新卒採用を成功させるキャッチコピーの作り方
学生のほとんどがインターネットから情報収集する時代となったいま、求人サイトや広告にはさまざまな情報があふれています。
競合他社の中から自社に関心・興味を持ってもらうためには、ターゲットの心に刺さる魅力的なキャッチコピーが必要です。
しかし、「よいキャッチコピーが思いつかない」と悩む採用担当の方もいらっしゃるのではないでしょうか。
本記事では、キャッチコピーはどのような役割があるのか、キャッチコピーの重要性や作成時ポイントについて解説します。新卒採用を成功させたい採用担当の方は、ぜひご一読ください。
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目次[非表示]
- 1.新卒採用におけるキャッチコピーの重要性
- 2.新卒採用向けのキャッチコピーはどう作る?
- 2.1.ターゲットを明確化
- 2.2.3C分析を行って自社の魅力を抽出
- 2.3.キーワードを盛り込む
- 3.キャッチコピーの事例
- 4.新卒採用向けキャッチコピー作成の注意点
- 5.まとめ
新卒採用におけるキャッチコピーの重要性
新卒採用におけるキャッチコピーは、学生との最初の接点といえます。企業サイトや求人サイトに掲載されたキャッチコピーで、企業の第一印象が決まるといっても過言ではありません。
新卒採用のキャッチコピーは、サイトのファーストビューで学生の心を引きつけ、自社に興味を持ってもらうきっかけを与えるのが役割です。企業の伝えたい想いや魅力が伝わるキャッチコピーを取り入れることで、以下のような効果が期待できます。
● 企業サイトや求人サイトを読み進めてくれる確率が高まる
● 経営理念やビジョンが伝わり、ブランディングにつながる
● 自社にマッチしそうな学生にアプローチできる
求人サイトの自社ページや、自社サイトの採用ページに訪れた学生に対して、キャッチコピーで興味関心を引き、ページの離脱を防ぎます。
ページを詳しく読んでもらえれば、結果的に応募者を増やす効果も期待できるでしょう。
また、経営理念やビジョン、社内風土などを分かりやすく伝えられるのも、キャッチコピーが重要とされる理由のひとつです。魅力や価値観などを言葉に乗せて伝えられるため、ブランディングや競合他社との差別化にもつながるでしょう。
求める人物像をキャッチコピーに落とし込めば、学生と企業のミスマッチを防ぐ効果もあります。ターゲットとなる学生に絞ってキャッチコピーを考えることで、応募者の人物像に統一性を持たせることも可能です。
新卒採用向けのキャッチコピーはどう作る?
学生の心をつかむキャッチコピーは、どのように作ればよいのでしょうか。ここでは、新卒採用の効果を高めるキャッチコピーの作り方を解説します。
ターゲットを明確化
キャッチコピーを考えるうえでまず大切なのは、「だれに向けたメッセージなのか」を明確にすることです。アプローチしたい人物像が曖昧な場合、どのような言葉やキーワードがターゲットに刺さるのかが分からず、訴求力のないキャッチコピーとなってしまいます。
対象とするターゲットを明確化することで、「企業に何を求めるのか」「どのような価値観があるのか」「どのようなキーワードで企業を探すのか」といった点を把握できるようになります。これによって、伝えたい思いや魅力を洗い出せるため、ターゲットの心に届くコピーを作成しやすくなります。
企業理念やビジョンとかけ離れたキャッチコピーにならないよう、求める人物像を詳しく設定しましょう。
3C分析を行って自社の魅力を抽出
ターゲットとなる学生に刺さるキャッチコピーを作るには、自社の強みや魅力を理解しておく必要があります。3C分析で強み・弱みを洗い出して、学生にアプローチできる要素を把握しましょう。
3C分析の“3C”とは、次のような視点で市場を捉えることをいいます。
● Customer(市場・顧客)→採用市場と新卒学生
● Competitor(競合)→採用市場における競合他社
● Company(自社)→自社の特徴
まずは、自社の経営理念やビジネスモデル、顧客構造などを洗い出しましょう。強みや弱み、社風などもすべてリストアップして数値化しておきましょう。
また、自社だけでなく採用プロセスでよくバッティングする企業や、同業界・同規模の企業など、採用競合になりうる先の分析も欠かせません。自社の課題や魅力は何か、具体的に把握しておくことが重要です。
キーワードを盛り込む
ターゲットや自社の魅力、差別化できるポイントが明確になったら、それらの要素をキーワードとして書き出しましょう。キャッチコピーにキーワードを盛り込む際は、訴求する内容をひとつに絞るのがポイントです。
あれもこれもと伝えたいキーワードを盛り込んでしまうと、「ターゲットに一番伝えたいこと」がぼやけてしまうほか、訴求の方向性が定まらなくなります。また、学生の心に刺さるよう、簡潔かつ自然な言葉で表現するようにしましょう。
キャッチコピーの事例
以下では、企業の特徴が出ているキャッチコピーを6つ紹介します。
①人々に「はたらく」を自分のものにする力を
総合人材サービスを提供しているパーソルキャリア株式会社。
どのような会社なのか、どのようなビジョンを持っているのかが分かりやすいキャッチコピーです。
出典:パーソルキャリア株式会社『PERSOL CAREER』
②地に足をつけるな
映画製作・配給や、外国映画の日本語版制を担う株式会社東北新社。
堅実に働くことに対する姿勢を否定するようなフレーズで、学生の就職観を覆しそうなキャッチコピーとなっています。
出典:株式会社東北新社『TFC RECRUIT 2022』
③新たな50年を創るのはキミだ!
ソフトウェア・ハードウェアの開発メーカーである株式会社ソード。
だれに何を求めているのか、何を提供できるのかが分かるキャッチコピーとなっています。
出典:株式会社ソード『新卒採用』
④電通を、つかえ。
日本大手の広告代理店の株式会社電通。
無駄を削ぎ落とした命令口調で、使われる側でなく能動的に動きたいという学生の意欲を高めるキャッチコピーとなっています。
出典:株式会社電通『DENTSU RECRUIT 2022』
⑤自分らしく、“枠”のない人生を
金融の枠を越えたソリューションを提供しているみずほフィナンシャルグループ。
どのような人を求めているのか、どう生きて欲しいのかが伝わるキャッチコピーとなっています。
出典:みずほフィナンシャルグループ『みずほFG:採用情報サイト』
⑥見えないものまでデザインしよう。
壁紙やカーテンといったインテリア素材を提供している株式会社サンゲツ。
目には見えない空間をデザインしようという姿勢が見えるキャッチコピーです。
出典:株式会社サンゲツ『SANGETSU Recruit 2022 | 株式会社サンゲツ新卒採用情報』
新卒採用向けキャッチコピー作成の注意点
新卒学生は、就職活動に以下のような不安を抱えています。
● どのような仕事内容なのか
● 人間関係は良好か
● やりがいを感じられるか
● 自分にできる仕事内容なのか
● 将来のキャリアプランが描けるか
● 企業の方針・社内風土に共感できるか
キャッチコピーは企業の第一印象を左右する要素となるため、キャッチコピーを考える際には、新卒学生の不安を払拭できるよう配慮が必要です。ターゲットとなる学生が不安に感じていることを考え、学生に共感・響く言葉を盛り込むのもポイントです。学生の不安払拭に役立つ内容には、以下が挙げられます。
■募集背景
「○○の分野を強化したいから、○○の人を採用したい」など、募集の背景を明確に示しましょう。企業が求める人材を示すことで、学生の志望動機とリンクしやすくなり、ミスマッチを防げるようになります。
■自社で働くメリット
自社で働くことで何を得られるのかを示しましょう。福利厚生やキャリアプランはあるかなど、学生に提供できるメリットを示しておくことで、入社の不安解消に役立ちます。
■経営理念・ビジョン
企業がこの先どのように事業を運営していきたいかを明確にしましょう。経営理念や社風など、学生が求める要件を満たすことで、入社後のミスマッチを防げます。経営理念やトップの考えに共感できるか否かも、学生にとっては重要なポイントとなります。
まとめ
新卒採用において、キャッチコピーは企業のブランディングだけではなく、学生との最初の接点となります。応募者数や母集団の質にも影響するため、新卒採用に欠かせない要素ともいえます。
そのため、募集しても求める学生からの応募が得られないのは、キャッチコピーで自社の求める人材像や魅力がきちんと伝えられていないことも考えられます。
多くの学生に関心を寄せてもらうことはもちろん、求める人材にエントリーしてもらうためにも、自社の想いや強みが伝わるキャッチコピーで自社を印象づけましょう。
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