家を買いたい、アパートを探したいなど、人々の住み家選びの際の窓口になるのが不動産のお仕事。不動産取引は高額な契約になるゆえ、しっかりと法律を熟知した専門家たちの力を借りなければ住居の売買や賃貸契約を結ぶことはできません。
また不動産業は売買や仲介以外でも、建物の管理からエリア開発までとその仕事は多岐に渡ります。建物の所有者や業者間のつき合いに加え一般消費者との接点も……。
この記事では、不動産業界のトレンドや求められる人物像、志望動機に書くべきポイントなどをお伝えします。不動産業界を目指す就活生は必見です。
数億の案件も!ケタ違いの金額を動かせるのが不動産の面白さ
不動産とは、土地と建物に関連する事業の総称を指します。たとえば、多くの人でにぎわうエリア開発を目的とし、土地を買い、そこに建てる建の規模や種類をプランニングする「デベロッパー」。建物の運営、管理を行う「プロパティマネジメント(PM)」。マンションやオフィスビルの空室に入居者をあっせんする「不動産仲介業」などがあります。最近では古めのマンションやビルを一棟(または一室)ごと買い取り、おしゃれにリノベーションして転売するビジネスも目立つようになりました。
仕事の種類はそれぞれ異なりますが、どの業態でも「宅地建物取引士(宅建)」の取得は不動産業界では必須。1つの事業所の中で、職員5人に対し最低1人は宅建の資格保有者を配置することが義務づけられています。当然、職員を多数抱える大手の不動産会社は社員に宅建の資格取得を推進します。宅建の合格率は毎年15~17%と一見難しそうにみえますが、不動産会社で働いている人であれば実際の仕事を通じてさまざまな契約事例や法律を身近に学ぶことができるので、そこまで狭き門ということではなさそうです。
冒頭でも触れましたが、不動産の仕事は高額の取引になるためいい意味で緊張感に満ちた仕事環境になります。大きな取引を成功させれば、その分のリターンが給与やボーナスで返ってくるため、努力がしっかりと給与に反映される職種といえるでしょう。
また業界全体でみると、ここ数年安定した市場規模をみせています。特に人が集まる都心部の再開発の勢いはとどまることを知らず、一等地の入居希望者は増え続け家賃も高騰。好景気は東京オリンピック・パラリンピックがある2020年までは続くとみられていますが、少子高齢化が進む日本では、近い将来不動産の供給過多になるともみられています。今後生き残っていくには、ビジネスパーソン個人としても企業としても、いかに世の中の動きや消費者ニーズに寄り添い、柔軟に対応できるかが鍵となりそうです。
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性別、そして国や地域を超えて活躍できるフィールドへ
オリンピックにより、好景気となっている不動産業界。ここでは業界内で起きているグローバル化やIT化、女性の活躍といった業界トレンドを紹介します。
■グローバル化によって変わる不動産業界
グローバル化が進み、多くの外国人観光客が押し寄せるようになりました。同時に仕事や技術習得のために日本での働き口を求め来日する外国人も増えています。そのため外国人にターゲットを絞り、アパートなどを紹介する不動産業者が増えています。
2020年を境に不動産需要が頭打ちになるといわれており、すでにそれを回避しようと海外に目を向けている企業もあります。人口増加が見込まれ、インフラの整備が追いついていない中国や東南アジア向けに、技術提供や直接現地での建築に携わるデベロッパーや住宅メーカーも出てきました。また日本人の中にも、気候の温暖な国でのんびり老後を過ごしたいというニーズもあり、そういったシニア層のための不動産売買も今後増えてくることでしょう。
こうしたグローバル化の流れの中では、“英語力”を身につけておくと役に立つはず。今のうちからしっかりと勉強しておきましょう。
■ITの浸透で、効率的かつ公平に不動産情報が行き渡る時代に
ファックスに電話、外回りの営業……不動産業界はアナログだというイメージがありますが、最近では「不動産テック」というITを利用したイノベーションで効率的に仕事をしようという流れもできつつあります。 たとえば、あらゆるところに点在している情報を集約させ、大切な情報を一元化して取得できるようになりました。これにより、不動産オーナーしか知らない、賃貸や売買をする上で不都合な情報を隠したり、一部の人にのみ開示したりすることができなくなり公平性が保たれます。
また、不動産を探す人のニーズにマッチした物件のみを対象者に広告を出すことが可能となり、探す方も売る(貸す)方も大きな手間が省けるのです。
さらには、不動産業者が管理する顧客情報なども業務支援ツールを使うことによってストレスなく管理することができます。またストックされた膨大なデータ分析においても、不動産テックによって効率よく行うことができるため、企業が戦略を立てる上でも重要なツールとなるのです。
■女性目線による、女性のための不動産営業が鍵となる
“女性ならではの視点”で物件探しのアドバイスを得たいというニーズが依然として顕著です。たとえば、キッチンや洗面所の広さ、使い勝手のよさ……また、駅までのアクセスについても、夜でも街灯があって人の行き来がある程度あるかなど、防犯の面に関しても気を遣うところ。やはり家の設備に関しては、女性の意見が重きをなします。男性の社員では目につかない、細かな視点が顧客から評価されているのです。
こうしたニーズを背景に、女性が起業し、女性のために物件を仲介する不動産会社も登場しています。当然働くスタッフも女性が中心なので、女性としては気軽にお店に入りやすく、何でも相談できる雰囲気ができているのです。
不動産業界で求められる人物像
一般の顧客だけでなく建物のオーナーや管理会社とのつき合いもあるため、“コミュニケーション能力”がもっとも大切なスキルとなります。
特に不動産仲介の場合、顧客からさまざまな質問を受けることも。そうした質問にもきちんと対応できるよう、“情報収集のスキル”も大切です。普段から新聞やテレビのニュースに目を通すことはもちろんですが、その街、そのエリアの情報は直接肌で感じなければわからないこともあります。インターネットやマスメディアでの情報収集に頼るだけでなく、自分が担当するエリアは自ら歩いて確認してみましょう。
それでは次に、各職種向けにどのような人が向いているのか、求める人物像に合わせどのような志望動機の書き方がよいのかをみてみましょう。
■デベロッパー、住宅・マンション販売会社
取り扱う商品が大規模なため、事前の業界研究はもちろん各プロジェクトによって生み出される経済効果や社会貢献についてまで意識して追記するようにしましょう。また、将来自分がどのようなプロジェクトに携わりたいか、ビジョンを伝えることもお忘れなく。
■不動産仲介会社
デベロッパーに比べ、一般顧客とのコミュニケーションが求められる職種。また、売主(貸主)と顧客を結ぶ“橋渡し役”になるため、情報の入手に常に敏感であり、素早く情報を開示していけるフットワークの軽さも求められます。
■不動産管理会社
安心して建物を利用するためには、綿密なメンテナンスは欠かせません。居住者やテナントと長いつき合いになることからも世話好きな人が向いており、ボランティアを含め人のために働いて感謝されたこと、そこで得た経験などを伝えられると好印象です。
アナログからの脱却で面白くなる不動産業界
そればかりでなく取り扱う内容に幅が広いため、思わぬアイデアが認められ新たなビジネスとして花開く可能性だってあるのです。自分の可能性を信じ、無限の可能性を秘める不動産業界にチャレンジしてみませんか?
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