企業に訴えかける効果的な自己PRをつくるためのこの連載。第3回目は、企業ごとの強みの「使い分け」について、引き続きベネッセi-キャリアのキャリアアドバイザー孫田博美さんに聞いてみました!
プロフィール
ベネッセi-キャリア「doda新卒エージェント」キャリアアドバイザー。国家資格である米国CCE、Inc認定 GCDF-Japanキャリアカウンセラーを取得。今までに1000人以上の大学生のカウンセリングを担当し、内定に導いている。
「鉄板ネタ」が使えないときは?
孫田さん:ひとつの「鉄板ネタ」と言える強みとエピソードで勝負できれば一番ですが、企業研究を進めるなかで、「この会社には別の強みをアピールしたほうが効果的かもしれないな」という場合が出てくるかもしれません。
例えば、「チャレンジ精神」や「臨機応変な対応力」などは、与えられた仕事にじっくり取り組んでくれるような人柄を求めている採用担当者には響かないかもしれません。
その場合は、まず、企業で評価されそうな強みを考え、自分のエピソードにつなげられないか考えてみましょう。
例えば、アウトドアサークルで、新しいイベントの企画を次々に提案していた経験から「新しいことを考える力」「提案する力」などを強みとしてアピールしていた人がいたとします。ある企業の研究を進めるなかで、「目標に向かってコツコツと努力できる人が評価されそうだ」と思ったら、新企画立案のエピソードからこういった部分をアピールできそうか考えてみましょう。
もし、次なるアウトドアの企画を考えるために、他大学のアウトドアサークルが何をしているか調べたり、アウトドア雑誌を買いこんでキャンプの候補を書き出し、部員にどこに行きたいかを聞いてまわった、などの経験があれば、地道に努力できる力を強みとすることができるでしょう。
アピールしたい力からエピソードを逆算しよう
孫田さん:新しいイベントを提案していた経験からは「コツコツ努力する姿」を見出せないな、と思ったら、「体力をつけるために、毎日ジョギングを継続した」「入部してほしい『アウトドアの達人』を勧誘するため、毎日その人に会いに行ってサークルの良さを伝えた」など、サークルの別のエピソードを探してみましょう。
このように、アピールしたい強みからエピソードを考えれば、志望企業ごとにいくらでも考えることができます。
無理は禁物!自分のキャラに合う力をPRしよう
孫田さん:ただし、企業に合わせてあまりにもあなたのキャラクターに合わない能力をアピールしても、採用担当者に「言っていることと、学生から受ける印象がなんだか違うな」と思われますし、自分も自信を持って売り込むことができないので、無理はしないでください。
一番理想的なのは、企業が求める人材と、自己分析から導き出されたあなたの強みが自然に一致していること。自分を評価してくれそうな企業を選ぶこともとても大切ですよ。
企業がどういった人を求めているのかを知るためには、そこで働いている人に会いにいくのがイチバン!連載第1回でもお伝えしたように、企業が表向きで言っていることと、実際に採用される人のタイプが違う可能性があるからです。
会社説明会ではコレを聞けばOK!
孫田さん:どんな人が活躍しているのかを調べるために、OB・OG訪問をしたり、インターンシップに行くのもいいと思いますが、気軽に行けるのは会社説明会。会社説明会では、経営理念や福利厚生、勤務条件について質問する人もいますが、これらは調べればわかることがほとんど。それよりも、実際に働いている人に詳しい仕事内容を聞いてみましょう。
1日の仕事のおおまかな流れを聞けば、何をしている時間が長いのか、どういった人とかかわり合いながら仕事をしているのかがわかります。例えば、同じ「営業職」でも、1日に新規の場所を何件もまわる仕事と、少人数の顧客との関係性を大切にする場合とでは、求められる力も異なるでしょう。営業職として働く人のなかには、正しい商品知識を得るために勉強会に参加したり、ライバル他社の動向を探っている時間が長い、という人もいるかもしれません。ストレートに、「どんな人が活躍していますか」「どういった能力が評価されますか」と聞くのもいいと思います。
「会社説明会で自己PRをつくる!」くらいの気持ちで、どんどん質問してみてくださいね。
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