リクルーターとは?役割や導入するメリット・デメリットを説明
新卒採用において、選考を受ける学生のサポートをする「リクルーター」。
人手不足で新卒学生の獲得競争が激化する中、採用したい学生を入社につなげるための施策の一つとして、リクルーター制度を取り入れる企業が増えています。
本記事では、リクルーター制度の本質を踏まえたうえで、メリットやデメリット、押さえておきたい効果的な導入のポイントなどを詳しくご紹介します。
目次[非表示]
- 1.リクルーターとは?
- 1.1.リクルーターとは?
- 1.2.リクルーターの役割
- 1.2.1.母集団形成
- 1.2.2.企業理解の促進
- 1.2.3.入社前の不安を解消する
- 2.リクルーター導入のメリット
- 2.0.1.優秀な人材を囲い込める
- 2.0.2.採用計画がスムーズ
- 2.0.3.人材をよく把握できる
- 2.0.4.志望度の向上
- 2.1.学生側のメリット
- 3.リクルーター導入のデメリット
- 4.リクルーター制度を成功させるポイント
- 4.1.候補者とマッチするリクルーターを選ぶ
- 4.2.リクルーターの教育を実施する
- 4.3.アフターフォローを行う
- 5.まとめ
リクルーターとは?
まず、リクルーターの意味と役割について解説します。
リクルーターとは?
リクルーター(recruiter)とは、日本では「採用を担当する人」という意味で使われており、新卒採用においては「入社に向けて学生の相談に乗ったり、サポートしたりといった役割を担う人」を指すことが多いと言えます。
企業によって、リクルーターをつける時期やリクルーターとなる社員の属性は、さまざまです。例えば、時期については一次面接後やインターンシップ実施後という企業もありますし、社員の属性については採用担当者の場合もあれば、現場の若手社員が担当するというケースも存在します。
リクルーターの具体的な役割にはどんなものがあるのでしょうか?
リクルーターの役割
母集団形成
リクルーター制度を導入すれば、就活シーズンの前から学生と接触を図ることができます。リクルーターは、就活サイトのプロフィールや大学のつながりなど、学生の志望度やスキル、適性などを見て学生にアプローチします。そのため、通常の採用活動と異なり、リクルーターの働きによって、質の高い母集団形成を図ることが可能です。
企業理解の促進
採用活動において自社への理解を深めてもらうことは非常に重要です。
「ぜひ自社に来て欲しい」と感じる学生がいても、興味を持ってもらえなければ元も子もありません。候補学生がいる場合は、自社に興味を持ってもらえるよう自社の魅力や働いていて楽しいところ等について、知ってもらう努力をしましょう。
ポイントは、ターゲット学生の志向性に応じた内容を伝えることです。「一緒に働く人を重視している」という学生には、社内の人間関係や雰囲気を。「仕事とプライベートとの両立を大切にしたい」という学生には、両立している人の具体的な例等を話せるとベストでしょう。
このような企業の魅力を伝えるのに有効なのが「インターンシップ」です。2022年6月~7月に実施された『【HR総研】2023年&2024年新卒採用動向調査(6月)』によると、ターゲット層の採用に効果的な施策は「インターンシップ」「キャリアセンター訪問」「逆求人サイト」という結果も出ています。リクルーターもしくは採用担当者の方は、ぜひインターンシップの実施について企画・検討していただきたいと思います。
インターンシップの企画において意識したい3つのポイントについては、下記記事をご参照ください。学生のリアルな声が分かります。
関連記事:インターンシップの企画に役立つ3つのポイントと企画の立て方、学生のリアルな声まで
入社前の不安を解消する
学生が内定を承諾した後も、リクルーターには「内定辞退が起きないよう、不安を解消する」という役割があります。
学生からの質問に迅速に答えるのはもちろんですが、
・学生が興味のある事業に携わる社員を紹介する
・オフィス見学に誘う
・小規模の内定者懇親会を開く
などを検討すると良いでしょう。
また、OB・OG訪問などの希望者に対しても同様の心構えを持つ必要があります。企業の評判を下げることのないよう、こちらもポイントを押さえておきましょう。
リクルーター導入のメリット
人が動かないことには、4つの理由があると言われています。
1)知らない
2)興味がない
3)忘れている
4)迷っている
です。就職活動を始めたばかりの学生は、まさにこのような状態だと言えます。そのため、自社の知名度に課題感を持つ企業は、まず自社について「知ってもらう」という状態を作る努力をしましょう。
そこで有効なのが、リクルーター制度です。リクルーター制度を導入すれば、リクルーターが学生のスキルや適性を判断したうえで就職活動中の学生に接し、効果的な採用活動を進めることが可能です。では、企業側・学生側のそれぞれのメリットをご紹介します。
優秀な人材を囲い込める
リクルーター導入のメリットとして、まず、自社にとって最適な人材を早い段階で囲い込める点が挙げられます。
採用面接では、時間が限られているため、面接官が学生の情報を十分に入手できないケースもあります。リクルーター制度の導入は、早期に学生とコンタクトを取ることができるため、学生の獲得競争が激化するなか、他社と差をつけるためにも必要です。
採用計画がスムーズ
リクルーター制度の導入により、企業は応募者の適性や志望度を見極めることができ、採用計画を円滑に進めることが可能です。
内定辞退を最小限にとどめ、学生とのミスマッチによる想定外の事態を回避できるでしょう。
人材をよく把握できる
採用面接だけでは、限られた時間内で学生の意欲や仕事に対する考え方などを把握することが困難な可能性もあります。しかし、リクルーターと学生との面談を通して、学生の仕事に対する考え方や意欲、就活への悩みなどを聞き出すことができ、企業にとっては人材への理解を深められます。
志望度の向上
前述したとおり、リクルーターの導入で学生をサポートしたり、会話をしたりする機会が増える中で、双方の理解を深めることが可能です。そのため、企業と学生間の齟齬を軽減でき、学生の志望度向上につながります。
また、内定後も学生との交流を深めることで内定辞退を防ぐことも期待できます。
学生側のメリット
ミスマッチの回避
リクルーター制度の導入は、学生にとってもメリットがあります。リクルーターとの接触の機会を重ねることで、企業の魅力や雰囲気を知ることができるほか、自身の考え方や意欲をきちんと伝えることができます。そのため、企業側との齟齬を軽減でき、企業とのミスマッチを回避することが可能です。
採用フローの簡略化
リクルーターの働きにより選考フローが簡略化される点は、企業だけでなく学生にとってもメリットです。リクルーターが1次面接官として選考の一部を担う企業の場合、リクルーターとの面談で応募者が絞られるケースがあります。そのため、リクルーターとの面談の後、最終面接となる可能性もあり、他の学生より選考フローが短くできるでしょう。
リクルーター導入のデメリット
リクルーター導入には、メリットだけでなくデメリットもあります。ここでは、企業側・学生側のそれぞれのデメリットをご紹介します。
企業側のデメリット
コストがかかる
リクルーター制度を導入するには、いくつかのステップを踏む必要があり、コストや手間がかかりやすくなります。
一般的な導入までのステップは、以下のとおりです。
・アプローチする学生の選定
・リクルーターに専任する社員の選定
・リクルーターへの教育
・学生とのコンタクト開始
企業に対するイメージが低下する可能性がある
リクルーターと学生との相性によっては、自社のイメージを下げるおそれもあります。自社に良い印象を持ってもらうためには、リクルーターが一方的に話をするのではなく、学生の話に耳を傾け、考えや意思を尊重することが大切です。
学生側のデメリット
不公平である
リクルーターとの面談の機会は、すべての学生に平等に与えられるものではありません。そして、リクルーターがつかない場合は、一般の選考フローを踏むことになります。そのため、リクルーター制度の利用を希望する学生にとっては、不公平に感じてしまうケースもあるでしょう。
ストレスがかかる
リクルーター制度は通常の採用と異なり、基本的に不採用の場合は連絡が来ません。採用結果について分からない状態が続くため、精神的なストレスを抱える学生も少なくありません。
リクルーター制度を成功させるポイント
ここでは、リクルーター制度導入で採用活動を成功に導くポイントをご紹介します。
候補者とマッチするリクルーターを選ぶ
リクルーターとしてアサインするのは、
・学生と歳の近い1~5年目の若手社員
・自薦or他薦で集まった社員
・自社に愛着がある、自社の現在と未来について語れる社員
がオススメです。
リクルーターの教育を実施する
リクルーターは、面談を通して学生の意欲や志望度を把握し、会社の顔として自社の魅力をきちんと伝える役割を担っています。
リクルーター向けのトレーニングの機会を設けるなど、企業の魅力の伝え方や、採用したい人材のイメージを共有しておきましょう。
アフターフォローを行う
「自社に入社させること」だけをゴールにすると、入社後のミスマッチや志望度の低下を誘発しかねません。
学生が自身の価値観や志向性、自社の取り組みや社風を正しく理解できるようにサポートすることが大切です。
学生が自社についてしっかり知った上で「入社したい」という意向があれば、選考のサポートを続けましょう。
まとめ
リクルーター制度は、企業と学生のミスマッチを軽減したり、採用フローを簡略化したり、メリットがある一方で、デメリットもあります。制度の本質を理解したうえで、自社に合う形で効果的に利用することが大切です。
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