就活を進める中で「志望業界(企業)の初任給の水準は?」 「平均額はいくらくらい?」 「税金はどのくらい引かれるの?」と給与に関して興味を持つ方も多いのではないでしょうか?
本記事では、新卒の初任給や手取りと額面の違いなどを解説します。ぜひ最後までご確認ください。
目次
そもそも初任給とは?
「初任給」とは、文字通り「初めて任せられた仕事に対する給与」のことです。ベースとなる「基本給」に、下記のような「諸手当」を加えた額となります。
諸手当の例
- 時間外労働手当(残業手当)
- 深夜勤務、休日勤務手当
- 住宅手当
- 通勤手当
- 役職手当
初任給の振り込み日は、企業の就業規則によって異なります。チェックする時は、「締め日」と「支払い日」に注目しましょう。 例えば「当月末締め、翌月25日払い」の企業では、4月1日入社の場合、5月25日に初任給が振り込まれます。
大卒と院卒の初任給平均額の推移は?
学歴 令和2年 令和3年 令和4年 令和5年 令和6年 2020年 2021年 2022年 2023年 2024年 男女計
院卒 25万5,600円 25万3,500円 26万7,900円 27万6,000円 28万7,400円 大卒 22万6,000円 22万5,400円 22万8,500円 23万7,300円 24万8,300円 参考:厚生労働省「令和2年賃金構造基本統計調査」「令和3年賃金構造基本統計調査」「令和4年賃金構造基本統計調査」「令和5年賃金構造基本統計調査」「令和6年賃金構造基本統計調査」
厚生労働省の最新の初任給調査「令和6年賃金構造基本統計調査」における「新規学卒者の学歴別にみた賃金」によると、大学卒(男女計)の初任給は24万8,300円、大学院卒は28万7,400円でした。
過去5年間で初任給は増加傾向にあり、令和6年は最高金額となっています。前年対比で約4%、金額にして1万円以上の増加です。
初任給平均額の比較|学歴・業種・企業規模・地域別に紹介
初任給の平均額は、学歴のほか、業種や企業規模、地域によっても異なります。厚生労働省のデータを元に確認していきましょう。
【学歴別】高卒・大学卒・大学院卒などの初任給平均額
厚生労働省が行った「令和6年賃金構造基本統計調査」によると、学歴ごとの初任給は下図の通りです。
学歴 高校卒 専門学校卒 高専・短大卒 大学卒 大学院卒 男女計 19万7,500円 22万2,800円 22万3,900円 24万8,300円 28万7,400円 学歴によって初任給に明確な違いがあり、高校卒と専門学校・高専・短大卒の間にも、専門学校・高専・短大卒と大学卒の間には約2万5,000円の差があります。なお、大学卒と大学院卒の差が最も大きく、実に4万円近く離れていることがわかるでしょう。
【業種別】産業ごとの初任給平均額
厚生労働省の「令和6年賃金構造基本統計調査」によれば、大学卒において初任給平均額が最も高かったのは「鉱業、砕石業、砂利採取業」で約32万2,900円でした。
また、「医療、福祉」が約26万1,700円で2位、「不動産業・物品賃貸業」が約26万1,100円で3位となっています。
一方、産業別で最も初任給平均額が低かったのは「複合サービス業」で、約21万9,400円でした。
初任給を「就活の軸」の一つと考えている方は、ぜひ参考にしてください。「初任給以外の価値観も総合的に加味してマッチする企業を探したい」という方はdodaキャンパスの企業マッチ診断がおすすめです。1分程度の診断であなたにマッチする企業を効率的に探すことができます。
【企業規模別】従業員数ごとの初任給平均額
続いて、企業規模別の初任給平均額について見ていきましょう。「新規学校卒業者の初任給情報」によると、大学卒の方に関しては、下図の通り企業規模が大きくなるにつれて初任給平均額も高くなっていくという傾向が読み取れます。
企業の規模(従業員数)※10人以上の企業 10~99人 100~999人 1000人以上 全体平均 男女計 23万6,000円 24万1,800円 25万8,100円 24万8,300円
【地域別】東京近郊と地方の初任給平均額
最後に、大学卒における地域別の初任給平均額を見ていきます。厚生労働省の「令和6年賃金構造基本統計調査」によると、群馬県の初任給平均額が約28万4,500円で1位。2位は滋賀県で約26万6,700円です。
一方、鳥取県の21万9,400円、徳島県の22万500円がワースト1位・2位であり、トップの群馬県とは6万円以上の差が開いています。
このように、初任給に影響を与える要素は学歴だけではありません。給与を「就活の軸」の一つに考えている方は、業種や職種、勤務地といった他の軸と併せて総合的に検討することが重要です。
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初任給の手取りは額面とどれだけ違う?計算方法を解説
「額面」は、企業から支給される給与の合計であり、基本給に各種手当が合算されたものです。対して「手取り」は、実際にもらえる給与額を指し、額面のおよそ75〜85%に相当します。
| 項目 | 説明 |
|---|---|
| 額面給与(総支給額) | 企業が支払う給与の合計(控除前) |
| 手取り給与 | 税金や社会保険料を差し引いた後の振込額 |
ここでは、額面と手取りの違いについて詳しく解説します。
給与から差し引かれる項目
最終的に私たちが受け取れる初任給は、「額面」の金額から税金や各種社会保険料などが差し引かれた金額です。
| 控除項目 | 内容 | 控除額の目安(額面給与の%) |
|---|---|---|
| 所得税 | 国に納める税金(累進課税) | 約3%〜5% |
| 住民税 | 住んでいる自治体に納める税金 | 約10%(前年の収入に応じる) |
| 健康保険料 | 病院代の一部負担を補助 | 約5%〜10% |
| 厚生年金保険料 | 老後の年金のための保険料 | 約9%(総額18%のうち折半) |
| 雇用保険料 | 失業時の給付に備える保険 | 約0.6%〜0.9% |
上記控除項目について詳しく見てみましょう。
所得税
- 稼ぎ(所得)に対してかけられる税金で給与によって控除される額が異なる
- 累進課税制度の対象(所得が増えるごとに税率も増える)
例:年収が195〜330万円の場合、税率は10%(控除額は97,500円)
住民税
- 住んでいる都道府県や市区町村に納める税金
健康保険料
- 病気や怪我の際に、治療費の自己負担額を減らすための保険料
- 企業と労働者で半額ずつ支払う
厚生年金保険料
- 老後の年金に備え、毎月の給与とボーナスに対して一定の割合で支払う保険料
- 保険料率は18.3%で、企業と従業員で折半
例:額面給与30万円の場合、30万円 × 9.15% = 27,450円(個人負担分)
※企業も同額を負担するため、合計 54,900円を納付
雇用保険料
- 失業した際に「失業保険」を受給するための保険料
- 事業の種類によって保険料率が異なる
※一般の事業であれば労働者負担は5.5/1000で事業主負担は9/1000
その他
- 企業が独自に運営する仕組みとして差し引かれる項目もあり
例:寮費、財形貯蓄、組合費、持株会費など
手取り額の計算方法(シミュレーション付)
仮に初任給の額面が20万6,000円だった際の手取り額を計算してみましょう(※未婚、各種任意保険や、ローン、副収入等なし)。先述の通り、初任給で控除されるのは住民税を除いた「所得税」と「各種社会保険料」です。
初任給の額面と手取り
①雇用保険の計算方法
和7年度の雇用保険は給与の0.55%(農林水産業、清酒製造、建設などの場合給与の0.65%)で算出します。
20万6,000円×0.0055=1,133円
※厚生労働省:「令和7(2025)年度 雇用保険料のご案内」
②所得税の計算方法
1)給与所得控除額を計算
20万6,000円×12ヶ月×0.3+8万円=82万1,600円
※国税庁『No.1410 給与所得控除』より
2)給与所得金額を計算
年収-給与所得排除額
20万6,000円×12ヶ月-82万1,600円=165万400円
3)課税所得金額を計算
所得-所得控除=課税所得金額
165万400円-36万円(社会保険料控除)-48万円(基礎控除)=81万400円
4)基準所得税額を計算
課税所得金額×税率-控除額=基準所得税額
81万400円×0.05-0=4万520円
5)-ヶ月単位の基準所得税額を計算
4万520円÷12=3,377円
6)手取りを計算
額面-雇用保険料-1ヶ月単位の基準所得税額
20万6,000円-1,133円-3,377円=20万1,490円(概算)初任給で控除される項目は所得税と雇用保険料のみですが、5月分からは厚生年金と社会保険料も引かれるため、手取りはもう少し目減りします。
- 厚生年金の税率:標準報酬18.3%(労働者の負担分は9.15%)
- 健康保険:約10%(労働者の負担分は約5%)※企業によって異なります
20万6,000円の場合、5月の手取りはおおよそ以下になります。
5月の額面と手取り
①厚生年金と社会保険料の差し引き額を算出 20万6,000円×(9.15%+5%)=2万9,149円
②手取りを計算
額面-厚生年金-社会保険料
20万6,000円-2万9,149円=17万6,851円>
また2年目の6月からは住民税も差し引かれるようになります。入社1年目から2年目にかけて昇給できていないと、2年目なのに1年目より手取りが少なくなってしまう…という可能性もあるでしょう。
初任給だけで企業を選ぶ危険性は?
待遇や業務内容が類似した企業から複数社内定をもらった場合、初任給を基準に就職先を選ぶ人もいるでしょう。しかし、初任給が高いからといって生涯年収も高いとは限りません。昇給頻度やボーナス比率なども生涯年収を決める重要な要素です。
また、公表されている初任給額には、固定残業代(みなし残業代)などが含まれている可能性も。公表されているのが基本給であれば残業代などは別途支払われますが、初任給は残業代や各種手当を含めて算出されるため注意が必要です。初任給を高く設定することで人材を集めようとするブラック企業も存在するため、労働環境や待遇などについてもしっかりと調査しましょう。
なお、仕事のやりがいは給料だけではありません。応募する企業は、さまざまな観点から比較検討して選ぶことが大切です。「企業を選ぶ時の観点がわからない」という方は無料の診断ツールも活用してみましょう。例えば、dodaキャンパスの就活軸診断では【所要時間5分】であなたが大切にしている価値観を言語化できます。ぜひ一度使ってみてください!
初任給の使い道はどうする?後悔しないおすすめの使い方3選
社会に出て初めて稼いだお金だからこそ「せっかくなら意味のある使い方をしたい」と考える人も多いでしょう。ここでは、後悔しない初任給の使い道として特におすすめの3つをご紹介します。
1)お世話になった方へ感謝のプレゼント
これまでの人生であなたを支えてくれた人を思い浮かべてください。長年育ててくれた両親、就活の相談に乗ってくれた先輩、推薦状を書いてくれた教授…初任給はこれらの方に感謝を伝える絶好のタイミングです。
プレゼントは決して高価なものである必要はありません。大切なのは金額ではなく「自分で稼いだお金で感謝を伝える」という行為そのものです。食事に招待するだけでも、十分に気持ちは伝わるでしょう。初任給という特別なタイミングを、感謝を伝える機会としてぜひ活用してみてください。
2)自分へのご褒美
就活という長い戦いを乗り越え、社会人としてのスタートを切ったあなたには、自分を労うモノ・コトも必要です。初任給の一部を「自分へのご褒美」に使うことで、これからの仕事に対するモチベーションも向上するでしょう。
この時、下記例のように「今後長く使えるもの」「身体の労いになるもの」といった視点で選ぶことがおすすめです。「ご褒美」でありながら、将来の自分への投資にもなる使い方を考えてみましょう。
自分へのご褒美の例
- 仕事で使えるビジネスバッグ・手帳・スーツ・革靴
- 普段なかなか食べる機会のない食事
- 心身のリフレッシュにつながるリラクゼーション体験
3)将来のための貯金・投資
使い道が思い浮かばない方は、貯金や投資にまわすこともおすすめ。無理して何かを購入せず、将来の大きな買い物に備えるのも重要な考え方です。
また、お金の運用には「始めるのが早いほど有利」という大きな原則があります。現在は「新NISA」や「iDeCo」といった少額から始められる国の制度も整っているため、初心者でも安心して始めることができるでしょう。
社会人になった今こそ、お金と向き合う良いタイミング。初任給をきっかけに、将来の自分のためにお金を育てる第一歩を踏み出してみてください。
給与の理解を深めて後悔しない就活をしよう!
給与の理解が浅いまま就活を進めてしまう学生は少なくありません。額面だけを見て「給料が高い会社だ」と判断してしまったり、逆に初任給が低いという理由だけで優良企業を見逃してしまったりするのは、非常にもったいないことです。今回学んだ内容も参考に、自分にとって本当に納得できる企業を見極める視点を養っていきましょう。最後に、本記事の内容を簡単にまとめます。
本記事のまとめ
- 初任給とは入社後に初めて受け取る給与であり、額面と手取りで金額に違いがある
- 初任給は「学歴」「業種」「企業規模」「地域」によっても大きく異なる
- 初任給の使い道は「感謝のプレゼント」「自分へのご褒美」「貯金・投資」をバランスよく組み合わせるのがおすすめ
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