新卒採用お役立ちコラム

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【セミナーレポート】活躍人材を採用するための新卒採用ブランディングのポイント

本記事は2020年11月25日に開催したオンラインセミナー「活躍人材を採用するための新卒採用ブランディングのポイント」のレポートです。

オンライン採用活動が主流になる中で、WEBコンテンツの拡充をはじめとする採用ブランディング施策に課題を感じている企業も多いのではないでしょうか。

そこで本セミナーでは、パーソルキャリア株式会社にて新卒採用責任者を務める小池 英介氏をお呼びし、ターゲット設計の仕方や自社の強みの整理といった、採用ブランディング施策における重要なポイントについて解説していただきました。

目次[非表示]

  1. 1.イベント概要
    1. 1.1.登壇者紹介
  2. 2.採用ブランディングとは
  3. 3.効果的なターゲットの決め方とは
    1. 3.1.「活躍人材の分析」と「経営陣が目指す会社の姿からの逆算」でターゲットを設計
  4. 4.自社の強みの整理の仕方とは
    1. 4.1.辞退者も含めた多くの学生にアンケートを取り、自社の現状を知る
    2. 4.2.「学生が自社に抱いているイメージ」と「自社のリアルな姿」のズレを埋める情報発信を積極的に行う
  5. 5.ターゲットへの適切なアプローチ方法とは
    1. 5.1.現場社員を積極的に巻き込み、学生に現場感を伝えていく
    2. 5.2.若手社員を中心に希望者を募り、自社のリアルを伝えることで学生満足度もUP
    3. 5.3.学生のニーズを拾いあげ、メリットデメリット両方の情報発信を
  6. 6.まとめ

イベント概要

登壇者紹介

採用ブランディングとは

(藤野)まずはじめに、新卒採用活動における「ブランディング」とは何かについて説明します。

そもそもブランディングとは、「商品やサービスについてユーザーに共通のイメージを認識させること」を指します。ですので、新卒採用活動におけるブランディングとは、「ターゲットとする学生に自社の魅力をわかりやすく伝えていくこと」と言えるでしょう。

採用ブランディングにおいては、ターゲットとする学生を定め、その学生に伝えるべき自社の魅力を明確にし、それらを適切に伝えていくことが非常に重要です。

効果的なターゲットの決め方とは

「活躍人材の分析」と「経営陣が目指す会社の姿からの逆算」でターゲットを設計

(藤野)採用ブランディングにあたって全体的な構造はどうお考えでしょうか?

(小池)全体構造としてはこちらの概念図を参考に、各工程の戦略を考えました。

大きく分けてステップは4つありますが、我々がまず着目したのは「エンゲージメント」の部分です。

具体的には、「活躍人材の分析」と「経営陣が目指す会社の姿からの逆算」によって、入社後にエンゲージメントが高い状態で働くターゲット像を具体化しました。


「活躍人材の分析」では、現在活躍している社員に対し、定性的・定量的両方の側面から分析を行い、彼らに共通する能力や志向性を洗い出していきました。

「経営陣が目指す会社の姿からの逆算」では、経営陣との「将来どんな会社でありたいか、どんな社員で溢れていて欲しいか」といった議論から必要な人材を洗い出していきました。目指す未来から逆算をすることで、経営陣との目線合わせを行うこともできましたね。


(藤野)「活躍人材の分析」に関しては、具体的にどういったツールを用いて分析を進めていったのですか?


(小池)評価実績と現場ヒアリングを行い、彼らが持つ志向性や能力の分析を行いました。

定量的な部分に関しては、社員が入社時に受検した適性検査を活用しました。スコアの高い項目を調べたり、活躍している社員のスコアの傾向を分析したりしました。


(藤野)「経営陣が目指す姿からの逆算」に関しては、経営陣が求めている人材と採用できる人材の間に乖離がある場合、どう擦り合わせていけば良いのでしょうか?


(小池)スタートから経営陣や配属先と入念に擦り合わせをすることが大事です。

具体的には、採用の量つまり人数が大事なのか?それとも質が大事なのか?などです。

採用ターゲットや求める能力等のすり合わせは当然必要になりますし、例えば量が大事なのであれば、学生のレベル感を落としてでも目標人数を採用するべきなのか?一方質が大事なのであれば、理想のレベルに達する学生がいない場合は採用がゼロでもよいのか?などの確認が重要です。

自社の強みの整理の仕方とは

辞退者も含めた多くの学生にアンケートを取り、自社の現状を知る

(藤野)実際にターゲットを決めた後、その学生に対して、認知度を高めるためにどのようなことを行ったのですか?


(小池)我々が行ったのは、「選考を受けてくれた学生に対するアンケート」です。

内定を出した学生に関しては、当社が求める能力の基準をクリアされている方なので、なぜ受けようと思ったのか、など志向性を分析する質問をしていきました。

さらに、内定をだしたものの辞退された学生に対してもアンケートを行い、辞退した理由について情報収集していきました。すると、本当は希望条件に合っているにも関わらず、情報提供ができていないために辞退されている場合があることが分かりました。そこで、改めて訴求するべき自社の強みを整理しました。


(藤野)辞退者にアンケートをとるというのは少しセンシティブなことかなと思うのですが、その辺りはどういった議論がなされたのですか?


(小池)そもそもアンケートをとるかどうかの議論も実際なされましたが、やはり採用活動において学生のリアルな声を拾うことはとても重要であると考え、アンケートをとることを決めました。辞退した学生の多くは当社が嫌いだから辞退したわけではないので、多くの学生がアンケートに協力してくれました。

アンケートをとってみてわかったこととしては、「学生はより詳細な情報を欲している」ということです。具体的には、「評価制度が分かりにくい」「オフィス環境はどんな感じか知りたい」といった声があがったように、学生は「実際に働いた時の鮮明なイメージが湧く情報」を求めているとわかりました。

「学生が自社に抱いているイメージ」と「自社のリアルな姿」のズレを埋める情報発信を積極的に行う

(藤野)アンケートを通して見えてきた、情報発信における課題や改善点は具体的にどんなものがありましたか?


(小池)当社の場合、大手企業だと思われがちで、若手の裁量権がなかったり年功序列が存在していたりするといったイメージを持っている学生が多いとわかりました。

ただ実際は若手のうちからどんどん活躍できる会社ですので、若手社員が活躍している事例をHPやSNSを活用して発信したり、マネージャーの昇格年齢といった事例を基に詳細情報を積極的に発信したりしました。

ターゲットへの適切なアプローチ方法とは

現場社員を積極的に巻き込み、学生に現場感を伝えていく

(藤野)ターゲットとする学生への認知度を高めた上で、選考の段階において意識されていることはありますか?


(小池)当社にはたくさんの部署があるのですが、新卒配属可能性のある部署の役員や責任者には必ず選考フローに関わってもらいました。

ここ数年で学生の情報収集力が上がってきたことや、ある学生からの「人事って結局いいことしか言わないですよね」といった一言が決め手となり、もっと現場の空気感を知ってもらうよう、採用活動の仕方を変えていきました。

そこからは全社採用という形をとり、現場社員にも、主にインターンシップ・面接・面談に関わってもらうようにしています。

若手社員を中心に希望者を募り、自社のリアルを伝えることで学生満足度もUP

(藤野)選考に関わってもらう社員はどのように選定していくのでしょうか?


(小池)基本的に当社では、内定を出すまでに、選考を伴う「面接」と、意向上げや情報提供のための「面談」を実施しています。

そこで、面談では希望者を募るようにしました。以前は希望者ではなく上司の推薦などによって決めていたのですが、希望者を募ることによって会社に対して高いロイヤリティを持つ人や新卒マーケットに興味ある人が集まるようになりました。その結果、自ら情報収集した上でやってくれる人も多かったので学生満足度も上がりました。

学生のニーズを拾いあげ、メリットデメリット両方の情報発信を

(藤野)最後に、ターゲットへの適切なアプローチ方法についてお聞きしたいと思います。現在、ターゲットの学生に対するアプローチで強化されていることはありますか?


(小池)今はコロナの影響でオンラインでの採用に移行されている企業さんも多いと思います。その影響で学生がリアルな現場感や情報を得られる機会が減っていることを課題に感じているので、選考とは別に面談や座談会の場を積極的に設けています。あとはOBOG訪問の重要性も昨今上がってきていますので、当社でも協力を呼びかけています。


(藤野)なるほど。Webコンテンツの拡充において気をつけることはありますか?


(小池)そうですね。我々も現在注力していることではありますが、重要なポイントとしては、「学生のニーズを拾うこと」だと思います。やはり一方的な情報発信だけでは少し懐疑的になってしまう学生も多いです。なので情報発信する際には「メリットとデメリット両方の情報発信」をしていくことが大事です。あえて弱みをみせることで学生に受け入れてもらえることもあるので、学生のニーズを拾うことと、赤裸々な情報を発信していくことが大事になると思います。

まとめ

採用ブランディングにおいては、ターゲット設定からアプローチに至るまで、PDCAを回し続けることが非常に重要になります。

ぜひ本セミナーを参考にして、仮説検証を繰り返しながら採用ブランディング施策を実行していただければ幸いです。

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