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【Career Interview】インターステラテクノロジズ 稲川貴大さん。大事なのは所属する組織の大きさよりも、どこでも生きていける力

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  • 2017.09.25
プロフィール
稲川貴大さん
インターステラテクノロジズ代表取締役社長。大学院卒業後、大手光学メーカーへの入社を直前で辞退し、ロケット開発を手がけるベンチャー企業「インターステラテクノロジズ」へ。2013年には代表取締役社長に就任し、会社や開発の指揮をとっている。小さいころからものづくりが好きで、高校時代には文化部のインターハイ(全国高等学校総合文化祭)に出場、大学時代にはサークルで人力飛行機をつくって飛ばす「鳥人間コンテスト」に熱中した経験も。

ロケットなんて別世界の話だと思っていた

宇宙少年だった、というわけではないんです。ただ、子どものころから手を動かして何かをつくるのが好きで、高校時代は工芸部。かんなで木を削ったりしながら机やロッキングチェアーを作るうちに、“何もないところから「もの」が出来上がるおもしろさ”にますますハマり、大学は電気や機械について学べる工学部へ進みました。そして、そこでものづくりの基礎を学ぶ一方、鳥人間サークルでの人力飛行機づくりにも夢中に。設計リーダーを任されるほどの技術を身につけ、チームでものづくりをする楽しさも味わい、ますますつくる楽しさに夢中になりましたね。

でも、楽しかった鳥人間サークルも、やがて引退する日が来るわけです。そこで「次は何をしようかな」と、SNSでおもしろそうな話題を見かけては話を聞いたり、見たりしにいくなかで、出会ったのがロケットでした。

ロケットなんて自分とは関係のない世界の話。そう思っていたのですが、秋田県で開催されているロケットのイベントに行ってみると、自分よりも年下の大学生が、人の背丈ほどのハイブリッドロケットというものを打ち上げているじゃないですか。それはもう衝撃的で、「ロケットってつくれるんだ!つくっていいんだ!」みたいな感じでした。それと同時に、工学部で学び、鳥人間をやってきた僕は、つくることに関してはちょっとした自信がある。そうなれば、つくるしかないというわけで、大学の先輩や同期と一緒にロケットづくりをスタート。あちこちの団体を回って勉強するうちに、インターステラテクノロジズの前身である、「なつのロケット団」という組織にも出会ったわけです。

入社式当日に入社を辞退!

そうしてロケットのとりこになった僕が、就職先として考えたのは、もちろん航空宇宙業界でした。が、結果はみごとに全滅。一方で内定をもらえたのは、卒論のテーマでもあった、光学系のメーカーだったんですよね。「就職ってそんなもの。だからロケットは、趣味として続けていこう」そう思っていた矢先…。「なつのロケット団」の手伝いに行った先で、スポンサーの堀江貴文さんに会い、言われたのが「ロケットやりたいんでしょ?なんでカメラなの?うちに来なよ」という言葉だったんです。といっても、メーカーへの入社式を、数日後に控えているときにですけどね。

迷いはもちろんありました。名の知れた企業への入社をやめて、小さくて何とも彼ともわからない会社に行くなんて、ありえないですよね。ただ、民間ロケットに携わるうちに肌で感じていたのは、これからこの業界がどんどん盛り上がっていくだろうということ。そこに、自分はものづくりなら負けないという根拠のない自信と、わくわく感もあり、小さいながらもロケットづくりができる道を選ぶことにしたわけです。勉強も仕事もおもしろくなければ、やる気が起きないし、力も発揮できないですからね。

インターステラテクノロジズ社で開発し、打ち上げたロケット

画像提供/インターステラテクノロジズ

所属する組織って乗り物みたいなもの

みなさんのなかには、漠然と「大企業に行きたい」と思っている人が少なくないと思いますが、僕もそうだったので、気持ちはよくわかります!でも、小さな会社で働いてみて感じているのは、所属する組織って、乗り物みたいなものでしかないということです。入ってしまえば、実は大きさなんて関係ない。だめだったら船を乗り換えたっていいわけだから、それよりも大事なのは、何千人規模の船に乗れたとしても、小さな船の乗組員になっても、自分の力を発揮できるかどうかということじゃないかなと思っています。

そのために今やっておきたいのは、好きなことをとことん追いかけて、興味や強みをとんがらせておくということ。そういう意味でいうと僕は、自分が面白そうだと思うことをとことん追究した結果として、好きなものづくりの現場で、今日も仕事を楽しんでいます。

画像提供/インターステラテクノロジズ

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