社会人になるための第一歩である就職活動。企業の採用担当者とのメールや電話、面接できちんとした敬語や言葉使いをできているだろうか? ライバルたちに差をつけるためにも、改めて正しい敬語の使い方をおさらいしておこう!
尊敬語・謙譲語・丁寧語をしっかりと使い分けできるようになろう!
敬語には尊敬語・謙譲語・丁寧語の3つがある……とは知っている学生も多いのではないだろうか。またアルバイトをしている学生やサークルに所属している学生は、お客さんや先輩と接していく中で“何となく”は身に付いているのでは……?
実は今敬語は。大きく分けると3つ、細分化すると5つになるので、改めておさらいしておこう。
気づかずに使ってない? 間違えやすい敬語
丁寧に振る舞っているつもりでも間違われて使われている敬語は多く存在する。企業の採用担当や人事もありがちな誤用には慣れているが、正しい敬語を使うことができれば、印象がよくなるだけでなく、他の就活生と差をつけられるはず。
①二重敬語
誤用の代表的なものは「二重敬語」だろう。一つの文章の中で重複して敬語を使ってしまうパターンだ。例えば「拝見いたしました」は、“拝見”と“いたす”で2つの敬語が重複している。敬語に慣れていない人は過剰に修飾しがちだが、敬語をたて続けに使うことはかえって相手に失礼とされているので注意しよう。また言葉の頭にむやみに「お・ご」も付けてしまいがちだ。例えば、「◯◯をおやりになられていたのですか?」と言うのはちょっと不自然。この場合「◯◯をなされていたのですか?」と返すのがスマートだ。
②役職名に“様”をつけてしまう
過剰に相手を敬うNG表現として、「部長」「課長」といった役職に「様」を付けるのも避けたいところ。名刺をもらい相手の役職が判明しているのならば、極力役職を付け加える方が丁寧とされているが、メールの宛先などに「〇〇部長様」と書くのはNG。こういった場合、「営業部長 〇〇様」と表記するのが正で、“「様」は必ず氏名の後に来る”ということを肝に銘じておこう。
③尊敬語と謙譲語の誤用
次にありがちなのは、身内に対してうっかり尊敬語を使ってしまうパターンだ。「母が数学の教師をされていたので~」といった具合に、尊敬語と謙譲語の使い分けに慣れていない人がよく陥りがちな表現でもある。特に面接時など緊張する場面では誤用しがちなので、緊張して言葉に詰まったときも、一呼吸置いて冷静になって相手に伝えるようにしよう。
④実は失礼にあたるもの
最後に、普段の会話の中で使われている表現でも、実は失礼にあたるものを紹介しよう。相手の依頼に対しこちらが承諾したときに使う「了解しました」は失礼にあたるとされているのだ。職場の同僚に対して使う分には問題ないが、上司や目上の人、クライアントに対しては「承知しました」「かしこまりました」と返すようにしよう。
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覚えておこう! 就活で使用頻度の高い尊敬語と謙譲語
次に、面接時によく使う尊敬語と謙譲語をまとめてみた。これらは社会人になってからも日ごろからよく使う言葉なので、今のうちから言い慣れておくようにしよう。
する → なさる、される(尊敬語) いたす(謙譲語)
「する」の尊敬語、謙譲語は非常に使用頻度の高い言葉。「約束する」「電話する」といった具合に、色々な名詞と組み合わせて使うケースが多いことからも、真っ先に身に付けておきたい表現と言えるだろう。
尊敬語の例文
☓どのようなことをしていましたか?
◯どのようなことをなさっていたのですか?
謙譲語の例文
☓電話をしました
◯電話をいたしました
行く・来る → いらっしゃる(尊敬語) 参る、伺う(謙譲語)
就職活動において、企業への事前連絡やスケジュールの確認も欠かせないものとなる。さらに社会人になれば得意先への営業や出張など、社内外で人と接する機会も多くなる。そんな場面で頻出するのが「行く・来る」の尊敬語・謙譲語だ。きちんとした敬語を使い分けられるようにしたい。
尊敬語の例文
☓何時頃に来られますか?
◯何時頃にいらっしゃいますか?
謙譲語の例文
☓会場に行きます
◯会場に伺います
言う → おっしゃる(尊敬後) 申す、申し上げる(謙譲語)
会話をスムーズに進めていくにあたり、お互いの発言に対して“理解を示している”ことを相手に訴えることも重要となる。あいづちを打つ場合に「おっしゃるとおり〇〇です」と付け加えることや、自分の発言を念押ししたい場合に「今申し上げたように〇〇です」と付け加えることでコミュニケーションが円滑になるのだ。
尊敬語の例文
☓ ■■様が言うように
◯ ■■様がおっしゃるように
謙譲語の例文
☓ 先程言ったとおり
◯ 先程申し上げたとおり
見る → ご覧になる(尊敬語) 拝見する(謙譲語)
面接時、当然自分の履歴書は相手も見ているはず。例えば、自分が作った制作物が面接の話題になることもある。面接官も、自社の製品やサービス内容を事前に見てもらったかを確認するだろう。面接時に何かと多用される言葉なので使い慣れておきたい。
尊敬語の例文
☓ メールを見てください
◯ メールをご覧ください
謙譲語の例文
☓ ホームページを見ました
◯ ホームページを拝見しました
日頃から意識して使い慣れることが大事
日本語には多様な表現があり、いきなり実践でこれら敬語を使い分けるのは確かに難しいことだ。だからこそ、面接で使いこなせたら、良い印象を与えることができる。もし日ごろからアルバイトで先輩やお客さんと接しているのならば、社会人への第一歩を踏み出すためのトレーニングをする絶好の機会だ。普段から敬語をきちんと使えるようにしておこう。
敬語は使い慣れることが、とても大切。少しずつ経験を積んでいけば、徐々に不自然な表現が改善される。あまり気負わずに少しずつ正しい表現を覚えていくようにしよう!
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