新卒一括採用から脱却すべき? 潜在層へアプローチを拡大する方法とは
日本の一般的な採用制度として、さまざまな企業が実施している“新卒一括採用”。新卒一括採用は100年以上も続いている採用制度であり、安定を求める日本人の性質に適しているといえるでしょう。
ただし、新卒一括採用は学生からの応募を待ち、応募者の中から母集団を形成するため、「入社後学生と企業の求めているものが違っていた」「求める人材が集まらない」「もっと多くの学生に企業を知ってもらいたい」などの課題もあります。
現在では、時代の変化とともにさまざまな採用手法が登場しており、採用制度の見直しも図っている企業も見受けられます。
本記事では、新卒一括採用のメリット・デメリットとともに、潜在層へのアプローチ方法について解説します。学生と企業のミスマッチを防ぎ、求める人材を効率よく見つけるためにはどうすればよいのか、自社の採用制度を見直すきっかけにしてください。
目次[非表示]
- 1.新卒一括採用とは
- 2.新卒一括採用のメリット・デメリット
- 3.新卒一括採用は日本特有
- 3.1.新卒一括採用は将来性を評価
- 4.要件を満たした学生と出会うには
- 5.まとめ
新卒一括採用とは
新卒一括採用とは、毎年特定の期間内で一定数の新卒大学生を採用する採用制度です。一括して大量募集・選考を行い、卒業後の4月から勤務が始まります。
たとえば、以下のようなスケジュールで行われます。
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日本では一般的ですが、世界的に見ると日本特有でもあります。なぜ定着したのでしょうか。
1914年、第一次世界大戦のあおりを受けて国内では労働力が不足しました。このとき、多くの労働力を確保しようと在学中に選考・採用を行い、卒業後すぐに入社するという採用手法が定着しはじめたといわれています。以降、多くの企業が取り入れ始め、日本では新卒一括採用が一般的な方法として根付いていきました。
しかし、たびたび問題点も指摘されています。2016年には経済産業大臣によって「新卒一括採用見直し」が提唱されました。さらに2018年には経団連会長によって経団連が定めていた“就活ルール”の廃止が発表され、政府主導で行うこととなりました。ただし2022年度に関しても、これまでの就活ルールと同じ日程の遵守が要請されています。
出典:内閣官房『2022 年度卒業・修了予定者の就職・採用活動日程に関する考え方』
新卒一括採用のメリット・デメリット
新卒一括採用を取り入れている企業は多いのは、さまざまなメリットがあるためです。一方、デメリットも存在します。以下では、改めてメリットとデメリットを見てみましょう。客観的に見直すことで、新卒一括採用が自社が求める人材の確保に最適な方法なのか、判断に役立ちます。
メリット
新卒一括採用のメリットとしては以下が挙げられます。
- 採用スケジュールを固定化できる
- 教育コストを抑えられる
- 同期とのつながりを強められる
新卒一括採用は、まとまった期間に行うため、採用スケジュールを固定化できます。一定の期間で採用業務を終わらせられるため、担当者の負担も抑えられるでしょう。また、新卒一括採用は入社も同時です。教育コストを軽減しつつ、新入社員同士の関係を深める効果も期待できるでしょう。
デメリット
新卒一括採用には歴史があり、日本で定着しています。とはいえ、よいことばかりではありません。これまでに見直しや廃止について言及されているように懸念点もあります。デメリットとしては、以下が挙げられます。
- 特定の期間に採用業務が集中する
- 一人ひとりと十分なコミュニケーションをとる時間が確保できない
- 必ずしも欲しい人材が集まるとは限らない
新卒一括採用は、期間が決まっていることが大きな特徴です。一度に業務を行えるというメリットがある一方で、採用担当の負担が特定の期間中に業務が集中しすぎるという側面もあります。大量のエントリーに目を通すのには労力が必要ですが時間は有限です。候補者一人ひとりと向き合う時間を確保できなければ認識の差や勘違いが生じてしまい、ミスマッチが起きることもあります。
また、必ずしも欲しい人材が集まるとは限りません。新卒一括採用の場合、ほとんどが4月入社です。そのため、在学中に海外留学をしていたり、やむを得ない事情で就職活動・卒業ができなかったりした学生は応募すらできません。タイミングが合わないというだけで、企業の求める要件を満たした人材を逃してしまうこともあります。
新卒一括採用は日本特有
新卒一括採用は日本特有の採用方法で、欧米諸国では行われていないことをご存じでしょうか。なぜ欧米では一括採用が行われていないのか、そしてどのような採用方法が主流なのか知っておくと、自社に必要な採用方法が見えてくるでしょう。
新卒一括採用は将来性を評価
新卒一括採用は、人材不足が原因で労働力の確保を重視して定着した手法です。また、終身雇用制度や年功序列制度によって入社後は新入社員研修や上司・先輩による教育指導などを通して少しずつ戦力になっていく過程があります。
しかし、欧米では、即戦力になれる社員の確保を重視していることから、スキルやインターンシップ経験、職歴への評価が高いのも特徴です。
日本のグローバル化が進むなか、企業が優秀な人材を発掘していくためには攻めの姿勢のアプローチを検討することが重要といえるでしょう。
要件を満たした学生と出会うには
即戦力を求める欧米型の採用方法は、優秀な人材を獲得するための選択肢の一つとして注目を集めています。
“ダイレクトリクルーティング”は、企業自らが求めるスキルや能力を持った人材にアプローチする採用方法で、一括採用では出会えなかった学生との出会いを可能にします。
▼ダイレクトリクルーティングをもっと詳しく知りたい方はこちら
また、顕在層からの応募を待つだけでなく、自社が求めるスキルを持った潜在層に直接アプローチできるというのがダイレクトリクルーティングの大きな魅力です。たとえば、ダイレクトリクルーティングなら、特定の大学や学部の学生の応募をただ待つのではなく、欲しい学生に直接会いにいけます。
一括採用の場合、質の高い母集団を形成するためには、企業の認知度も影響する部分があります。認知度が高ければ多くの応募が期待でき、厳選して母集団を形成できるでしょう。
しかし、認知度が十分でない場合は応募数が少なくなります。ダイレクトリクルーティングは、自社が学生の認知範囲の外にある場合でも、企業主体で動くことが可能です。認知度が低いということはそれだけ採用候補者となり得る学生が多いということ。企業側から探すことで、求めていた人材に出会いやすくなります。質の高い母集団形成を効率的に行えるため、採用コストの削減も期待できるでしょう。
まとめ
新卒一括採用は、日本の採用シーンで行われている一般的な方法です。経団連が定めたルールに則って採用活動を行うことが一般的ですが、2018年に就活ルールの廃止が発表されました。これを受け、採用方法の見直しを考えている人事担当者さまもいらっしゃるのではないでしょうか。
現代の採用手法は新卒一括採用だけでなく、時代に合わせて多様化しています。自社の採用方法を検討する際には、募集人数や採用・教育指導のコスト、過去の採用実績などを踏まえて、自社に合う方法を選択することが大切です。
ダイレクトリクルーティングは、将来性を重視する新卒一括採用とは異なり、早期戦力化が期待できる潜在層の獲得に適しています。
dodaキャンパスは、スキルや経験などが登録されたデータベース(23卒学生の登録数8.7万人_2021年3月時点)から、独自の検索軸で学生をピックアップできます。母集団の候補として事前に絞り込むことができるため、効率よく採用活動が行えます。定額プランで採用コストを抑えることも可能です。
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