エリア職で内定承諾した学生のインサイトと就活事情/学生インタビュー
就職活動において「ライフプランの立てやすさ」、特に勤務地を企業選びの決め手として重視する学生が増えています。そういった学生の一部は、エリア限定の職種やローカル企業を検討し、エントリーすることも多いようです。
本記事ではエリア職の選考にエントリーし、内定承諾した22卒学生にインタビューし、内定承諾の決め手や、学生が知りたい企業の情報についてまとめました。
勤務地を重視して就職活動を行う学生のインサイトの一例としてぜひご参考にしていただければ幸いです。
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目次[非表示]
- 1.インタビュー概要
- 2.就職活動の進め方
- 3.望む働き方
- 3.1.家庭を優先しながら働きつづけることができる
- 3.2.自己成長のチャンスもある
- 4.選考中に知りたい情報
- 5.まとめ
インタビュー概要
インタビュアー:dodaキャンパスインターン生 光森(国公立大学 人文系学部 4年)
インタビューをうけてくれた学生:Aさん(関西圏の大学 文系学部4年 北陸出身 )
就職活動の進め方
(光森)本日はよろしくお願いします!
早速ですが、Aさんの内定先と、その職種について簡単に教えてください。
(Aさん)よろしくお願いします!
私は金融商材を扱う企業のエリア職に内定しています。
エリア職といっても勤務地の範囲はやや広く、「関西圏での異動はあるものの、海外赴任や地域を超えた転勤はない」という勤務形態です。
(光森)なるほど。Aさんはエリア職だけを志望していたのでしょうか?
(Aさん)そんなことはありません。本選考では約10社ほどエントリーしましたが、そのうちエリア職は4社のみです。志望業界かつエリア職採用を実施している企業はそれほど多くなかったため、全国転勤型の募集にも応募していました。
(光森)エリア職の募集を含め、エントリー数がかなり少ないように見受けられますが、志望企業はかなり絞っていたのでしょうか?
(Aさん)そうですね。3年の4月から就職活動をスタートさせ、1社から早期に内定をいただいていたため、3年次の秋以降は志望度の高い企業のみエントリーしていました。
望む働き方
家庭を優先しながら働きつづけることができる
(光森)どうして、エリアを限定して働こうと思ったのですか?
(Aさん)家庭を優先しつつも、仕事を続けていきたいからです。
将来、結婚出産を経ても、配偶者の転勤についていくことになっても、働き続けたいと考えています。
(光森)なるほど。ちなみに、昇進したい、出世したいという気持ちはあるのでしょうか?
(Aさん)正直なところ、それほどありません。キャリアパスよりも、業務内容や社風が合っているかの方が大事です。ただし、出世はしなくとも「後輩の育成を任されるなど、頼られる存在」になりたいとは思っています。
(光森)どうしてそう思うようになったのですか?
(Aさん)OB・OG訪問で面談していただいた、内定先のとある女性社員の方が魅力的だったからです。結婚・出産を経ても社内で活躍し続ける社員として、自分のキャリアを考える上でのロールモデルにもなりました。
その方から「配偶者の転勤にも柔軟に対応してもらえる」「無理なく時短勤務ができる」など、内定先の働きやすさを実例とともに教えていただいたこともきっかけになり、本選考への参加と内定承諾にいたりました。
内定先の場合、出身地(北陸)のエリア職だとクライアントや業務の幅が狭い傾向にあったため、関西圏のエリア職としての就職を決めました。
自己成長のチャンスもある
(光森)先輩社員との面談を経て、理想とする働き方が具体的にイメージできたのですね。他には「理想とする働き方」の条件はなにかありますか?
(Aさん)はい。「多様な社員やクライアントと一緒に働き、自分にはない知見をたくさん得たい」と考えています。冒頭で「仕事よりも家庭」とは言いましたが、「仕事を通じて成長したい」という思いも強いからです。
選考中に知りたい情報
社員のライフプランを質問しやすくしてほしい
(光森)就職活動を通じて何か困った事はありますか?
(Aさん)キャリアプランを考えるうえでのロールモデルを見つけるのが難しかったことです。
特に、私の内定先はエリア職の制度を改定したばかりの企業なので先例となる社員が少なく、そういった方とお話しできる機会がありませんでした。
(光森)ロールモデルとなる社員が見つからないと、入社後のイメージが湧きづらいですよね。
(Aさん)はい。「福利厚生など、諸制度の実態」や「同性の社員のライフプランや生活レベル」は入社後の自分をイメージするのに大切な情報ですが、プライベートなことなので、学生側から聞くのは気が引けてしまいます。
(光森)なるほど。では、「社員の方のライフプランに関わる情報は、企業側から発信していただけると嬉しい」ということでしょうか?
(Aさん)その通りです。例えば、「全国転勤型の社員とエリア職の社員でパネルディスカッションをし、お互いの働き方を比較する」ようなセミナーがあるとありがたいと思っていました。
エリア職のターゲットを見直してほしい
(Aさん)エリア職の採用が「実家から勤務する社員のことしか想定していない」点にも違和感を覚えました。
(光森)たしかに、Aさんのように「仕事の環境とライフプランのどちらも重視した結果、出身地以外の場所でエリア職として就職しようとしている」学生も一定数いらっしゃいますよね。
(Aさん)そうですね。私が懇親会で知り合った学生も、同じような考えを持っていました。しかし、内定先の企業の場合、エリア職であれば「1人暮らしであるか実家暮らしであるか」に関わらず、交通費の上限が厳しいなど、福利厚生が最低限に抑えられています。
(光森)「エリア職の社員は実家から通うため、生活コストがかからないだろう」と思われているのかもしれませんね。
(Aさん)はい。わがままかもしれませんが、私のような学生のことも考えて、福利厚生や待遇面のサポートを改善していただけるとありがたいと思っています。
「エリア職ならではのキャリアの展望」は強く発信してほしい
(Aさん)採用担当の方が「エリア職ならではのメリットや魅力」を発信してくれたのは良かったですね。
(光森)例えばどんな魅力があるのでしょうか?
(Aさん)「エリア職だからこそ経験できる業務があること」です。全国転勤型の社員が営業を中心にキャリアを歩むのに対して、エリア職の社員は契約後の対応も担当することができ、商材に関する知識を幅広く身に着けることができるそうです。
そういった、「商材のプロになれる」ところにとても惹かれたのですが、これは採用担当の方が発信してくださっていなかったら絶対に知りえない魅力でした。
(光森)意外なメリットこそ、強く発信していただきたいですよね。本日は以上です!ありがとうございました!
まとめ
本記事では、エリア職での内定を承諾した学生へのインタビューをお読みいただきました。「ライフプラン」と「自己成長」のどちらも求める、新卒学生のリアルが伝われば幸いです。
今回のインタビューでは「エリア職を受ける学生のインサイトに変化が起こっていること」や「ロールモデルとなる社員が、具体的なキャリアプランや仕事内容を発信することの重要性」「学生が知り得ない職種の魅力や展望を発信することの大切さ」が明らかになったかと思います。
どんな情報を求めるかはターゲットごとに異なるので、採用ターゲットを細かく設計して、ターゲットに合った情報発信やフォローをすることが大事です。
ターゲット設計について解説した資料をご用意しているので、どうぞ合わせてご活用ください。
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