なんとなく大学生活をおくってきたけど、これでいいのだろうかと、ふと考えたことのある大学生は少なくないはず。「かといって、なにをすればいいのだろう……」と悩んだところでおそらく答えは見つからないでしょう。悩んでいる暇があるなら、行動に移すことが大切だと伝えるのは、2020卒予定の大学院生・西尾理沙さん。
学部生時代に部活動、研究室、海外ボランティアなど、忙しい毎日を送っていた西尾さんは、「確かに忙しかったですが、自分で決めたことなので頑張れました」と語ります。
体育会系の部活動に入っても授業を疎かにせず、研究室が忙しくてもアルバイトの手を抜かない。インタビューを進めていくと、西尾さんの妥協を許さない姿勢に驚かされるばかりでした。
自分の「やりたいこと」に“ずうずうしく”挑戦してきた西尾さんに、自身の大学生活や就活事情について語っていただきました。
部活、研究室、プライベートで多忙な大学生活
――プロフィールをみると、学部時代はソフトボール部で活動されていたんですね。なぜ体育会系の部活に入ろうと思ったのですか?
「中学までソフトボールをやっていたのですが、高校ではソフトボール部がなく、バドミントン部に入ったんです。でも、やっぱり個人競技ではなくみんなと一体感を持って取り組めるチームスポーツをしたいな、と感じたので体育会系のソフトボール部で頑張ることにしました。上級生になると投票でチームの副キャプテンにも選ばれましたが、自分の悩みだけでなく、チーム全体の課題を解決しないといけないため、とても大変でした。」
――どんな組織でも、役職を任されると悩みは尽きませんよね。具体的にはどういったことに苦労しましたか?
「スポーツ推薦で入った学生がいる私立大学とは違い、国立大学の部活動なので、モチベーションが人によって違っていたことが悩みでした。大学からソフトボールを始めた初心者や、ずっとソフトボールを続けていた経験者が混在していたので、チームメイトの目線があっておらず、齟齬が生まれていたんです。そこで、練習前に個人の目標を宣言し、互いの目線を共有するルールを取り入れることにしました。練習後に目標を達成したのかどうかを反省しあうことで、『この子はこういう目的を持っていたんだ』ということが周りに見えるようになって、練習の質が向上したんです。結果的に、関東大学リーグ3部で優勝することもできました」
――初心者も数多くいる中で、大会に優勝したのはすごいですね。プロフィールの注目経験では教育実習について書かれていますが、部活動との兼ね合いはなかなか難しかったでしょう。
「高校が進学校だったため、合格してから気が緩んでしまい、大学受験では浪人をすることになったんです。その経験から、同じことは繰り返したくないと思い、入学前の3月から計画を立てて、1年生から履修しないと単位を取り切れない教職課程をとることにしたんです。教職課程は最後までやりきり、中学校と高校の教員資格を取得できました。私が所属していた園芸学部は、他の学部の学生とは別のキャンパスで、部活に参加するには電車で2時間の移動が必要でした。週3日の練習があったので本当に大変でした」
――多忙な大学生活を送っていたんですね。一番忙しかった時期はいつですか?
「3年生の夏頃に研究室に入ってからがとても忙しかったです。私の研究テーマがタイの大学との共同研究だったので、研究室に入り1ヶ月半くらいでタイに行くことになりました…その準備等が忙しくて! 週4で研究室、週3で部活動、週3でアルバイトというスケジュールだったので、本当にきつかったです。遊ぶ時間はほとんどなかったですね」
――そんな中、インドネシアでの教育ボランティアにも参加したと注目経験に書かれています。本当にアクティブですよね。
「本当は長期留学を考えていたのですが、部活動は長期休暇中に1ヶ月ほどのオフしかないので、行けそうになかったんです。 そんなときに友人に教えてもらったインドネシアでの教育ボランティアの時期がちょうど休みと重なっていたので、『今しかない』と思い参加することにしました。ですが申し込もうとした時期が遅く、ネットの申込みフォームでは定員に達していたんです。けど、『どうしても海外に出て、日本では経験できないような体験がしたい! 』と思い、直接電話で問い合わせたところ、特別に参加させて頂きました」
――すごい行動力ですね。勢いで海外ボランティアに参加したということですが、語学の勉強はしていたのですか?
「英語は全然喋れなくて…イエスとノーしか話せなかったですがなんとかなりました(笑)。3年時のタイでの共同研究は、一緒に参加した先輩に助けてもいながら乗り切りましたが、さすがにこれではまずいな、ということでボランティアからの帰国後、本格的に英語で喋れるように勉強しました。その結果、4年生の秋にタイの共同研究に参加した際には、後輩を助けることができたんです」
大学生活での経験が「やりたいこと」を決める指針に
――学部時代は本当に忙しかったんですね。就職活動はいつからはじめられたんですか?
「学部4年生のときに就活のことを知っておきたかったので、説明会には少し参加していましたが、本格的に取り掛かったのは大学院1年生の夏頃です。部活動や研究室などの経験を通して、経営や人の課題解決に興味を持ったので、コンサルティング業界のインターンシップに参加しました。今はそれに加えて、自分の研究内容を活かした仕事をしたいと考えているため、メーカーの選考も受ける予定です」
――部活動・研究室での経験が、就活の軸になっているんですね。インターンシップに参加して、就活に対する意識は変わりましたか?
「変わりました。インターンシップに参加したことで、『この企業はちょっと違うな』とか、『あの企業はいいな』とか、自分の肌で感じ考えるようになりました。また、外資系企業のインターンにも参加したのですが、『実力がない人は仕事が全然こなくなる』ということを社員の方から伺い、身が引き締まりました。インターンに参加していなかったら、今みたいに頑張って本選考に取り組んでなかったと思います」
――インターンシップでの経験が本選考に活きているんですね。教育ボランティアにも参加し、中学と高校の教員資格を取得されていますが、教師になろうとは考えなかったのですか?
「教育実習を通して実際に生徒の前に立ったときに、まだ社会のことを全然知らない私が『社会は厳しいから、お前ら頑張るんだぞ』みたいに、偉そうなことを言えるのかなって疑問を抱いたんです。だから、社会でいろんなことを経験してから教える人になりたいと思い、民間企業の選考を受けることにしました。私が卒業した高校には、元ミュージシャンの先生や、YouTubeに動画を投稿している先生など、魅力的な方がたくさんいたので、自分もそんな先生になりたいな、と思ったんです。いろいろ調べてみると、教師から民間企業へのジョブチェンジは難しいですが、民間企業から教師へ転職するほうが容易だということもわかったので、社会人としての経験を積むために企業で働く道を選んでみようと考えました」
大学生活には“行動力”と“ずうずうしさ”が必要
――教育実習を経験したからこそ、民間企業への就活を決めたんですね。本選考を受けている最中ですが、これから就職活動をはじめる後輩に向けてアドバイスをお願いします。
「就職活動には早く取り組むことをおすすめします。部活の先輩やOB・OG訪問をしたり、説明会・インターンに参加していたら、時間はあっという間にすぎます。私自身、今は本選考の途中で、そんなに遅く動いたつもりはないですが、説明会とか、面接を受けていたらスケジュールがギチギチです。早く動いて損をすることはないと思うので、少しでも就活を意識しはじめたなら、行動に移してください」
――頭の中では「やらないとな」と思っていても、いざ動こうとなると踏みとどまってしまう人もいますが、そんな方はどうすればいいと思いますか?
「いい意味で“ずうずうしく”なることかな。ボランティアのときもそうですが、挑戦してみたら意外となんとかなることがあるんですよ。だから『自分じゃ無理かな…』とか悩んでる人はもったいないと思います。私はたくさんチャレンジした結果、自分のやりたいことや、就活の軸が決まったので。なんとなくサークルに入って、なんとなくアルバイトをしている自分に疑問を持ったなら、やりたいことに挑戦してみましょう」
――大学生活や就職活動に限らず、自分で自分の可能性を決めないことが大切ですね。本選考でお忙しい中、取材に協力していただき、ありがとうございました!
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