【人事向け】文系学生がSE就職を意識するきっかけや条件とは?
採用競合が年々増加し、難易度が増すシステムエンジニア採用。情報系学部出身者がメインターゲットではあるものの、文系学生でも素養のある方であれば積極的に採用したい、という企業は多いことと思います。学生の動向に目を転じても、「馴染みのない職業だから就職活動の選択肢に入れづらい」という文系学生でも、きっかけさえあれば、システムエンジニアとしての就職を目指すケースが増えています。
では、文系学生はどのようなきっかけでシステムエンジニアを目指すのでしょうか。また、就職先はどのようにして選ぶのでしょうか?
本記事ではこれらの疑問を解消すべく、システムエンジニアとして新卒入社した社会人1年目の文系学部出身の方にインタビューをおこないました。
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目次[非表示]
- 1.インタビュー概要
- 2.第一志望ではなかったSE
- 2.1.転機はプロへの相談
- 2.2.とにかく行動量を増やし、自分の目で確かめた
- 3.内定承諾の決め手
- 4.まとめ
インタビュー概要
インタビュアー:dodaキャンパスインターン生 光森(国立大学 人文系学部 4年)
インタビューを受けてくれた方:oさん(新卒1年目の21卒。関西の4年制大学を卒業後、文系SEとして新卒入社。)
第一志望ではなかったSE
(光森)今日はよろしくお願いします!oさんはシステムエンジニアとして就職して2か月経ったところですよね。就職活動を始めた当初からシステムエンジニア志望だったんですか?
(oさん)よろしくお願いします!いえ、就職活動を始めたのは大学3年生の夏なんですが、それから半年ほどはメーカーの総合職採用のみを視野に入れていました。「自分が大好きな商品を作っている企業に入りたい」という思いが強く、それ以外の選択肢はあまり考えていませんでした。
転機はプロへの相談
(光森)そうなんですね!どうしてシステムエンジニアという全くの別職種にも応募しはじめたんでしょうか…?
(oさん)本当に正直に言うと、メーカーの選考に落ち続け、自分が何に向いているのかわからなくなったのがきっかけです。
以前からメールをくださっていた新卒エージェントの方に相談したところ、システムエンジニアという職に適性があるのではないかと提案されました。
(光森)新卒エージェントに相談されたのですね。
(oさん)はい。色々な大学の方を支援していて、なおかつ初対面の人に相談したいという気持ちがあったからです。
(光森)新卒エージェントの方にシステムエンジニアという職種を提案されてみてどう感じましたか?
(oさん)納得感はありました。文系学生でもものづくりに関わりたいという気持ち、塾のバイト経験で養った「生徒それぞれに合った勉強法を見つける問題解決能力」など、私のことを理解した上での提案だったからです。
とにかく行動量を増やし、自分の目で確かめた
(光森)提案を受けてから、実際にシステムエンジニアの選考に進んでみてどうでしたか?
(oさん)実は、システムエンジニアに希望職種を切り替えた途端に、選考の通過率があがりました。
実際、すぐに一社目の内定をいただけました。結局その会社からは辞退しましたが…。
(光森)辞退…それはどうしてですか?
(oさん)理由は2つあって、1つ目は直感です。内定後の面談で女性社員と人事部長と3人で話したところ、女性の立場が低い印象を受けました。もう1つはその会社の働き方に関する実情を知ったことです。育休産休制度は形骸化しており、長期的にキャリアを描くのは難しいと感じました。
(光森)内定後にギャップが生じてしまったんですね。
(oさん)残念ながら…ただ、その内定が自信につながりました。
自分の目で就職先を見極めることの大事さもわかり、「とにかく行動力を増やそう」と思いました。新卒エージェントの方が紹介してくださる企業以外にも、「SIerの優良企業50社」のような公式のランキングを参考に、勤務地や年収の希望に合う企業を片っ端から30社ほど受けました。
内定承諾の決め手
(光森)沢山の選考に参加されたのですね。今の就職先は、どんな点が決め手となって入社に至ったのでしょうか?
雰囲気の良さ
(oさん)いくつかあるのですが「雰囲気の良さ」は様々な場面で感じられました。例えば面接通過の連絡でも、電話口の人事の方が本当にうれしそうだったのは今でも覚えています。
内定をいただいた後に参加した座談会も歓迎ムードに満ちていて、若手社員と楽しく交流できました。自分が来年から働くイメージがはっきりと持てたことを今でも覚えています。
人事への信頼感
(光森)なるほど。他には何か決め手はありますか?
(oさん)「人事に対する信頼感」も、私が受けた会社の中で群を抜いていましたね。
(光森)どんな場面で信頼感を抱いたんですか?
(oさん)1次の人事面接が特に印象的でした。学生側が面接官に疑問をぶつける「逆質問」という場がありますよね。就職先の面接ではこの「逆質問」が面接の最初に行われたんです。
(光森)逆質問のあとに正式な面接が始まるということですか?かなり珍しいですね。
(oさん)相談会のような感じで、フランクに色々とお聞きしました。
そのあとの面接でも学生に興味を持っている様子が相槌や態度から伝わってきて、面接とはいえ「会社にとって都合のいい時間ではないこと」が伝わりました。だからこそ、「面接官が知りたい情報も一生懸命伝えよう」と思えましたね。
(光森)反対に、oさんが人事に対して不信感を抱いたときってどんなときなんでしょうか?
(oさん)ウソをつかれているときですね。
メーカーの選考を受けているときに多かった、リクルーターの「選考には関係ないです」という建前が耐えられませんでした。リクルーターとの面談内容が理由で選考に落ちたこともあるので信用もしていません。選考の一環であるなら、そう伝えてもらえた方が気分が良いと思います。
連絡の早さ・丁寧さ
(oさん)他にも、連絡の早さも内定承諾の決め手でした。お昼に面接して、その日の夕方5時ごろに電話で連絡をいただいたときは驚きましたね。
(光森)早いですね!
(oさん)早いだけでなく、面接のフィードバックまでその場でいただけたので、選考を進む決意が固まりました。
充実した研修制度
(光森)とにかく対応が丁寧で、真摯に学生に向き合ってくれたことが決め手だったんですね。ちなみに、文系学部出身でシステムエンジニアとして就職するときに重視した決め手もあるんでしょうか?
(oさん)研修が3ヶ月以上あることは重視していました。自分が学んでいないことで怒られたくないという気持ちがあったからです。
あとは、仕事内容のイメージがつくかどうかもよく検討していました。「システムエンジニア=プログラマーではない」ということをSIerで勤める知り合いから聞いていなかったら、システムエンジニアを目指す決断はしづらかっただろうなと思っています。
(光森)システムエンジニアの仕事を「人と話さず1日パソコンに向かう仕事」だとおもっている文系学生は多いですよね。
説明会や面談で仕事内容をイメージしやすいように教えていただけたらいいかもしれませんね。
本日のインタビューは以上です!ありがとうございました。
(oさん)ありがとうございました!
まとめ
いかがでしょうか。
文系学生にシステムエンジニアとしての就職を決意してもらうには、「自身にも適性があるという気づき」や「仕事内容に対する明確なイメージ」が必要となります。個別面談を通して学生の自己分析を深めてあげること、一人一人に合わせた情報提供を続けることが、有効なアプローチとなるかもしれません。
また、これは業種に限らず言えることですが、接する社員の雰囲気や話し方が就職先の重要な決め手になるようです。
内定を辞退した理由や選考に進んだきっかけなど、本音を全て把握しておくことは難しいかもしれませんが、様々な可能性を意識して採用活動に臨むことが大切ではないでしょうか。
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