内定者懇親会とは?入社につながる内定者懇親会の進め方を解説
少子高齢化の影響もあり、あらゆる業種で慢性的な人材不足が大きな問題となっています。そのため多くの予算や手間をかけて行った採用内定者が辞退により入社できなくなれば、企業としての損害は少なくありません。そこで重要となるのが、内定者を確実に入社につなげる施策の実行です。
本記事では、内定者を入社につなげる施策の一つである内定者懇親会について、概要から重要性、具体的な企画やアイデアなどを紹介します。内定辞退や早期退職を減らしたいと考える採用担当者の方はぜひ、参考にしてください。
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目次[非表示]
- 1.内定者懇親会とは
- 1.1.内定者懇親会を行う重要性
- 1.2.内定者懇親会と内定者懇談会の違い
- 2.内定者懇親会の開催時期
- 3.内定者懇親会の内容
- 3.1.自己紹介
- 3.2.グループワーク
- 3.3.社員との座談会
- 3.4.食事会
- 3.5.オンラインで内定者懇親会を実施する場合
- 3.5.1.オンライン内定者懇親会の一般的な流れ
- 3.5.2.オンライン内定者懇親会開催時の注意点
- 4.内定者懇親会の企画・アイデア
- 4.1.オフライン内定者懇親会
- 4.2.オンライン内定者懇親会
- 5.内定者懇親会を成功させるポイント
- 5.1.内定者懇親会の目的を明確にする
- 5.2.タイムスケジュールを決めておく
- 5.3.多くの社員に参加してもらう
- 5.4.グループ分けに気を配る
- 5.5.定期的に懇親会の開催をする
- 6.まとめ
内定者懇親会とは
内定者懇親会とは、内定者と社員が親睦を図るために開催される会です。同時に内定者同士がコミュニケーションを取る場でもあります。
内定が出てから実際に入社するまでの期間に内定者が感じる仕事や会社自体への不安を解消するフォローの一環として行うのが一般的です。また、内定者同士や、内定者と社員が関係性を深め内定辞退を防ぐといった目的もあります。
内定者懇親会を行う重要性
内定者懇親会を行う理由の一つに、内定辞退の防止があります。ある企業では内定者懇親会に参加した学生の約7割が、「同期や先輩社員と話して入社への不安が減った」と回答しています。内定者フォローにはいくつかの種類がありますが、内定辞退の防止として内定者懇親会を行う重要性は高いといえます。
内定者懇親会と内定者懇談会の違い
内定者同士や社員との親睦を図るという点では、懇親会のほか懇談会の開催も考えられます。ただ、コミュニケーションを取り関係性を深めることを目的とする懇親会に対し、懇談会は任意の議題を設け、それに関して話し合いを行う会です。
話し合いもコミュニケーションではありますが、よりリラックスした環境で互いの人となりを知るという意味では、懇親会の方が向いているといえるでしょう。
内定者懇親会の開催時期
内定者懇親会の開催時期は、内定者が決まる時期が企業によって異なるため、決まったルールがあるわけではありません。重要なのは、開催時期よりも開催回数です。
特に内定から入社までに半年以上間が空く場合、2ヶ月に1回程度は開催したほうが、モチベーションの維持はもちろん、会社への理解や関係性の構築が進むでしょう。
内定者懇親会の内容
ひと口に内定者懇親会といっても、その内容は多様です。ここでは、内定者懇親会で行う主な内容について解説します。
自己紹介
まずは参加者のバックグラウンドを知るためにも自己紹介は必須です。ただ特に初対面の場合、うまく話せない人、逆に長々と話してしまう人などがいると、収拾がつかずそれぞれを知ることもできなくなってしまう可能性があります。
そのため、自己紹介を行う際は、名前・学校名・趣味・特技など人となりが端的に伝わるような項目を絞って、話してもらうようにするとスムーズに進めていけるでしょう。
グループワーク
グループワークも懇親会では欠かせないものの一つです。会社では基本的にチームを組んで仕事を進めていきます。そのため、グループワークの実施により、入社後のイメージが固まるうえ、仲間同士で助け合ううちに関係性を深めていくことが可能です。
課題はすぐに答えが出るようなものではなく、次回に持ち越せるようなものにすると、懇親会に参加するモチベーション向上にもつながります。
社員との座談会
会社への理解を深め、仕事に対する意欲を向上させるには、社員との座談会が効果的です。ポイントは、相手を学生と年の近い社員にすることで、仲間意識を強められるうえ、自分のなかで社会人として働く具体的なイメージが見えやすくなります。
食事会
ただ話をするだけではなく、何かを一緒に食べたり飲んだりすると、より短期間で関係性をつくりやすくなります。スケジュールの都合で懇親会の回数をあまり増やせない場合などは、懇親会に食事会を入れることで、効率的な関係性の構築が期待できるでしょう。
オンラインで内定者懇親会を実施する場合
コロナ禍の影響もあり、対面ではなくオンラインで懇親会を実施するケースも少なくありません。ここでは、オンラインでの内定者懇親会について、一般的な流れと注意点を解説します。
オンライン内定者懇親会の一般的な流れ
オンライン内定者懇親会の流れは、基本的に対面での懇親会と大きく変わりません。自己紹介やグループワークを行い、その後に個別もしくはグループで社員との座談会を行います。
オンライン内定者懇親会開催時の注意点
オンラインで懇親会を行う際の主な注意点は次のとおりです。
- 使用ツールを決めておく
ZoomやGoogle MeetなどWeb会議システムの種類を事前に決めておきます。
- 通信環境
快適にWeb会議システムを利用するには、10Mbps以上は必要なため、Wi-Fi環境がない参加者には場所の提供もする必要があります。
- ルールの周知
自分が発言しない間は、音声をミュートにする、カメラはONにしておくなどの事前にルールを周知しておきます。
オンラインは、対面に比べ特に始まってしばらくの間はコミュニケーションが取りにくいため、主催者側が積極的に話題を振って会話を働きかけることが重要です。
内定者懇親会の企画・アイデア
内定者懇親会では、限られた時間のなかで内定者同士や現役社員と仲間意識を持てるようにする必要があります。そのため自己紹介やグループワークに積極的に参加する雰囲気づくりが欠かせません。
そこで重要になるのが緊張した気持ちを解きほぐすためのアイスブレイクです。ここではオンライン・オフライン別にアイスブレイクに効果的な企画・アイデアを紹介します。
オフライン内定者懇親会
オフラインでは、参加者がすぐ近くにいる利点を生かし、次のような企画・アイデアがおすすめです。
つみき式自己紹介
つみき式自己紹介とは、人の自己紹介に自分の自己紹介を順番に足していき、それを全員が間違えずにできるまで続けるというものです。間違えたら最初からやり直しにすることで何度も繰り返す間に全員の名前を覚えられるようになります。
他己紹介
自分以外の人を紹介する他己紹介は、二人一組で互いにインタビューをしながら紹介内容をまとめていき、それを全員の前で行います。
オンライン内定者懇親会
オフラインに比べ、オンラインはコミュニケーションのきっかけづくりが難しいため、懇親会の最初にアイスブレイクを行うのがよいでしょう。ここでは2つのゲームを紹介します。
絵しりとり
絵のみで簡単な単語を描き、それでしりとりを行っていくゲームです。ただ絵を描いている時間に間延びする可能性もあるため、司会者がつなぐ、制限時間を決めるなどのルールは必要でしょう。
ジェスチャーゲーム
プレイヤーが設定されたお題をジェスチャーで表し、参加者が当てるゲームです。オンラインでは基本的に座ったままのため、全身を動かすことでリラックス効果も期待できます。
内定者懇親会を成功させるポイント
内定者懇親会の成功とは、参加者が内定決定時のモチベーションを保ち、入社が楽しみだと思えるようになることです。ここでは、そのためのポイントを解説します。
内定者懇親会の目的を明確にする
開催時期も含め、内定者懇親会を行う目的を明確にします。
たとえば入社半年以上前であれば、まずは内定者同士の関係性を深めることを目的にします。入社1〜2ヶ月前であれば、現役社員との交流を目的とするなど、開催時期によってどのような内定者フォローを行うかを明確にしておくことが重要です。
タイムスケジュールを決めておく
懇親会はカジュアルな交流が目的であるからこそ、タイムスケジュールはしっかりと決め、必要な資料は事前に作成しておくなどスムーズに進むようにしておく必要があります。懇親会の仕切りがうまくいかず、段取りの悪い進行になると、内定者は会社に対し不安を感じる可能性もあるので注意が必要です。
多くの社員に参加してもらう
開催時期にもよりますが、内定者懇親会にはできるだけ多くの社員に参加してもらうことも欠かせません。内定者と交流を図り、関係性を深めていけば、内定者はこの会社で働きたいというモチベーションがさらに高まるでしょう。
グループ分けに気を配る
グループワークやゲームを行う際のグループ分けには気を配る必要があります。相性が悪い人同士でグループを組んでしまうと互いに不安を感じてしまい、懇親会の目的を果たせなくなる可能性が高まるでしょう。1回目の懇親会で参加者の人となりを見極め、2回目以降のグループ分けの参考にするのがおすすめです。
定期的に懇親会の開催をする
懇親会は1回だけの開催で参加者同士、現役社員とで関係性を深めるのは困難です。2回、3回と繰り返し開催することで、互いに心を開けるようになり、現在の不安や仕事に対する疑問、期待などを話せるようになります。それが結果として内定辞退の防止にもつながるでしょう。
まとめ
内定者懇親会は、内定決定から入社するまでの間に内定者同士や現役社員とカジュアルな交流を図ることで、入社へのモチベーションを高め、内定辞退を防ぐ効果があります。
ただ、会社側はしっかりと計画を立てて臨まないとかえって内定者に不安を与えてしまうかもしれません。そのため、明確に目的を立てたうえで、内定者のフォローを行っていくことが重要といえるでしょう。
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