就活を始めると、「業界」「業種」「職種」という表現をよく聞くようになりますが、それぞれの意味の違いは理解できていますでしょうか?
今回は、就活前に知っておきたい「業界・業種・職種の定義の違い」や、それぞれの業界・業種に向いている人の特徴などを詳しくご紹介します。
目次
業種とは?業界との意味の違い
業種とは「企業が取り組む事業内容のこと」です。
似た言葉に『業界』という表現がありますが、業界とは「企業が取り組む事業・ビジネス領域のこと」を指し、業種とは少し意味が異なります。
総務省の公式サイトでは、産業を「大分類>中分類」に分けて表記しています。サイト内で書かれている「大分類」が業界、「中分類」が業種と理解するとわかりやすいと思います。(参考:総務省公式サイト「日本標準産業分類」)
ちなみに、就活する中で『職種』という表現も耳にすると思いますが、職種とは「個人が担当する仕事内容(≒職業)のこと」です。
以下の表は「金融」をテーマに、業界・業種・職種の違いを整理したものです。見比べると各言葉の定義がイメージしやすくなるので、混乱したら以下の形で整理してみましょう。
【テーマ:金融】業界・業種・職種の違い
業界 | 産業を分類したもの | 金融業界 |
業種 | 業界を細分化したもの | 銀行、証券、保険など |
職種 | 仕事内容で分類したもの | 営業、マーケティング、経理、人事など |
職種については、こちらの記事で詳しく解説しているので、ぜひチェックしてみてください。
就活は「業界・業種・職種」3つのチェックが重要!
就活において「業界」「業種」「職種」をバランスよくリサーチすることは非常に重要です。自分の強みを活かせる企業で楽しく働くためには、企業研究する際、まずはざっくりでも良いので、次のような整理をしてみましょう。
- 業界……将来性のある業界か?
- 業種……どのようなビジネスモデルなのか?
- 職種……募集職種はどのような仕事内容か?
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就活でチェックしておきたい主な業界・業種一覧
ここからは、就活生がチェックしておきたい業界・業種について解説します。
各業界・業種にはどんな人がマッチするのかについても触れていきたいと思いますので、ぜひ業界(業種)研究の参考にしてください。
情報通信業界(IT業界)|業種例:システム開発など
情報通信業界(IT業界)には、システム開発やモバイル通信など、革新的な製品やサービスを提供する業種が多く存在します。
情報通信業では技術的なスキルや創造性が求められ、常に新しい知識を学び続ける意欲のある方に向いている業界と言えるでしょう。
業界の概要 | ソフトウエア開発や通信サービスなどを通じて、社会全体の利便性や企業効率を向上させるのが主な役目。 システム開発やアプリケーション開発、ネットワークインフラの構築など社会的意義が高い仕事ができるのも特徴。 |
主な業種 | ソフトウェア開発、インターネットサービス提供など | 主な職種 | ITエンジニア、ITコンサルタント、ネットワークエンジニアなど | 向いている人 | 技術的な問題解決に興味があり、常に最新の技術トレンドを追いかけることが好きな人。 論理的思考能力が高く、チームでの協働が得意な人など |
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金融業界|業種例:銀行・証券会社など
金融業界は、銀行や証券会社などの業種に代表されるように、個人や企業の経済活動を支えている業界のひとつです。
「経済の根幹を支える広いフィールドで活躍したい!」「緻密で高度な分析力を活かしたい」という方は活躍しやすい業界でしょう。
業界の概要 | 銀行に預けた預金に対する利息と、個人や企業への融資で得る利息との差で収益を得るのが基本的なビジネスモデル。 証券会社やリース会社などに代表されるような「手数料収入」も大きな収益源。 |
主な業種 | 銀行、証券会社、生命保険、リース会社、クレジットカード会社など | 主な職種 | 営業、証券アナリスト、ファンドマネージャー、ファイナンシャルアドバイザー、リスク管理担当など | 向いている人 | 責任感が強く、コミュニケーション能力に長けている人。 お金の仕組みに興味があり、リスク管理能力が高い人など。 |
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製造業界|業種例:自動車、食品、化学など
製造業は、自動車メーカーや食品メーカーなどに代表されるように、個人や企業向けに製品を製造する業界です。
日々の生活に直結する製品から、企業向けの工業製品まで該当する領域が幅広く、どの領域に進みたいかで特徴が大きく変わるので、業界・業種研究はしっかり行いましょう。
業界の概要 | 物理的な製品(もの)を製造する業界。 自動車や食品、化学製品など、メーカーと呼ばれることが多い。 |
主な業種 | 自動車製造、食品製造、化学製品製造など | 主な職種 | 営業、製造エンジニア、商品開発、品質管理、マーケティングなど | 向いている人 | ものづくりに興味がある人。 製品が出来上がるプロセスに関心がある、より質の高い製品を求めて改善したいという気持ちがある人など |
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卸売業界|業種例:総合商社、専門商社など
商社などの業種に代表される卸売業は、商品の国内外貿易を行い、世界中の市場をつなぐ役割を担う業界です。グローバル市場の拡大や新興国の成長などを背景に、近年ますます注目されています。
世界のマーケットで、新たなビジネスチャンスを創っていくことに興味がある方は、やりがいを持って活躍できる可能性が高いと言えます。
また、国際的な視野を持ち、市場分析や交渉力に長けた方が活躍できるケースが多いでしょう。
業界の概要 | 様々な商品やサービスを仕入れ、それを国内外の市場に販売する業界。 総合商社と専門商社があり、幅広い業界にまたがるビジネスを展開しているのが特徴 |
主な業種 | 総合商社、専門商社(食品、化学、機械など) | 主な職種 | 営業、トレーダー、バイヤー、マーケティング、物流管理など | 向いている人 | 様々なビジネスに興味がある人。海外との取引がある場合は海外とのやり取りも苦にならない人。 円滑にコミュニケーションを取ることが得意で、すぐに相手と関係性を作れる人。 |
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小売業界|業種例:スーパー・コンビニ・ECサイトなど
小売業界は、日々の生活に密接に関わる商品などを提供する業界です。代表的な業種には「コンビニエンスストア」や「百貨店」「スーパーマーケット」「ECサイト運営業者」などがあります。
小売業界は「直接顧客と接触する職種が多い業界」というイメージを持たれている方も多いと思いますが、最近ではインターネットで商品を販売する「ECサイト運営者」も多く、マーケティングや販売促進などの仕事で活躍できる業界とも言えます。
業界の概要 | 消費者に直接商品を販売する業界。国内だけではなくグローバル市場で活躍できるステージも多いのが特徴。 インターネットの台頭で、消費者の購入スタイルの変化も激しく、変革が求められることから今後注目したい業界のひとつ。 |
主な業種 | コンビニエンスストア、スーパーマーケット、百貨店、ECサイト運営など | 主な職種 | 販売・接客担当、店舗マネージャー、バイヤー、ECサイト運営、マーケティング、販売促進、商品開発など | 向いている人 | 顧客のニーズを理解し、迅速に対応できる人。 流行や市場のトレンドに敏感で、コミュニケーション能力が高い人 |
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サービス業界|業種例:ホテル・物流など
サービス業界に属する業種は多岐にわたり、人々の生活やビジネスをサポートする幅広いサービスを提供している点が特徴です。代表的な業種としては「ホテル」や「レストラン業」「物流業」などがあります。
最近ではインバウンド需要の高まりや、運送業に従事するトラックドライバーの労働時間に制約が設けられる2024年問題など、サービス業を取り巻く環境は大きく変化しています。
業界の概要 | 宿泊、飲食、物流など、人々の生活やビジネスに直結するサービスを提供しているのが特徴。 少子高齢化やインバウンド需要、物流に関する諸問題など、サービス業界を取り巻く環境の変化は激しい分、新しいビジネスチャンスも豊富にある業界といえる。 |
主な業種 | ホテル業、レストラン業、物流業など | 主な職種 | 営業担当、フロントスタッフ、マーケティング、など | 向いている人 | 人と接することが好きで、サービス精神が旺盛な人。チームを円滑に動かすことが得意な人な |
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参考記事
官公庁などの公務|業種例:行政、公共インフラなど
主に「国」や「地方自治体」に関わることが多く、行政やインフラ整備など、社会基盤を支える仕事が多いのが特徴です。公務の場合は「公務員」として働くケースが多いと言えます。
社会貢献に関心が強い方や、公共の利益の活動にやりがいを感じる方などが向いている傾向にあります。また、法律や政策に関心がある方も向いているでしょう。
業界の概要 | 公共サービスの提供、法律の執行、政策の策定などを行う業界。 | 主な業種 | 行政、公共インフラ、教育機関など | 主な職種 | 公務員、教師、インフラ技術者、保健衛生専門家 | 向いている人 | 法律や政策に関心があり、公共の利益のために働くことにやりがいを感じる人。 社会貢献を重視し、安定したキャリアを求める人。 |
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民間企業でも社会基盤を支える産業は多く、近しい業界として「インフラ業界」や「エネルギー業界」「教育業界」をチェックしてみるとよいでしょう。
参考記事
どの業界・業種が自分に向いているか迷ったときは?
就活で自分に合った業界や職種を見つけるには、まず「業界・業種・職種」の基本的な意味の違いを理解しておきましょう。
その上で、自分の価値観に合い、強みを活かせる企業を見つけるためには、なにより「自己分析」が大切です。
効果的な自己分析のやり方については、以下の記事で詳しく解説していますので、自己分析に不安を感じる方は参考にしてみてください。
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すでに診断を受けたことがあるという方は、こちらの記事を参考に、診断結果から自分の強みや特徴を整理してみましょう。
業界・業種の理解を深めて、納得度の高い就活をしよう!
数多くの業界や職種の中から、自分に合うものを選択するのは難しいですよね。しかし、納得の就職先を選ぶために、業界・業種の理解は欠かせません。
ぜひ、この記事で紹介した内容を参考に、自分に合う業界・業種について考えてみてください。
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