新卒採用のフローとは? 採用フローの種類や作成の注意点を紹介
新卒採用では、母集団形成から内定出しまでに多くの工程が必要となります。スムーズかつ効果的に採用活動を進めていくには、各プロセスで必要な業務を整理して、戦略的なスケジュールを立てることが重要です。
ここで必要になるのが、採用活動における一連の流れを示した“採用フロー”の作成です。本記事では、採用戦略を立てるときに必要になる採用フローの種類や、作成時の注意点を紹介します。
目次[非表示]
- 1.採用フローの種類
- 2.新卒採用フローは3つのステップに分けられる
- 2.1.広報を行う
- 2.2.選考を行う
- 2.3.内定者フォローを行う
- 3.自社に合わせて採用フローを考えよう
- 4.まとめ
採用フローの種類
採用フローは、企業の職種や採用方法によって異なります。
一般的な採用フローのパターンには、以下の4つが挙げられます。
● 標準型
● 説明会・選考一体型
● 試験一体型
● 試験選考型
どのパターンを取り入れるかは、企業の採用スケジュールやエントリー数、内定出しのタイミングなどによって異なります。ここでは、各パターンの採用フローをご紹介します。
標準型
標準型は、現在幅広い企業で導入されているポピュラーな採用フローです。具体的な採用フローは次のとおりです。
- 企業情報および求人情報を公開
- プレエントリー
- 会社説明会
- 本エントリー受付
- 選考開始
- 試験実施
- 面接
- 内定
- 内定者フォロー
- 入社
説明会開催後に、書類選考・筆記試験・面接とステップを進めていく一般的なフローです。事前に会社説明会などで自社をPRして、学生が企業理解を深めたうえで選考に進むため、学生が納得感を得やすいという特徴があります。スタートから内定出しまでに数ヶ月単位の期間を要します。
説明会・選考一体型
標準型の採用フローと比べて、短いスパンで採用活動を進められる採用フローです。具体的には次のとおりです。
- 企業情報および求人情報を公開
- プレエントリー
- 会社説明会と選考
- 本エントリー受付
- 試験実施
- 面接
- 内定
- 内定者フォロー
- 入社
企業説明会と一次選考を同日に行うため、標準型よりもスピーディーに選考を進められることが特徴です。学生にとっては、会社へ足を運ぶ回数が少ない分、交通費の負担が減るという魅力もあります。内定出しまでのステップを短縮できるため、採用後期から説明会・選考一体型にフローを変更する企業もあります。
ただし、学生の企業理解が十分でないまま選考に進むため、選考後のミスマッチや内定辞退が生じる不安が残ります。他社が内定出しを始めていて、選考までのフローを早めたい場合に採用フローを見直すケースも見受けられます。
試験一体型
試験一体型は、筆記試験と一次面接を同日に実施する採用フローです。
具体的な採用フローは次のとおりです。
- 企業情報および求人情報を公開
- プレエントリー
- 会社説明会と選考
- 本エントリー受付
- 試験・面接
- 内定
- 内定者フォロー
- 入社
筆記試験と一次面接の結果を総合的に判断できることが大きな特徴です。企業にとっては、筆記試験と一次面接を同日にまとめられるため、採用工数や会場費、交通費などを削減できる利点があります。ただし、学生の拘束時間が長くなるため、試験や面接にかかる時間、休憩室の確保なども配慮したうえで実施が必要です。
試験先行型
採用人数に対して、学生のエントリー数が大量な場合には「試験先行型」を選択するケースがあります。具体的な採用フローは、次のとおりです。
- 企業情報・求人情報を公開
- プレエントリー・試験実施
- 会社説明会
- 本エントリー受付
- 面接
- 内定
- 内定者フォロー
- 入社
会社説明会を実施する前に、Web上で選考試験を実施することで、大量の母集団を効率的に絞り込めることが特徴です。ただし、Web選考が先行して行われることにより、学生による企業理解が十分でないままに選考が進んでしまう可能性があります。自社の経営理念や風土、魅力が伝わるようアプローチ方法を工夫するとともに、あらかじめWeb選考があることがはっきりと提示しましょう。
新卒採用フローは3つのステップに分けられる
新卒採用のフローはいくつかのステップに分かれますが、基本的なステップは大きく3つに分けられます。
● 広報を行う
● 選考を行う
● フォローアップする
ここでは、それぞれの内容や実施時の注意点を紹介します。
広報を行う
企業のことを知ってもらうために、求人媒体への情報公開をはじめ、採用ホームページの開設、説明会の実施などを行います。母集団を形成するために必要なフローとなるため、企業認知が済んでいない学生へのアプローチを目的に実施されます。学生の目に触れやすい場所で広報を実施するのがポイントです。
また、学生の企業理解を深めるために、会社説明会や合同説明会を実施したり、ミートアップや座談会などのインタラクティブなコミュニケーションを図ったりすることも有効です。
企業理解が十分でないまま選考に進むと、採用後のミスマッチが生じる可能性があるため注意が必要です。イベントを実施する際は、学生が企業で働く姿をイメージしやすいよう、現場社員へのインタビューを実施するなど、納得感を得られる企画を検討しましょう。
選考を行う
形成された母集団から、自社にマッチする学生を絞り込む選考フローに進みます。選考方法には、書類選考や筆記試験、適性試験などが挙げられます。グループディスカッションやグループワークなどの集団面接のあと、最後に個人面接に進むケースが一般的です。
選考フローは、試験や面接の回数が多くなるほど内定出しのまでの期間が長くなるため、採用の労力・コストが増える可能性があります。反対に、少なすぎると採用条件を満たしているかどうか判断する機会が少なくなるため、ミスマッチが起きやすいという注意点もあります。
選考フローを検討する際は、筆記試験や集団面接を同日に実施して、個人面接はある程度学生を絞ってから実施するなど、選考の重要度に応じてスケジュールを調整するのがポイントです。一度の選考で判断しようとせず、基礎能力や行動特性を掘り下げて、ほかの候補者との比較を行いながら本当に欲しい人材を選びましょう。
内定者フォローを行う
内定出しを行ったあと、内定を承諾した学生に入社までのフォローを実施します。
内定承諾後の学生とは、コミュニケーションを取り続けることが重要です。放置されていると不安を感じ、内定辞退につながることもあるため注意しましょう。
社内イベントの実施をはじめ、定期的なメッセージのやり取り、座談会の実施など、学生との継続的なコミュニケーションを通じて関係性を構築することがポイントです。
不採用通知については、優先度の高い順に内定出しを行った後に実施するのがベターといえます。内定辞退で目標の人数に満たない場合もあるため、繰り上げ合格の余地も検討しておきましょう。
自社に合わせて採用フローを考えよう
自社の採用課題を解決するためには、適切な採用フロー設計が大切です。
たとえば、専門人材や理系学部卒などの人材を求めているケースでは、これまでの応募を待つというオーディション型の採用フローでは学生接点を持てないこともあります。広報の方法を見直すとともに、企業から直接アプローチする“攻めの採用”を行うのもおすすめです。
dodaキャンパスの提供するダイレクトリクルーティングサービスは、自社の人材要件に適した学生に直接アピールできるのが特徴です。データベースを検索して、自社の要件に合う人物かどうか事前に確認できるため、採用のミスマッチも防止。採用期間の短縮も可能です。企業側から行動するダイレクトリクルーティングは、これまでエントリーがなかった学生とも接点を持てるため、高品質な母集団形成にも役立つでしょう。
「従来の採用フローでは労力・コストがかかり過ぎる」「効率化できるよう採用フローを見直したい」という企業は、ダイレクトリクルーティングの活用も視野に入れましょう。
まとめ
新卒採用フローは、採用スケジュールを立てるためだけでなく、各プロセスを可視化して、社内で進捗状況を共有するためにも重要です。広報活動や選考、内定者フォローなど、さまざまなプロセスで必要な行動が明確になるため、スムーズに採用活動を進められるというメリットがあります。
また、課題やトラブルが発生した際、過去のプロセスを振り返り、改善に取り組みやすくなるといった役割もあります。採用活動に携わっている部署や担当者が多い企業ほど、採用フローを適切に作成しておく必要があるでしょう。
ただし、適切な採用フローは、企業の採用予定人数や進捗状況、予算などによって異なります。どのようなパターンが最適か、自社の採用計画や目的に応じて選定しましょう。
「求める人材からの応募がない」「採用プロセスを効率化したい」といった場合には、企業から直接学生にアプローチできるダイレクトリクルーティングも有効です。学生に直接オファーできるため、採用までの工数やコストの削減効果も期待できます。採用フローを見直したい方は、dodaキャンパスのダイレクトリクルーティングサービスをご検討ください。