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これまで真面目にやってきたのに。「自分で考える」の意味がわからず苦しんだーしくじりH先輩の体験談とアナザーストーリー②-

  • 大学1,2年生
  • 2022.04.11
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H先輩のストーリー

私は、中学、高校と、真面目な生徒だったと思います。宿題もテスト勉強も頑張りました。言われたことにコツコツ取り組めるタイプだったので、推薦枠で希望の大学に進学することができました。
でも、大学では私の学び方は通用しませんでした。

今からお話しする「しくじり」は、私が大学で勉強を頑張ろうとしたのにうまくいかなかったことから始まるストーリーです。
「大学生になったら自分で疑問を持って学ぶように」と色々な科目の先生に言われましたが、私はそれを聞き流し、特に学び方を変えませんでした。
これまで「自分で考えて行動したこと」がなかったので、どう変えたらよいかもわからず、そのままにしてしまったのです。

大学の1年生の授業の取り組み

1年生前期の時間割はつまっていて、どの科目も課題があり大変でした。
私はこれまで通り課題をこなし、授業にはきちんと出席してノートをとっていました。コツコツと頑張っていたと思います。
そのおかげで、小テストの成績はそれなりによく、自分でも大学の勉強についていけていると思っていました。
しかし、ある科目の先生から「このテーマについて自分で情報収集を行った上でオリジナルの意見をまとめるように」という課題が出た時、途方にくれました。

先生に「これまでの授業を受けていたら自分で考えて動けるはず。私が言ったことも正しいかはわからないから、そのまま信じてはいけない。」と言われたのです。
正直、どうやって取り組めばよいかわからないまま、なんとか指定の文字数を埋めてレポートを提出しました。
結局、その科目の最終的な成績評価はCでしたが、単位を取れたので、「あの先生の授業はわかりづらかったな」とは思いながらも、それ以上気にしませんでした。

大学の2年生の授業や学生生活

2年生になると、専門の社会学に関する授業が中心になりました。
授業内容も、ディスカッションや事例の情報収集が多くなってきました。
1年生の時のように、ひたすら暗記したり、要約したりすればよい点数を取れるという科目は急に少なくなりました。
そして、これまでは授業に積極的でないようだった友達が、そういう授業にいきいきと参加していました。

先生は「あなたはどう思うのか」と頻繁に言いました。自分の意見をすらすらと話す友達に対して劣等感を感じ始めると、ますます授業に対する苦手意識が強くなり、そういった科目は極力避けて履修するようになりました。

課外活動では、友達に誘われてテニスサークルに入っていました。
他学部の人との交友関係も広がり、仲の良い友達も多かったので、まあまあ充実していたと思います。みんなからは、「Hはしっかり者だから単位も心配ないし、就活もそつなくこなしそう」と言われましたが、自分では「そんなことない」と焦りを感じ始めていました……。

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H先輩のアナザーストーリー

1年生前期の授業で、何度も聞かされる「自分で考える習慣をつける」という言葉にもやもやしていました。
今まで、先生や大人たちから「言うことをしっかり聞いて取り組めば大丈夫」と言われてきたのに、急に「自分で考えろ」と言われても無理!と思ったからです。
入試の時は進路を自分で考え、決めてきましたが、学校や塾の先生が「あなたに合うのでは」「この学力なら、こういう学校がある」「もう少しこんな勉強をしたら成績が上がるのでは」とアドバイスをくれていました。そういったアドバイスもなく、急に放り出されたような気がしたのです。

特に共通科目のある先生の授業は難しかったです。レポートの範囲もあってないようなもので、何にどうやって取り組むのかわかりませんでした。そこで、同じ学部のサークルの先輩に、授業で困っていることを話しました。

先輩は、「あの科目は登竜門だから」と教えてくれました。毎年その先生の授業は1年生を悩ませ、先生に質問すると「正解なんてないから、自分で答えを作って私を説得してみせろ。」と言われるそうです。
先輩は図書館でそのテーマについて調べたり、インターネットで検索したりして頑張ったそうです。「なんとか提出した…。」とほっとしていたら、1年生の後期以降は、違う科目でも同じような形式の課題が次々と出されたそうです。その時、「これらに対応できる力をつけさせるために、あの先生はわざとあんな課題を出したのか。」と思ったそうです。

私はそれを聞き、先輩にならって図書館で本を2冊借りてみました。
同じテーマなのに、筆者が変わればとらえ方が異なることに気づけたのは面白かったのですが、それをどうまとめるか悩みました。どちらの主張もそれなりに正しいように思えたからです。
そこで、インターネットではどういう意見が多いのかを調べました。図書館で調べた時より、たくさん情報が出てきて混乱しましたが、なんとなく自分の感覚と近い意見を書いている人もいました。

その人の意見を参考にまた違う本を探しました。そして、自分の考えの結論を示し、その理由を3冊の本を参考にしながらまとめ、一部引用してレポートを仕上げました。時間もかかって大変でしたが、この課題を通してなんとなく「自分で考えること」の意味がわかったような気がしました。

2年生になり、社会学部の専門科目が始まりました。私は、本を読んだり文献を探したりするのが苦にならなくなっていたので、フィールドワークの際も事前にそのエリアの特徴を調べ、まとめることを率先して行いました。
コツコツ取り組むことは好きなので、同じグループの人からは感謝されましたし、私自身がその作業を通して「なぜこうなっているのか」と自分で考えるきっかけを作れると感じていました。
フィールドワークは「防災」をテーマにしていたので、3年生の春休みに、被災地の方や自治体の担当の方と交流するイベントに思い切って参加してみました。

実際に被災地の方や行政の方の生の声を聞くことで、自分が全く気づいていなかった問題点を知りました。「知った気になる」のではなく、知るために努力することが重要だと気づき、私はそのまま防災をテーマにゼミで調査を続けました。

就職活動は、調査することの面白さを感じていたので、お客さまに近く、将来的には商品開発にも携われるような仕事をしてみたいと思い活動しました。できれば地元近くで面白いことをしている会社がいいなと思っていたところ、大学の説明会に来ていてたA社の話をじっくり聞くことができ、結果的にご縁をいただくことができました。

H先輩の「しくじり」と「アナザーストーリー」を読んだ感想

Aさん:そうそう!私も思ってた。これまでずっと大人の言うことを聞くように言われてきたのに。
「大学生になったんだから自分で考えなさい」って言われても、急には無理でしょって。でも、アナザーストーリーみたいに私も今から行動を少しずつ変えていかなきゃいけないな…。

Bさん:私は逆に、地道に真面目に取り組むのが苦手で、大人の言うことも聞かずに自由にやってしまうタイプだったから、H先輩のような経験はないな。
大学に入ってからのほうが勉強は楽しい。でも、コツコツやらなきゃいけない場面があるっていうのも最近すごく実感しているから、それができるH先輩は羨ましいな。
結局、誰もが得意なことを生かしつつ、自分にない学び方を取り入れていく姿勢が必要なんだよね。

Cさん:私はこれを読んで、自分の親のことを思った。うちの親は考え方が古いというか、なんでも「大人の言う通りに頑張りなさい」って考え方で。高校まではまだよかったけど、大学に入ったら就職のことも「安定した地元の大企業に入って」とか言ってきて困ってる。 これから色々体験して考えたいのに、そう言われるとやる気をなくしちゃう。
アナザーストーリーみたいに、自分で色々やってみて、その結果やりたいことが少しずつ見えてくるような体験を聞くと、やっぱり私はそっちがいいな!と思った。

まとめ

H先輩の「しくじり」は、大学生になり「学び方が変わる」時に感じた違和感をそのままにしたことから始まりました。
それに対して「アナザーストーリー」は、気づいた時に自分でちょっとした行動を起こせたことが分かれ道になっていました。
自分だけで行動しづらいときは、仲間や先輩、先生に頼れば、一歩を踏み出しやすくなるかもしれません。その小さな一歩をきっかけに次の一歩を重ねてゆくと、1、2年たった時には、何もしなかった場合と比べて大きく進歩しているのです。

「自分もH先輩と似たところがあるな」と思われた方、今からでも全く遅くありません。気づいたその時から、主体的な学びを身につけるための行動、小さな一歩を始めることができます。

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