プロフィール
・津田塾大学総合政策学部総合政策学科4年(24卒)
・「dodaキャンパス ゼミコミュニティ」インターン生としてコラム執筆やイベント運営を担当
※本記事は2023年8月5日、6日に開催された「キャリアゲートウェイ 2023」のイベントレポートです。
「キャリアゲートウェイ2023」は、大学1,2年生を対象に開催したイベントです。全国の仲間とともに、自分のキャリアと向き合うきっかけを作り、自らのキャリアや将来について考えてもらうことを目的に開催しました。
2日間にわたるイベントでは、「“まなぶ”と“はたらく”をつなぐ」さまざまなセッションを開催。
このレポートでは、「海外で学ぶ同世代に聞く!」のセッション内容をお届けします。
本セッションでは、海外で学ぶ3名の学生に、留学を決めた理由や大学生活、今後の進路についてお話を伺いました。留学を考えている方は、ぜひご自身の留学の参考にしてみてください。
ご登壇者
・松田 花奈さん(ペンシルベニア大学)
・山森 葉月さん(インペリアル・カレッジ・ロンドン)
(本ページ下部にアーカイブ映像へのリンクURLがあります。ぜひご覧ください。)
目次
未知の世界に飛び込む決意
司会:浦田さんから海外に渡った経緯を教えてください。
浦田さん:実家が農家で、私が小学生の頃から技能実習生を受け入れていたので、大学進学で家を出るまでの約15年間、フィリピン出身の技能実習生と一緒に過ごしてきました。彼らとの生活の中で、異文化の中で暮らしてる人々との共生やフィリピンという国自体に興味を持ち、 留学が必須となっている今の大学の学部に進学しました。
司会:フィリピンの大学の中でも、アテネオ・デ・マニラ大学を留学先に選んだ理由はなんですか。
浦田さん:アテネオ・デ・マニラ大学は、フィリピンの中でも、富裕層の学生が多いことが特徴です。私が技能実習生との生活経験から、“貧困格差”について研究したいと考えていたこともあり、この大学で富裕層の若者がフィリピンの社会全体をどう捉えているかを知りたいと思い、選びました。
司会:松田さんはいかがですか。
松田さん:高校1年生の時に、3週間ニュージーランドに語学留学をして、さまざまな国の人と出会いました。語学留学中の授業で、彼らと前提や常識が違いすぎて、ディスカッションする際にすごくストレスを感じたことがあります。ただ、ストレスと同時にそれが楽しくもあり、「こんな環境で今後も勉強できたらいいな」と思って、海外の大学に進学する決意をしました。
司会:「ストレスを感じたけど楽しかった」と思えたのはなぜでしょうか。
松田さん:今までできなかったことをやらなければいけない状況が、突然目の前に現れるとストレスになるんだと思います。私の場合は、それを“自分が試されている”と捉えて楽しむことができているのかなと思います。
司会:山森さんはいかがですか。
山森さん:私はアメリカで生まれて、その後14年間、高校に入るまで南米の国々を転々としていました。“海外/日本”という区別がそもそもなかったので、大学受験を考えた時に海外という選択肢も当たり前のようにあったのかもしれません。
司会:最終的になぜ海外の大学を選んだんですか。
山森さん:もともと化学、特に実験が好きでした。日本の大学と違い、海外の大学では1年生の時から実験ができるところも多く、好きなことを深められる点に魅力を感じました。
一度、日本の大学の模擬授業を受けに行ったこともあったのですが、あまり実験がなかったんです。自分で手を動かしたいと思っていたので、それがきっかけで海外に行く意思が固まりました。
司会:留学先でイギリスを選んだ理由はなんですか。
山森さん:私はイギリスとアメリカの大学に出願していましたが、「1つのことに集中して取り組んでみたい」と思い、イギリスの大学に決めました。アメリカの大学は自由度が高いことが特徴なのですが、私がそのような環境に行ったら、さまざまなことに手を出して収拾がつかなくなるのかなとも思いました。
司会:専門を突き詰めるイギリスと、自由に学びができるアメリカ、という違いがあるのですね。
松田さん:アメリカの大学に実際に通う私から見ても、その区別は納得です。
スランプとソウルフード
司会:松田さんはアメリカに行った当初はどんな心持ちでしたか。
松田さん:最初は「アメリカに来たぞ」とワクワクしていました。学業の面では、 英語があまり通じないことを覚悟していたため、英語で困ることはなく、楽しい日々を送っていました。
ただ、最初は留学生だからとゆっくり話してもらっていたのですが、半年ほど経つとそれがなくなっていって…ホームシックも重なり、周りとの差を感じ始めるようになりました。
司会:どうやって乗り越えたんですか。
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松田さん:お米と炊飯器を買いました。
司会:みんなもすごく笑っているんだけど、詳しく教えてください!
松田さん:食は本当に大事だと思います。朝、お茶漬けを食べるだけで、元気3倍です。炊飯器を買ったのはアメリカに渡ってちょうど6ヶ月ぐらいの時で、今までで1番いい買い物をしたと思っています。
司会:お米はソウルフードですね!今は無事スランプを抜け出せていると思うのですが、どんな1日を過ごしているんですか。
松田さん:アメリカは課題で成績が決まるので、 学期中は毎日約2時間、多い時は約6時間ほど課題に取り組んでいます。私は朝型なので、朝に勉強を終わらせて、大学の授業が終わった後の時間は自由に過ごせるように調整しています。
司会:浦田さんにもキャンパスライフをお聞きしたいです。
浦田さん:大学の授業では、ディスカッションやグループワークが多いので、その準備をしていることが多いです。この大学に所属しているからこそ見られる、論文や資料が図書館にもたくさんあるので、今の環境を最大限活用して、今のうちに論文執筆に活かせるようにしています。
司会:山森さんはいかがですか。
山森さん:ひたすら勉強しています。私の大学では、授業を受けるだけでは足りないと言われるため、授業を受けて、 復習して、さらにその分野に関する論文や文献を自分で探して読んでいます。課題と並行してやらなければいけないので、毎日4時間ぐらいは自主学習をしています。
司会:試験も大変だと思います。
山森さん:大学の試験は、基本的に100点を取らせる気は0だと思っています。すごく褒められたテストも89点でした。大学で言われているのが、「50点で良い成績、60点だったら喜べ、70点は天才」です。日本とは違う基準に慣れることに時間がかかりましたね。
今後のキャリアビジョン
司会:山森さんは今後、どんなことに挑戦したいと考えていますか。
山森さん:まだ自分のやりたいことにどう取り組めばいいのか、手探りな部分もあるので、このまま学びを続けていきたいなと思っています。
司会:理系の研究を続けていくんですね。
山森さん:はい。ただ、研究をしているうちに、広い視野を持つことも大切だなと考えるようになったので、マネジメントを学べるプログラムにも挑戦してみようかなと思っています。
司会:松田さんはいかがですか。
松田さん:アメリカで研究開発職に就きたいと考えています。今は、薬剤で免疫システムをコントロールするための研究をしています。研究そのものはもちろん、実験の計画を組み立てたり、何かトラブルが起きた時には博士課程の学生と一緒に原因を探したり、実験の過程で人と話したりすることが楽しいですね。
司会:研究をしていたら、顕在化した課題を解決するためのコミュニケーションが自分は好きだと気づいたんですね。山森さんの、理系分野のことを追求しながら、文系的なコミュニケーションやマネジメントなど、視野が広がったというお話にも近く、新しくて面白い気づきだと思います。
司会:最後に、浦田さんお願いします。
浦田さん:フィリピンは今、起業に対する社会全体の熱が高く、新しいビジネスを始めるハードルが低いんです。自分もその雰囲気に感化されて、起業をしたいと思うようになりました。まずはスキルを身につけるために、1度就職して、5年ほど働いた後に自分自身で新しいビジネスができたらいいなと思っています。
自分の想いを言語化し、行動してみよう
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