面接で「高校生活で頑張ったことを教えてください」と質問されることがあります。「高校生活は特にアピールできることがない……」「高校のことなんて覚えていない」といった具合に、悩む学生はとても多いでしょう。
そこで今回は思いつかない時の対処法や答え方について、6つの例文とともに解説!いざという時に備えて、準備しておきましょう。
目次
企業が高校生活で頑張ったことを質問する3の理由

大学でアピールできる経験が少ない場合、高校時代の頑張りも有効です。企業がこの質問をする背景を解説します。
1)人柄や価値観を見極めるため
企業は「高校生活で打ち込んだこと」から、学生の人柄を見極めようとしています。大学生活から更にさかのぼることで、過去から続く「芯にある価値観」を知ろうとしているを知ろうとしているのです。
例えば、部活動に打ち込んだ学生からは負けず嫌いな一面が、勉強に力を注いだ人からは真面目さを感じ取ることができるでしょう。こうして知った価値観や人柄が、自社の風土や求める人物像とマッチしているかどうかを企業は判断しているのです。
なお、価値観は自分にマッチした企業を選ぶために、あなた自身も知っておかなければいけない大切な情報です。「自分の価値観がわからない……」という方はdodaキャンパスの就活軸診断を活用してみましょう。【所要時間5分】であなたが大切にしている価値観を言語化できます。

2)物事への取り組み方を知るため
企業が知りたいのは「入社後に仕事へどう向き合うか」です。力を入れた事柄へ取り組む「姿勢」から入社後の姿を予想しようとしています。
重要なのは結果の良し悪しではありません。課題に対して何を考え、どう取んだか具体的に話せるようにしておきましょう。
3)経験からの学びを確認するため
企業は、過去の経験から何を学び、どう成長したのかを知りたいと考えています。高校時代の取り組みを自分の言葉で振り返り、学びを語れる学生は、成長意欲があり吸収力が高いと評価されるのです。
注目されるポイント
- 成功や失敗から何を学んだか
- その学びを入社後にどう活かすのか
過去の経験をどう未来につなげるかを語れることが、企業に「成長し続けられる人材」と思わせる最大のポイントです。
【エピソード別】高校生活で頑張ったことの回答例
ここでは、高校生活で頑張ったことの回答例を6つ紹介します。部活動や勉強など、あなたの経験に近いテーマがあれば参考にしてみてください。
部活動
回答例
私は高校時代、バスケットボール部でキャプテンを務め、地区大会優勝という目標に向かって練習に励みました。私の原動力は、3年間ともに過ごしたメンバーと最高の思い出を作りたいという気持ちです。
就任当初、部員によって練習意欲に差があり、全員の士気を高めることが課題でした。そこで、ミーティングを重ねて全員で練習メニューを考える機会を作り、チーム全体の意識向上を図りました。その過程で部員一人ひとりが主体的に意見を出すようになり、チームの士気も徐々に高まっていきました。結果、チームの結束力は飛躍的に高まり、大会では県三位を達成。目標には届きませんでしたが、過去最高の結果となりました。
この経験から、目標に向かって仲間と協力し、一丸となって努力することの大切さを学びました。ここで培った責任感やリーダーシップを今後も活かし、チームの成果を最大化したいと考えています。
勉強
回答例
高校生活では、苦手意識のあった数学の成績向上に力を入れました。勉強のモチベーションは、志望校に合格したいという強い想いです。
最初は問題集を解いてもなかなか理解が深まらず、模擬試験でも思うように点数が上がりませんでした。そこで、基礎に立ち返って教科書を読み直し、わからない点は担当の先生に質問を重ねました。また、毎日少しずつでも数学に触れる時間を作るため、通学時間や休み時間も活用してコツコツ勉強を続けました。結果、苦手だった数学の点数は飛躍的に向上。高校3年最後の模擬試験ではクラス上位の成績を収めることができました。
この経験から、努力の積み重ねで苦手を克服できると学び、大きな自信がつきました。御社に入社後も直面した課題に挫けず、解決に向かって努力を続けます。
学校行事
回答例
高校3年生の時、文化祭の実行委員に全力で取り組みました。私を突き動かしたのは、最後の文化祭を成功させ、学校全体を盛り上げたいという強い想いです。
しかし、準備を進める中で、装飾チームと企画チームの方針が合わず、話し合いが難航する場面がありました。そこで、私は双方の意見を聞き取り、お互いのアイデアを組み合わせる案を提案しました。結果、委員一同がまとまりを取り戻し、準備はスムーズに進行。迎えた文化祭当日には、大きなトラブルもなく企画したイベントや展示を成功させることができました。
この経験を通じて、チームで一つの目標に向かって準備を進める難しさと達成した時の喜びを学びました。入社後も、課題に対して全社最適となる解決策を探し、部門を跨いで連携したいです。
資格取得
回答例
私は高校時代に英語検定2級の資格取得に挑戦しました。大学受験やグローバルな社会で役立つと考え、自分の英語力を高めたいと考えたためです。
資格の勉強と部活動・学校行事の両立は難しく、一度目の試験では不合格となりました。試験後すぐに自分の弱点を洗い出したところ、最も大きな課題はリスニングと判明。そこで、英語のリスニングを通学時の日課としました。その結果、二度目の試験では合格を勝ち取ることができたのです。
この経験から、目標に向けて諦めずに努力し続ければ結果が出せることを学びました。また「継続力」という大きな強みを手に入れることができました。入社後もこの強みを活かし、目標達成に向けて必要な知識やスキル獲得を継続的に実施したいです。
人間関係
回答例
高校生活で意識して頑張ったことの一つに、人間関係の構築があります。内気な性格で、入学当初はクラスに馴染めませんでしたが、高校を楽しい時間にするために自ら行動を起こしました。
まず、毎日自分から笑顔で挨拶をすることを心がけました。また、休み時間には意識的にクラスメートの会話に参加。できあがったグループへ飛び込むことに最初は緊張しましたが、次第にクラスメートとも打ち解けることができました。結果、2年生になる頃には親しい友人が何人もでき、今でも定期的に会う仲にまで発展しました。
私はこの経験を通じて、自分から心を開いて働きかければ、人との距離を縮められると学びました。社会に出てからも社内外問わず積極的にコミュニケーションを図り、仕事の成果を最大化できる関係を構築したいと考えています。
ボランティア
回答例
私は高校時代、地元の高齢者施設でボランティア活動に従事しました。地域に貢献したいという想いと、お年寄りと触れ合うことで視野を広げたいと考えたのがきっかけです。
毎週日曜日に施設を訪れ、車椅子の方の移動を手伝ったり、一緒に折り紙や歌を楽しみました。しかし、初めはどのように接したらよいか分からず、会話が続かない日々が続きます。そこで、職員の方にコミュニケーションのコツを教えていただき、自分から積極的に話題を提供するように努めました。その結果、次第に利用者の方々とも打ち解け「来てくれるのを楽しみにしているよ」と声をかけてもらえるようになりました。
この経験から、誰かの役に立つことの喜びと責任感を学ぶとともに、世代を超えて心を通わせる大切さを実感しました。入社後もこの時味わった気持ちを忘れず、お客様のために最高のサービスを提案したいです。
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わかりやすく好印象に!高校生活で頑張ったことの答え方

面接で「高校生活で頑張ったこと」を聞かれた時は、話の順序を意識するだけで論理的でわかりやすい回答になります。上図の構成について詳細を見ていきましょう。
結論と取り組んだきっかけ・目的
冒頭で「力を入れたこと(結論)」を端的に伝えましょう。取り組んだ理由や目的を添えると、あなたの行動原理が明確となり、話の続きが頭に入りやすくなります。
【例】
具体的な行動と結果
次に、どんな工夫や努力をしたのか、そしてどんな成果につながったのかを具体的に説明します。抽象的な表現を避け、数字や具体的なエピソードを用いて説得力を上げましょう。
【例】
「半年間で数学の点数を平均点から90点まで伸ばしました。」
この時、直面した課題や、その際の行動も盛り込むことで、困難に対する対応力をアピールできます。
学びや成長
最後に、その経験を通じて得た学びを伝えましょう。面接官は「経験をどう成長につなげたか」「自社でどう活かされるのか」を知りたいと考えています。
【例】
あなたの学びや成長は強みとなり、自己PRにも使える強力な武器となります。「経験は洗い出せたけれど、強みがうまく言語化できない」と悩んだら、ぜひAIを活用した無料のサービスを試してみてください。あなたの経験や考えをもとに、人事担当者に刺さる自己PRを作成できます。

高校生活で頑張ったことを魅力的に見せるコツ
同じエピソードでも、伝え方次第で印象は大きく変わります。ここでは、高校時代の経験をより魅力的に伝えるための方法を紹介します。
エピソードや経験は具体的に伝える
曖昧な表現では記憶に残りません。強く印象付けるには、具体的な行動や場面の描写が大切です。
- NG:野球部で練習を頑張りました
- OK:毎日素振りを300回続け、2年生でレギュラーを獲得しました
上記のように数字を用いて行動を具体化することで、より説得力あるエピソードとなるでしょう。
事実ベースで、過度な誇張は避ける
高評価を狙い、成果を誇張するのは逆効果です。面接官は多くの学生を見ているため、不自然なアピールはすぐに見抜かれます。
大切なのは、成果の大小ではありません。例え小さな成果であっても、取り組みのプロセスや学びをしっかり伝えることで、あなただけの魅力的な自己PRとなるでしょう。
高校生活で頑張ったことがない時の対処法

「何も思い浮かばない……」と感じる人も、視点を変えればアピールできる経験は必ず見つかります。ここでは、その見つけ方を紹介します。
振り返りが大切!自己分析を深める
まずは高校生活を丁寧に振り返りましょう。大きな成果でなくても「自分なりに努力したこと」は立派なエピソードになります。
例
- 通学時間を活用して英単語を覚えた
- 毎日欠かさずお弁当を作った
- 球技大会に向けて練習を重ねた
こうした積み重ねも、十分に「頑張ったこと」として語れます。まずは日常の習慣や工夫を思い出し、書き出してみましょう。
具体的な自己分析の方法が知りたい方は以下の記事もご覧ください。
視点を増やそう!家族や古くからの友人に尋ねる
いくら考えても思い浮かばない時は、家族や友人に尋ねてみましょう。あなたにとっては当たり前のことでも、第三者から見ると立派な「努力」である可能性があります。
この時、複数人にヒアリングすることがオススメ。回答に共通項があれば、それはきっとあなたの強力なアピールとなるでしょう。
高校生活で頑張ったことに関するよくある質問
最後に、就活生が抱えやすい疑問に回答します。しっかり確認し、不安を払拭しましょう。
高校生活で頑張ったことの例は部活以外に何がある?
A.勉強、学校行事、ボランティア、アルバイトなど多岐にわたります。
「自分なりに目標を立て、努力を続けたこと」であれば、どんな内容でも十分にアピール可能です。面接官が知りたいのは活動の種類ではなく、そのプロセスや経験からの学びであると認識しましょう。
高校生活で頑張ったことが本当にない時はどうする?
A.自己分析を深め、親しい人にもヒアリングしてみましょう。
「ない」と感じている方は、大きな成果が必要と考えているかもしれません。採用担当者が知りたいのは派手な実績ではなく「あなたの物事への向き合い方」です。高校時代の行動について、周囲の意見も参考に洗い出してみましょう。
高校生ならではの経験で自分をアピールしよう
「高校生活で頑張ったこと」は、決して高校時代に達成した大きな成果を聞いているわけではありません。部活、勉強、行事といった「高校生らしい」活動の中に、あなたの頑張りはきっと眠っているはずです。
高校時代の日常を思い返し、夢中になったことや継続したことを振り返ってみましょう。
最後に本記事の内容を簡単にまとめます。
本記事のまとめ
- 企業が知りたいのは成果ではなく、人柄や行動プロセス、経験からの学び
- 構成は「結論と目的→行動と結果→学びや成長」がわかりやすい
- どうしても思いつかない時は親しい人にヒアリングすると良い
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