山!
    当日参加された方も見逃してしまった方も是非、配信動画をご覧ください!

    本記事を参考に、就活やインターンの企業選びに役立てていただければ幸いです。

    企業とサステナビリティ/dodaキャンパス



    keyboard_arrow_up