
内定辞退率の平均は?新卒・中途別の推移や理由、企業ができる7つの対策
売り手市場が続くなか、想定以上の内定辞退者の発生に頭を悩ませている採用担当者も多いのではないでしょうか。自社の辞退率が平均と比べて高いのか、どのような対策を講じるべきか、判断に迷うこともあるかもしれません。
この記事では、新卒・中途採用における内定辞退率の最新の推移や平均値、主な辞退理由を解説します。
最後まで読めば、自社の辞退率を最新の市場平均と比較し、採用計画の修正や辞退防止のための具体的な企業対策を決定できる状態になります。
目次[非表示]
- 1.内定辞退率とは?
- 2.【2027年卒最新】内定辞退率の平均はどのくらい?
- 3.なぜ内定を辞退されるのか?5つの主な原因
- 3.1.他社のほうが条件や待遇が良かった
- 3.2.面接官や社員の対応に不満を感じた
- 3.3.企業の将来性や事業内容に不安を覚えた
- 3.4.内定後のフォローがなくコミュニケーションが不足していた
- 3.5.配属先や勤務地など希望とのミスマッチがあった
- 4.内定辞退を防止する7つの対策
- 4.1.選考プロセスでの期待値調整と魅力付けを徹底する
- 4.2.面接官のトレーニングを実施し、応対品質を向上させる
- 4.3.内定通知のスピードを早め、候補者の熱量を維持する
- 4.4.内定者一人ひとりに合わせた個別フォロー面談を行う
- 4.5.内定者懇親会や社員との座談会で入社後のイメージを具体化させる
- 4.6.オファー面談で給与や待遇に関する疑問を解消する
- 4.7.リファラル採用やダイレクトリクルーティングでマッチ度を高める
- 5.まとめ
内定辞退率とは?

内定辞退率とは、企業が内定を出した候補者のうち、入社を辞退した人の割合を示す指標です。
この数値は、採用活動の成果を測り、次年度以降の採用計画の精度を高めるために不可欠なデータとなります。
特に複数の内定を得ることが一般的な現代の就職・転職活動において、内定辞退率を正確に把握し分析することは、採用戦略全体を見直す上での重要な第一歩です。
まずは基本的な計算方法を理解しましょう。
内定辞退率の基本的な計算式
内定辞退率の基本的な計算式は、下記の通りです。
内定辞退者数 ÷ 内定者総数 × 100 |
ここで注意すべきは「内定者総数」の定義です。
一般的には、企業が内定通知を出した全ての人数を分母とします。
例えば、100名に内定を出し、そのうち60名が辞退した場合、内定辞退率は60%となります。
この計算により、採用活動における最終的なコンバージョン率を客観的に把握することが可能です。
歩留まり率との違いと採用計画における重要性
歩留まり率とは、選考の各段階において、次のステップに進んだ候補者の割合を示す指標です。
内定辞退率は、「内定出し→入社承諾」という最終フェーズの歩留まりを示す指標と捉えられます。
採用計画を立てる際には、各選考フェーズの歩留まり率を分析することで、どの段階で候補者が離脱しているのかを特定できます。
企業は全体の歩留まりを把握し、採用目標人数を達成するために必要な応募者数や内定者数を逆算します。
【2027年卒最新】内定辞退率の平均はどのくらい?

近年の採用市場は、学生や求職者にとって有利な「売り手市場」が続いており、内定辞退率は高い水準で推移しています。
特に新卒採用では、一人の学生が複数の内定を保持することが一般的になりました。
リクルート就職みらい研究所の「就職内定率調査」によると、27卒の就職内定辞退率は2026年6月1日時点で51.7%となります。
このように、内定を出しても約半数が辞退するという状況が現在の標準的な割合です。
最新の動向を新卒・中途・企業規模別に見ていきましょう。
出典:株式会社リクルート 就職みらい研究所『2027年卒学生 就職内定率調査』
【新卒採用】最新の内定辞退率の推移と市場の傾向
新卒採用における内定辞退率は、近年約60%から65%という高い水準で推移しています。
2027年卒の就活は早期化がさらに進み、学生が早い段階で複数の内定を獲得し、じっくり比較検討する傾向が強まっています。
10月1日時点の新卒採用内定辞退率
2026年卒 | 65.7% |
2025年卒 | 66.2% |
2024年卒 | 63.3% |
出典:株式会社リクルート 就職みらい研究所『就職プロセス調査(2026年卒)』
内定承諾後の辞退について
内定を承諾した後に辞退が発生するケースは、企業にとって大きな課題の一つです。
内定承諾は入社への意思を示すものですが、承諾後であっても、より条件のよい企業から内定が出た場合や、入社に対する不安が拭いきれない場合などに、辞退を選択する学生もいます。
内定辞退を防ぐためには、内定者一人ひとりの志望動機や入社意欲を改めて確認し、入社までの間に生じる不安や疑問を解消することが重要です。内定者との継続的なコミュニケーションを通じて、入社への不安を減らし、企業への理解や入社意欲を高めていくことが、入社につなげるポイントとなります。
【中途採用】内定辞退率の平均と転職市場の変化
中途採用の内定辞退率は、新卒採用ほど高くはありませんが、それでも無視できない水準にあります。
マイナビの「中途採用状況調査2026年版(2025年実績)」によると、2025年の中途採用における内定辞退率は15.0%でした。2024年の9.3%から5.7ポイント上昇しています。
転職市場の活況化に伴い、優秀な人材ほど複数の企業からオファーを受けるのが当たり前になっています。
そのため、求職者は提示された給与や待遇、労働条件をシビアに比較検討します。
現職からの引き留めや、より良い条件を提示する他社の存在が、内定辞退の主な要因となっています。
出典:株式会社マイナビ 『中途採用状況調査2026年版(2025年実績)』
【企業規模・地域別】内定辞退率のデータを比較
内定辞退率は、企業の規模によっても傾向が異なります。
一般的に、大手企業や大企業は知名度や安定性から多くの応募者を集めますが、その分、優秀な学生は他社からも内定を得ている可能性が高く、結果として内定辞退率も高くなる傾向があります。
一方で、中小・中堅企業も、学生が大手企業と比較検討する中で辞退を選択するケースが多く、半数近くが辞退する状況が見られます。
どの規模の企業であっても、内定者とのエンゲージメントを高めるための対策が求められます。
なぜ内定を辞退されるのか?5つの主な原因

内定辞退率が高止まりする背景には、学生や求職者側の心理的な変化や、企業選びの基準の多様化があります。
単に「他に良い会社があったから」という理由だけでなく、選考過程や内定後のコミュニケーションにおける些細なすれ違いが、最終的な意思決定に大きく影響します。
ここでは、内定辞退に至る5つの主な原因を、候補者の本音から探ります。
他社のほうが条件や待遇が良かった
給与や福利厚生、休日数といった労働条件は、企業選びにおける最も基本的な比較項目です。
特に中途採用では、候補者は自身の市場価値をある程度把握しており、現職以上の待遇を期待します。
提示された条件が期待に満たなかったり、他社からより魅力的なオファーを受けたりした場合、辞退につながるのは自然な流れです。
将来のキャリアパスや昇給モデルを含めた、総合的な待遇面での魅力が問われます。
面接官や社員の対応に不満を感じた
選考プロセスにおける候補者の体験は、企業イメージを決定づける重要な要素です。
面接官の高圧的な態度や不誠実な回答、人事担当者からの連絡の遅延などは、候補者に不信感を抱かせ、「この会社で気持ちよく働けないかもしれない」という印象を与えます。
社員との交流会などで感じた職場の雰囲気や、社員の働く姿勢も、入社を決意する上での判断材料となっており、選考中のネガティブな体験は致命的な辞退理由になり得ます。
企業の将来性や事業内容に不安を覚えた
候補者は、企業の安定性や成長性も重視しています。
説明会や面接での質疑応答を通じて、企業のビジョンや事業戦略に共感できなかったり、業界の先行きに不安を感じたりすると、内定を受諾するのをためらうことがあります。
特に、自らのキャリアプランと企業の方向性が一致しないと感じた場合、たとえ待遇が良くても辞退を選択するケースは少なくありません。
企業は自社の魅力を明確に伝える必要があります。
内定後のフォローがなくコミュニケーションが不足していた
内定承諾後から入社までの期間は、内定者の入社意欲が変動しやすい時期です。
この期間に企業からの定期的な連絡や情報提供がないと、内定者は「本当にこの会社で良いのだろうか」という不安を募らせます。
特に、他社からの魅力的なアプローチを受けたり、友人から別の企業の話を聞いたりする中で、気持ちが揺らぐことがあります。
コミュニケーション不足は、内定者が抱える不安を増大させ、辞退の引き金となります。
配属先や勤務地など希望とのミスマッチがあった
入社後の具体的な働き方に関するミスマッチも、辞退の大きな原因です。
選考段階で聞いていた話と、内定時に提示された配属部署や勤務地、職務内容が異なっていた場合、候補者は企業に対して不信感を抱きます。
自身のキャリアプランやライフプランと、企業から提示された条件が合致しないと判断すれば、たとえ第一志望の企業であっても辞退を選択することは珍しくありません。
内定辞退を防止する7つの対策

内定辞退率を下げるためには、付け焼き刃の対策ではなく、選考プロセスから内定後のフォローまで一貫した戦略的な取り組みが不可欠です。
候補者の心理を理解し、不安を解消しながら自社へのエンゲージメントを高めていくことが重要になります。
ここでは、内定辞退率を改善するための具体的な7つの対策を紹介します。
選考プロセスでの期待値調整と魅力付けを徹底する
入社後のミスマッチを防ぐための対策として、選考段階で仕事の良い面だけでなく、厳しさや課題といったリアルな情報も率直に伝えることが重要です。
これにより、候補者は現実的な期待を持って入社を判断でき、入社後の早期離職リスクも低減できます。
同時に、自社のビジョンや社風、社員の魅力を具体的に伝え、候補者の志望度を高める魅力付けも欠かせません。
面接官のトレーニングを実施し、応対品質を向上させる
面接官は「企業の顔」であり、その対応が候補者の入社意欲を大きく左右します。
候補者のスキルや経験を見極める評価者としての役割だけでなく、自社の魅力を伝え、候補者の心を引きつけるリクルーターとしての役割も担っています。
傾聴力や質問力、動機付けのスキルなどを向上させるトレーニングを実施し、全ての選考でポジティブな候補者体験を提供できる体制を整えるべきです。
この対策は、選考通過率の改善にも繋がります。
内定通知のスピードを早め、候補者の熱量を維持する
候補者の志望度が最も高まっているのは、最終面接直後です。
選考結果の通知が遅れると、その間に候補者の熱意は冷め、他社の選考に進んでしまう可能性が高まります。
特に採用競争が激化し、就職・転職活動の早期化が進む現在、迅速な意思決定は不可欠です。
社内の承認プロセスを見直し、可能な限り早く内定を通知できる体制を整えることで、承諾率を高める対策になります。
内定者一人ひとりに合わせた個別フォロー面談を行う
画一的なフォローではなく、内定者が抱える個別の不安や疑問に寄り添う対策が有効です。
内定承諾後のタイミングで、人事担当者や現場の先輩社員、あるいは配属予定部署の上長などが個別面談を実施します。
キャリアプランの相談に乗ったり、入社前の不安点を聞き出したりすることで、信頼関係を深め、内定者は安心して入社日を迎えられます。
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内定者懇親会や社員との座談会で入社後のイメージを具体化させる
内定者同士や先輩社員との交流の場を設けることで、入社後の人間関係に対する不安を和らげ、企業への帰属意識を高める対策です。
懇親会や座談会を通じて、実際に働く社員の生の声を聞くことは、候補者が社風を理解し、入社後の働き方を具体的にイメージする上で非常に効果的です。
内定承諾後も継続的に接点を持つことで、内定ブルーの解消にも繋がります。
オファー面談で給与や待遇に関する疑問を解消する
内定通知書を一方的に送付するだけでなく、給与や評価制度、福利厚生などの労働条件について、直接対話しながら丁寧に説明する「オファー面談」を実施する対策が有効です。
年収の算定根拠や残業の実態など、候補者が聞きにくい部分も企業側からオープンに情報開示することで、信頼関係が構築され、納得感を持って内定を承諾してもらいやすくなります。
リファラル採用やダイレクトリクルーティングでマッチ度を高める
従来の公募だけでなく、社員の紹介(リファラル採用)や企業側から直接候補者にアプローチする(ダイレクトリクルーティング)手法を導入することも有効な対策です。
これらの手法は、応募の段階で候補者が企業文化や事業内容をある程度理解しているため、初期段階でのミスマッチが起こりにくくなります。
結果として、選考から内定、入社までスムーズに進みやすく、内定辞退率の低下が期待できます。
新卒採用のダイレクトリクルーティングについては、dodaキャンパスの活用もご検討ください。
まとめ
本記事では、新卒・中途採用における内定辞退率の平均や推移、主な辞退理由、具体的な対策について解説しました。
売り手市場で優秀な人材を確保するには、辞退の原因を分析し、選考から内定後まで一貫した対策を講じることが重要です。自社の採用活動を見直し、候補者一人ひとりと向き合うことが、内定辞退率の改善につながります。
内定辞退を防ぐための具体的なフォロー施策については、「辞退を未然に防止するための内定者フォローのポイント」もぜひご活用ください。






