新卒採用お役立ちコラム

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HRと人事部との違い、求められるスキルやキャリアプランとは?

両者とも人に関係する業務であることから、混同されることの多いHRと人事部。企業によっては同義で活用している場合もあるのではないでしょうか。
似た言葉ではありますが、実は定義上異なる意味を持つ単語です。今回はHRと人事部の違いを明確にした上で、求められるスキルやキャリアプランについて紹介します。

HRとは?


「HR」とは「Human Resourse」、つまり人的資源を意味する言葉であり、日本ではしばしば人材と訳されるワードです。
人事部のことを指す際に使用されることが多い単語ですが、「HR」と「人事部」にはどのような違いがあるのでしょうか。


HRと人事部との違い

「HR」は、企業の労務や経営、事業戦略などの分野で人的資源をどのように活用するかに焦点を当てています。それに対して、「人事部」は企業において採用や人材育成などを代表的な業務とする部門、業務を指します。
 
つまり、人事もHRの一部の領域であることを覚えておきましょう。


HRに含まれる業務とは?

HRには、採用、人材育成、人事評価、労務管理、人材制度の企画立案の5つの主要な業務が含まれます。採用においては、企業のビジョンや戦略に基づいた人材戦略を策定し、採用の計画・実施を行います。また、採用後の人材育成においては、従業員の能力やスキルアップに必要なトレーニングを行い、キャリアアップの支援をします。

これらの業務を通じて、HRは企業にとって最も重要な資源である人材を最適な形で活用し、組織全体の成長と発展を促進することを目指します。したがって、HRの業務は多岐にわたり、企業のビジョンや戦略に合わせた戦略的なアプローチが必要とされます。

HRに求められるスキル


HRに求められるスキルとは主に以下の5つです。

  • 他部署とのコミュニケーション能力
  • 他部署やお取引先(採用支援企業)、応募者との調整能力
  • 戦略構築力
  • コンプライアンス違反などを取り締まる厳格性
  • 労務に関する専門知識


他部署とのコミュニケーション能力

HRに求められるスキルの1つに、「他部署とのコミュニケーション能力」があります。これは、HRが企業全体の人材戦略を遂行するために必要な能力です。
 
HRは人事に関する業務を担当するため、他の部署との連携が不可欠です。例えば、採用活動では採用担当者だけでなく、応募者を面接する現場の上司や同僚ともコミュニケーションを取りながら進める必要があります。また、人材育成では、現場の上司や部署リーダーと連携しながら、従業員のスキルアップを支援することが求められます。部署ごとに求める人材像や業務目標が異なることから、HRが企業が求める人材像を正確に理解し、現場の要望やニーズを把握しながら、人材戦略を策定することが必要です。


他部署や取引先(採用支援企業)、応募者との調整能力

他部署や採用支援企業、応募者との調整能力は、HRに求められる重要なスキルの一つです。例えば、転職エージェントや新卒エージェントが提供する支援と、他部署が求める人材像の獲得方法をマッチングさせることは、採用プロセスをスムーズに進める上で欠かせません。
 
また、応募者との調整能力もHRに求められるスキルの一つです。採用プロセスは、多くの応募者との面接や選考を経て進められます。その中で、選考落ちした応募者にも好印象を残し、今後の機会につなげるためにも、HRは丁寧かつ的確に説明し、誠意を持って対応することが求められます。
 
さらに、こうした調整能力の大前提として、各エージェントやサービスなどに対するマーケット理解も欠かせないでしょう。

戦略構築力

戦略構築力は、HRにとって非常に重要なスキルの一つです。このスキルを持つことで、企業が求める人材像を正確に理解し、採用活動や人材育成に活かすことができます。
 
例えば、企業理念や自社の経営計画を踏まえ、自社に不足する要素をあぶりだし、採用に反映するためには戦略構築力が求められます。また、採用活動においては、どのような媒体に求人情報を公開するかも重要です。総合型や理系特化型や上位校特化型など、どのナビ媒体かによっても利用している学生層は変わってきます。自社の戦略に合わせて効果的に活用するためには、媒体ごとの特性を理解することも重要です。


コンプライアンス違反などを取り締まる厳格性

HRには、コンプライアンス違反などを取り締まる厳格性が求められます。具体的には、以下のようなスキルが必要とされます。
 
・コンプライアンス違反がどのような内容に当たるかを理解する
HRは、労働法や就業規則などの法律やルールに精通し、従業員がこれらを遵守するよう監視・指導する役割を担っています。
 
・セクハラやパワハラなど、社内での不適切な行為や言動を防ぐ仕組みを構築する
具体的には、従業員への教育や啓蒙活動、告発窓口の設置などが挙げられます。
 
・不正行為を未然に防ぐ仕組みを構築する
採用活動においては、システムの検討など、不正行為を未然に防ぐ仕組みを構築することが求められます。

労務に関する専門知識

労務に関する専門知識は、HRにとって必要不可欠なスキルの一つです。労務に関する専門知識を保有することで最近の法改正や労働環境の変化に対応し、職務規定をアップデートすることが可能です。
また、労務に関する専門知識を所有することで採用でお断りしなければならない際に問題が発生することを未然に防ぐことが可能です。例えば断る際に使用する雛形を作成していくことで、担当者ごとにばらつきが発生せず、問題が発生するリスクを最小限に抑えることができます。


HRのキャリアプラン


一般的に、人事のキャリアプランは以下の2つのパターンに分けられます。


人事のスペシャリストを目指す

採用担当、人事担当、研修担当のように、人事の各業務のスペシャリストを目指すことはキャリアプランの1つです。
 
具体的には、応募者との面接や選考、内定者との調整など採用に関する業務を担当します。人事担当は、社員の労務管理、評価制度の構築、福利厚生の充実など、社員のキャリア形成や定着を支援する業務を担当します。研修担当は、社員の能力開発やキャリアアップのための研修制度の企画・運営を担当します。
 
人事のスペシャリストを目指すことは誰にでもおすすめできるわけではありません。向いている人とは例えば以下のような人です。

  • フォローアップ能力に長けている
  • 日程等の調整能力に長けている
  • 心を鬼にして言いたいことを言えるような人

 
向いていないのは以下のような人です。

  • 感情に流される人
  • 自ら動くよりも、与えられた仕事をコツコツやりたい人
  • 自らの考えを発信したり、共有したりするのが苦手な人 

マネジメント職へキャリアアップ

人材マネジメントの知識や経験を活かし、チームや部署を統括する立場への昇進を目指すキャリアアップです。例えば、採用や人事業務を担当していた人事担当者が、人事チームのマネジャーに昇進することなどがこれに該当します。
 
また、HRBPへのキャリアアップという道もあります。HRBPとは、「HR Business Partner」の略称で、ビジネス戦略をHRの視点からサポートする役割を担います。HRBPは、企業の経営層や事業部門と密に連携し、人材戦略や採用計画の策定、人材開発や評価制度の改善、労働環境の整備などを行います。HRBPになるためには、ビジネスの理解力や戦略的思考力、コミュニケーション能力などが必要不可欠です。

HRの今後の展望


HRは人材不足や多様な働き方の拡大など、社会的な変化に対応する重要な役割を果たすことが求められています。AIやデータ分析の活用など、テクノロジーの進化にも対応しながら、より戦略的な人材マネジメントを実現することが求められています。

HRテック

HRテックとは、人事領域において技術を活用することを指します。AIやビッグデータ、クラウドコンピューティングなどのテクノロジーの進化によってHRテックが注目されるようになりました。
 
HRテックを導入することで、採用や研修などの定型業務を効率化し、人事部門がより戦略的な活動に注力できるようになることが期待されています。また、人事領域においても、従業員に対するDXが進んでおり、これに伴ってHRテックがますます注目を浴びています。

アジャイル型人事制度

アジャイルとは、「機敏な」を意味する単語であり、アジャイル型人事制度とは権限が社員に分散されていることから、意思決定の早い人事制度を意味します。
 
HRは、アジャイル型人事制度を導入することで、従業員の自己実現や組織の成長を促し、働き方改革にも取り組めます。例えば、定期的なフィードバックやMBO評価、360度評価などを導入することで、従業員と上司との対話の場を増やすことができます。また、社員自身が仕事を進める上で必要な研修やスキルアップの提供、社員が直面する問題を現場主導で改善していくことにも繋がります。


タレントアクイジション

タレントアクイジションとは、優秀な人材を獲得することを目的とした採用戦略の一つです。
 
近年、採用市場の競争が激化する中で、優秀な人材を確保することがますます重要視されるようになり、タレントアクイジションが注目されています。従来の採用手法では、応募者からの応募を待つというパッシブな手法が主流でしたが、タレントアクイジションでは積極的に優秀な人材を探し出し、企業に引き抜いていくことを目的としています。
 
結果として、短期の欠員を埋めるためではなく優秀な人材を長期間かけて採用できます。また、新卒でも才能あふれる人材を早期に引き抜き、育てることが可能になります。


まとめ


HRは企業が成長するために必要な人的資源を管理し、組織の成長を促すための施策を考案する部署です。日本では、人事部と混同されがちですが、人事に関する業務に特化している人事部とは厳密には異なるため、注意しましょう。
 
HRを推進する上でビッグデータなどを活用したHRテックを導入することは有用な施策の1つです。たとえば、日本最大規模のダイレクトリクルーティングサービスを提供する「dodaキャンパス」はHRテックの1つであり、大学1年生から大学4年生まで、総登録学生約99万人の幅広い学生に対して、アプローチが可能です。HRテックを導入したいけれど、社内に専門家がいない場合でも、まずは新卒採用の母集団形成から、HRテックを導入してみてはいかがでしょうか。


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