長期インターンは採用成功を左右する? 長期インターン経験学生の本音とは
学生のうちから1か月以上、長ければ年単位で実際のビジネスの場で就業する「長期インターンシップ」。
「学生時代は長期インターンシップに力を入れていた」「長期インターンシップ先の企業にそのまま就職する」という学生を見かけることが増えました。
実際、長期インターンシップは新卒入社後のキャッチアップを後押ししたり、採用ミスマッチを防ぐ効果があると言われており、長期インターンシップ生の受け入れを検討されている企業さまも多くいらっしゃるかと思います。
本記事では、長期インターンシップ受け入れのメリットを解説するとともに、長期インターンシップを経験した22卒学生、23卒学生へのヒアリングを元に「学生は長期インターンシップからどんな経験を得たいと考えているのか」「受け入れ企業に対する印象や考え」「受け入れにあたっての注意点」をまとめました。
「長期インターン生の受け入れを検討しているが、どういったことに気を付ければよいか分からない」という企業さまはぜひお読みください。
この記事で分かること
・長期インターンシップ受け入れのメリット ・長期インターンシップを学生が始める際のインサイト ・受け入れにおいて気を付けるべきこと |
目次[非表示]
- 1.長期インターンシップ受け入れのメリット
- 1.1.優秀な学生の囲い込み
- 1.2.ユーザー視点を取り入れられる
- 1.3.戦力になる
- 2.学生が長期インターンシップを始める理由
- 2.1.マネジメント経験を積みたい
- 2.2.数字や結果を追う経験を積みたい
- 2.3.就職活動の仲間が欲しい
- 2.4.キャリアを考える機会にしたい
- 3.長期インターンシップ実施企業が気を付けるべきこと
- 3.1.受け入れ体制には余裕を
- 4.まとめ
長期インターンシップ受け入れのメリット
優秀な学生の囲い込み
長期インターンシップの受け入れをきっかけとして、学生の新卒入社が決定するケースがあります。
長期インターン生として実際の業務に関わるなかで入社後のイメージが具体化し、入社意欲が高まるようです。また、ミスマッチの防止にも繋がります。
ユーザー視点を取り入れられる
BtoCの業態に限ったケースではありますが、自社が扱う商品・サービスのターゲット次第では、学生にユーザーとしてのヒアリングを行うことで、ユーザー側のリアルな視点を「詳細に・いつでも」知ることができます。
特に、勤務開始後すぐのタイミングで、自社商品・サービスを体験してもらい、気づいたことをフィードバックしてもらうと、これまでなかった示唆を得られるかもしれません。
戦力になる
モチベーションの高い学生を受け入れることができれば、社員と同等レベルの業務を任せることも可能です。
学生が長期インターンシップを始める理由
ここからは、学生へのインタビュー内容を元に、長期インターンシップに対する学生のインサイトをまとめます。
マネジメント経験を積みたい
「サークルやアルバイトではマネジメントの経験を積めていない」という学生が、マネジメントを経験するために長期インターンシップに挑戦するケースがあります。
こういった学生は、「インターン生を複数人採用しており、なおかつチーム単位で業務を進める」ような長期インターンシップを選ぶことが多いようです。
・「手挙げ制でマネジメントに挑戦できる」ことを条件として受け入れ企業を選びました。 ・一日の目標管理や他インターン生へのフィードバック、ミーティングをおこなっていました。 ・「指示の背景・理由を伝える力」「相手に考えさせるアドバイス方法」「メンバーの本音を引き出す力」が身についたと感じています。 |
数字や結果を追う経験を積みたい
就職活動で学生が求められることの多い、「成果・結果を伴うガクチカ※」を得るために、長期インターンシップを始める学生もいます。
※ガクチカ:学生時代に力を入れた経験
・コロナ禍で「ガクチカ」と言えるような経験ができなかったため、長期インターンシップを始めました。 |
就職活動の仲間が欲しい
「長期インターンシップにチャレンジする能動的な学生と知り合い、就職活動をともに進める仲間を増やしたい」という目的から、長期インターンシップを始める学生も多いようです。
キャリアを考える機会にしたい
自分に合う職種や業務内容、自分の強み・弱みなどを知るために長期インターンシップを始める学生もいるようです。
・営業職に興味があり、自身の適性を確かめるために長期インターンシップに挑戦しました。新規営業が中心の企業こそ自分に向いていることがわかり、企業選びの基準が定まりました。 ・インサイドセールスとしての就業を通して、理念だけでなく、業務内容もしっかり吟味して就職活動を進めるようになりました。「幅広いソリューションで付加価値を生み出せる」「0→1で価値創造できる」仕事がしたいと考えています。 |
長期インターンシップ実施企業が気を付けるべきこと
長期インターンシップの受け入れは、企業・学生双方にメリットがあることがわかりました。
しかし、受け入れ企業の体制によっては、企業の評判が下がってしまったり、長期インターン生がすぐに辞職してしまうケースもあるようです。
具体的にどのような点に気を付けるべきか、学生の声を元に紐解いていきます。
受け入れ体制には余裕を
今回ヒアリングした学生の一部から出た「受け入れ企業に求める改善点」は、受け入れ体制の余裕のなさでした。
以下に、学生の発言をまとめました。
・メンターを担当する社員の人数が圧倒的に少ないと感じました。インターン生の数もどんどん増えていたため、研修等が行き届いておらず、無駄な確認が増えてしまっている印象がありました。 ・長期インターンシップ中の企業への入社を検討していましたが、社員の方からのフォローが不十分に感じて不安を覚えたため、結局は別の企業の内定を承諾しました。 |
長期インターンシップの就業経験は、その企業に入社した場合の仕事量や「先輩がどれくらいサポートしてくれるか」をイメージする材料にもなるため、長期インターン生の受け入れフォローはできる限り充実させる必要がありそうです。
「長期インターンシップでの業務がとても楽しかったから、同じ企業への新卒入社を決めた」という声も多く聞きますが、そのためには上記の点には十分に留意する必要があります。
まとめ
「学生と企業の相互理解が進むため、採用ミスマッチを防止できる」「入社後の定着率の向上が期待できる」など、受け入れのメリットも多い長期インターンシップですが、企業としての実像を学生に見せることになることは意識しておいたほうがよいかと思います。
本記事の内容でもあったように、長期インターンシップの受け入れが学生の本採用につながることもあれば、反対に学生の志望度を大きく下げてしまうこともあります。
長期インターンシップを受け入れるのであれば、事前準備や受け入れ体制に余裕をもった採用を行うことが大切です。
長期インターン生として採用する学生に「どんな学びや経験を提供できるのか」を整理して、採用フローや業務内容、研修に落とし込むようにしましょう。
dodaキャンパスでは、「内定辞退を経験した学生」「Uターンを希望する学生」など様々な属性の学生にインタビューをおこない、記事にまとめています。
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