採用広報とは?採用広報のメリットや成功のポイントを解説
新卒採用での採用広報とは、学生に向けて行う広報活動です。広報を使って自社で働く具体的なイメージを持ってもらいたいと考えているものの、どのようなことを意識して行えば良いのかわからない採用担当者の方も多いでしょう。この記事では、採用広報のメリットや成功させるためのコツを解説します。採用広報を具体的に進める手順についても紹介しているので、ぜひ参考にしてみてください。
目次[非表示]
- 1.採用広報とは
- 1.1.採用広報の概要・目的
- 1.2.採用活動には広報意識が必要
- 2.採用広報によるメリット
- 3.採用広報を進める手順
- 3.1.目的・ターゲットを決定する
- 3.2.情報発信する内容を決める
- 3.3.情報発信する媒体を選ぶ
- 3.4.KPIを決める
- 4.採用広報を成功させるコツ
- 4.1.目的にそったコンテンツを発信する
- 4.2.企業の存在目的や社会的意義を伝える
- 4.3.現場の社員の声を発信する
- 5.まとめ
採用広報とは
採用広報とは、学生に自社で働くイメージを共有して応募・入社意欲を高めてもらうための広報活動です。たとえば採用サイトの運営や会社説明会の開催、求人情報の掲載なども採用広報の一つです。採用広報で発信する内容として、企業情報や仕事内容・職場環境などが挙げられます。以下では、採用広報の目的や要件を解説します。
採用広報の概要・目的
前提として、採用広報は採用活動の一部ではありません。あくまでも採用プロセスをスムーズに進めることを目的に取り組まれている広報活動の一環です。ただし、成果ありきで採用広報を行うと失敗する可能性があるため、自社の採用課題に合わせた目的を決めて取り組むようにしましょう。採用広報の主な目的として次のようなものがあります。
- 採用ターゲットを集め母集団を形成する
選考時の歩留まり・内定辞退のリスクを減らす
入社後のミスマッチを防ぐ、など
採用活動には広報意識が必要
採用担当者が採用広報を行う際はしっかりとした広報意識が欠かせません。広報意識を持たずに採用広報を進めた場合、次のような事態を引き起こすリスクが高まります。
- 採用サイトの運営目的を忘れ、サイトのPV(閲覧)数やimp(表示回数)を上げることが目的になる
ネタ切れを起こし、情報発信を続けられない
短期的な成果を求めて場当たり的な施策を繰り返し、失敗が増える
ターゲット・発信方法・伝えたい内容を決めておらず、学生に読んでもらえない
広報意識を浸透させて採用広報を進めるためには、後述する「採用広報を成功させるコツ」を参考にしてみてください。
採用広報によるメリット
企業が採用広報に取り組むとどのようなメリットが得られるのでしょうか。主なメリットは次のとおりです。
- 企業認知度の向上
ミスマッチ低減
応募数増加
それぞれのメリットについて以下で解説します。
企業認知度の向上
採用広報に取り組み自社の情報を発信することで、幅広い層の認知拡大につながります。積極的に自社の情報を発信すると「現時点では入社は考えていない」という潜在層にもアピールできます。
潜在層へのアプローチによって自社への認知度が高まると、将来的に自社への入社を希望する可能性も出てくるでしょう。
ミスマッチ低減
採用広報によって入社後のミスマッチを減らすことができます。自社で働く具体的なイメージを持ったうえで「この会社で働きたい」と考える人材が入社すれば、内定辞退の防止や入社後のミスマッチの削減につながります。
採用広報で得た情報と入社後の現状に差がなければ定着率が向上し、入社後の早期退職者の人数を減らすこともできるでしょう。定着率が高まると企業イメージが向上して応募者が集まりやすくなるといった良い影響をもたらしてくれます。
応募数増加
採用広報によって自社の魅力を発信すると、多くの応募者が集まりやすくなります。さまざまなメディアを使って自社の情報を伝えられるので、学生との接点も増やせます。
自社の魅力を幅広い層に発信できれば、「この会社に入りたい」「このような魅力がある会社で働きたい」と自社への関心を持ってくれる学生を増やせるでしょう。自社への関心を持つ学生が増えれば多くの応募者を集めやすくなり、母集団を形成できます。
採用広報を進める手順
採用広報は次に挙げる4つのステップに分けられます。
- 目的・ターゲットを決定する
情報発信する内容を決める
情報発信する媒体を選ぶ
KPIを決める
実際にどのように進めれば良いのか、ステップごとに解説します。
目的・ターゲットを決定する
まずは自社の採用課題をもとに、採用広報を行う目的と情報を発信したいターゲットを明確にします。目的やターゲットを決めずに思いつきで情報を発信しても、自社が伝えたいメッセージを届けることはできません。応募者が自社の情報を目にした場合でも、心に刺さらないので採用広報の効果を得られないでしょう。
「学生」といったおおまかな対象を設定するのではなく、「そろそろ就活情報を集めたいと思っているが、何から手をつけたらいいかわからず困っている学生。普段はTikTokでトレンド動画を見るのが好き。就活情報は友人からの口コミで得る」など、関心のある事柄、日常的に利用している媒体などを調べたうえでターゲットを決めましょう。
情報発信する内容を決める
採用広報の目的やターゲットが決まったら、発信内容を決めていきます。さまざまな角度から自社の魅力や競合他社にはない強みは何かを考えることで、発信すべき情報を集められます。自社の魅力を効果的に伝えるためには、自社情報の言語化が大切なポイントです。
発信内容は、社員からヒアリングした自社の魅力を客観的に分析して絞り込みましょう。自社の強みを洗い出す際に4P分析や3C分析を活用すると、発信内容の言語化がしやすくなります。
情報発信する媒体を選ぶ
発信内容が決まったら、コンテンツを発信する媒体を選定します。情報発信する媒体を選ぶ際は、採用広報の目的にマッチする媒体か、ターゲット層と接点を持てる媒体はどれかという視点で考え、効果を最大化できる可能性が高い媒体を検討します。
媒体を選ぶ際に避けたい方法は、「流行しているからTikTokで発信しよう」という曖昧な理由で発信する媒体を決めることです。自社が狙いたい就活生は、TikTokよりTwitterやInstagramに多いかもしれません。あるいは、SNSに関心が薄い層である可能性もあります。情報発信する媒体は、ターゲットの関心を得やすいものを選びましょう。
KPIを決める
情報発信する媒体を絞り込んだら、効果検証のためのKPIを設定します。KPIとは、最終目標の達成度を評価するために設定する指標の一つです。KPIは数値化しにくい目標を評価するうえで有効な指標です。採用広報のゴールには「自社の認知度を上げる」「企業理解を深める」などがありますが、いずれも数値化しにくい定性的なものです。
定性的な目標は効果を実感するまでには時間がかかるため、いかにモチベーションを維持しながら取り組みをコツコツ続けていくのかが成功の鍵となります。そのためには、現在地やゴールの達成度を可視化できるKPIの設定が欠かせません。主なKPIの例は、以下のとおりです。
- コンテンツのPV数
応募者・選考参加者の人数
内定承諾率
入社後の定着率や早期退職率、など
採用広報を成功させるコツ
採用広報を成功させるためには、次に挙げる3つのコツを意識しましょう。
- 目的にそったコンテンツを発信する
企業の存在目的や社会的意義を伝える
現場の社員の声を発信する
それぞれのコツについて以下で解説します。
目的にそったコンテンツを発信する
コンテンツは思いつきで企画するのではなく、自社の採用課題の解消につながる内容をメインに発信することが求められます。採用課題の解決につながらない情報を発信すると、自社が求める人物像と異なる人材が集まる可能性があります。
例えば、自社が所属する業界全体で、労働時間の長さにネガティブなイメージを持つ人が多い場合は、社員の1日の流れを取り上げ、仕事を定時までに終えられることをアピールすると良いでしょう。
企業の存在目的や社会的意義を伝える
自社がどのような企業なのかを知ってもらうためには、存在目的や社会的意義を盛り込んだ内容を発信しましょう。具体的には、何のために企業が存在しているのかを言語化した「ミッション」や、企業としてどのような目標達成を目指しているのかを明確にした「ビジョン」などが挙げられます。
ミッションやビジョンを積極的に発信することで、自社がどのような意識を持って企業活動を行っているのかを伝えやすくなります。
現場の社員の声を発信する
現場の社員の声は、入社後の働くイメージをよりリアルに発信できます。さまざまな部署・年代の社員のインタビュー記事を掲載することで、候補者に入社後のイメージを伝えやすくなります。
例えば、若手社員に入社後の会社の印象や職場環境についてインタビューしたり、現場の社員をコンテンツ作成に参加させたりすると良いでしょう。採用広報の活動に現場の社員を巻き込むことで、リアリティのあるコンテンツを発信できます。
まとめ
採用広報への取り組みで、自社の認知拡大や入社後のミスマッチの低減、応募者数の増加などのメリットが得られます。採用広報を進める際は目的・ターゲットを明確にしたうえで、発信内容や情報発信する媒体を選びましょう。また、採用広報を効果検証するためのKPIの設定も欠かせません。
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