面接で「将来、どのようなキャリアを歩みたいですか?」と聞かれたら何と答えますか?パッと思い浮かばない方はぜひ最後まで本記事をご確認ください。
自信を持ってキャリアビジョンを語れるよう、準備していきましょう。
この記事でわかること
- キャリアビジョンを描くメリット
- キャリアビジョンの書き方
- 職種別キャリアビジョンの回答例文
目次
キャリアビジョンとは

キャリアビジョンとは、「自分が将来どのような役割を担い、何を達成したいか?」という中長期的な目標です。
明確なキャリアビジョンを持つことで、就活の軸がブレにくくなり、業界や企業選びもやりやすくなるでしょう。
面接でキャリアビジョンを聞かれる理由
企業の採用担当者がキャリアビジョンを尋ねる主な理由は下記の2点です。
- 学生の将来性をイメージしたいため
- 入社後に活躍できる人材かを確認したいため
企業は、自社の成長に向けて前向きに業務に取り組む人材を求めています。キャリアビジョンがはっきりしていれば「この人は将来の目標に向けて、長期的に企業に貢献してくれそうだ」と判断されるでしょう。
キャリアビジョンと「やりたい事」「将来像」「キャリアプラン」の違い
「やりたい事」「将来像」「キャリアプラン」はキャリアビジョンとよく似た言葉ですが、視点や内容の解像度に違いがあります。
- やりたい事……自分が将来携わりたい業務
- 将来像……理想とする将来のなりたい姿
- キャリアビジョン……仕事やキャリアにおいて目指す中長期的な目標
- キャリアプラン……キャリアビジョンの実現に向けた具体的な行動やプラン
それぞれ、面接での回答をイメージした具体例は下記の通りです。
やりたい事 | マーケティングの分野でデータ分析能力を生かし、顧客のニーズに合った戦略を立てる仕事がしたいです。 |
将来像 | 将来的にはマーケティングの専門知識を活かし、チームをまとめるリーダーになりたいです。 |
キャリアビジョン | 3年後には分析力を強みに戦略立案ができる人材になり、10年後にはチームを率いるリーダーを目指したいです。 |
キャリアプラン | 1年目はマーケティング理論や市場分析の基礎を徹底的に学び、実務で着実に経験を積みます。 2〜3年目は統計学の資格を取ってデータ活用力を磨き、5年目以降は実際の戦略案件を主導しながらリーダー経験を積みます。 |
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ぶれなくなる!キャリアビジョンを描く3のメリット
ここではキャリアビジョンを描く3つのメリットを紹介します。
1)将来の目標が明確になる
キャリアビジョンを描くことで、「自分は将来どんな仕事をしたいのか」「どんな働き方を実現したいのか」といった目標が明確になるでしょう。
目指す方向が定まっていれば、職種選びや転職時の判断にも迷いにくくなり、自分に合った選択がしやすくなります。
社会に出ると「本当にやりたいことが分からない」「今の仕事は自分に合っているのか」と迷う場面も出てきますが、あらかじめ理想の将来像を描いておくことで、そんな不安や迷いを減らすことができるのです。
2)日々の仕事でモチベーションを保ちやすくなる
キャリアビジョンがあると、今の仕事が未来につながっている」という意識が芽生え、日々の業務に意味を見出しやすくなります。
例えば、「10年後は商品企画に携わりたい」と考える営業職の人であれば、顧客の声や市場ニーズの把握するといった行動を、積極的に取るでしょう。こうした主体的な姿勢は上司からの評価にもつながり、目標の実現に近づきやすくなります。
3)面接やエントリーシート(ES)に説得力が出る
企業がキャリアビジョンを問うのは「この人が当社で活躍できるか」を見極めるためです。明確なビジョンを持つことで「何をしたいのか」が伝わりやすくなり、志望動機に説得力が増します。
また、ビジョンに基づいてスキルを積んできた経験は「言葉と行動が一致している」と高く評価されるでしょう。
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たった3STEP!キャリアビジョンの書き方

キャリアビジョンを描く時は、下記のステップで考えを整理してみましょう。
- 自己分析で自分の価値観や強みを整理する
- 「なりたい自分」を描き、目指す将来像を定める
- 必要なスキルと経験を整理し、行動計画に落とし込む
1.自己分析で価値観や強みを整理する
まずは過去の体験を振り返り、成功(または失敗した理由を掘り下げてみましょう。成功体験の裏には、必ずあなたの強みがあります。
友人や家族に聞いてみるのもオススメです。自分では当たり前と思っていることでも、他人から見ると大きな長所かもしれません。
強みや価値観を整理すると、あなたが力を発揮できる環境が鮮明になっていきます。
2.「なりたい自分」を描き、目指す将来像を定める
次に、自己分析の結果をもとに「将来なりたい自分」をイメージしてみましょう。
例
分析能力が高く数字に強い→マーケティングの分野でデータ分析能力を生かしたい
人と関わることが好き→営業でコミュニケーション能力を生かしたい
「具体的な役割」や「成長したい方向性」を考えることが大切です。漠然と「成功したい」「リーダーになりたい」ではなく自分の強みを生かし、企業でどのように貢献したいのかを深掘りしましょう。
3.必要なスキルと経験を整理し、行動計画に落とし込む
最後に、将来像の実現に向けて必要なスキルや経験をリストアップし、行動計画を立てましょう。
- どのような環境に身を置く必要があるか
- どういった能力を伸ばすべきか
これらを明確にすることで、具体的な行動計画を立てやすくなります。
行動計画に落とす際は「3年後は?」「5年後は?」と中長期の具体的な目標を整理しましょう。
例
短期目標(3年後): 現場経験を積み、基礎的なスキルを習得する
中期目標(5年後): 専門性を高め、プロジェクトをリードできる存在になる
長期目標(10年後): 組織全体に影響を与えられる管理職として活躍する
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職種別に回答例が分かる!面接でのキャリアビジョンの伝え方

面接でキャリアビジョンについて聞かれた時の回答例を、職種別に見ていきましょう。
1.営業職
回答例
営業職としての私のキャリアビジョンは、3年後までにグループ内のトップセールスを目指し、10年後にはチーム全体の成果を底上げできるマネージャーとしてメンバーの成長を支援することです。
私は 塾講師のアルバイトで、相手の立場に立って伝える大切さを学びました。特に、成績が伸び悩む生徒に対し、性格や理解度に応じた指導を行うことで信頼関係を築きました。この経験から「相手のニーズに最適な提案をする」ことに喜びを感じ、自分の強みは傾聴力と柔軟な提案力だと実感しました。
この強みを生かし、自社のサービス価値を最大限に伝え、顧客と企業の信頼を橋渡しできる営業職として長く活躍したいです。
2.事務職
回答例
私のキャリアビジョンは、3年以内に基本的な事務スキルを習得し、10年後には部署全体の業務改善提案や新人教育にも携わり、組織全体の生産性向上に寄与することです。
大学のゼミ活動において、資料作成やスケジュール管理を担当し、チームの円滑な運営を支えてきました。この経験から、裏方として組織を支えることにやりがいを感じ、事務職を志望しています。
入社後は、パソコンスキルの向上や業務フローの見直しを行い、日々の業務をスムーズに進められるよう努めます。また、デジタルマーケティング検定等の資格取得にも挑戦し、専門性を高めていきたいと考えています。
3.IT・エンジニア
回答例
私はエンジニアとして、3年以内に基本的な開発スキルを身につけてプロジェクトの一員として活躍したいと考えています。10年後にはリーダーとしてチームを牽引し、顧客の課題解決や後輩の育成を通じて組織全体の技術力向上に貢献します。
大学時代、プログラミングサークルに所属し、仲間と共にアプリケーション開発に取り組みました。この活動を通じて、問題解決能力やチームでの協働の大切さを学びました。
この学びを生かし、チームで成果を最大化できるエンジニアを目指します。また、自身のスキルアップのために業務外でも新しい技術の習得に励み、自己研鑽を続けていきたいです。
4.企画・マーケティング職
回答例
私のキャリアビジョンは、マーケターとして2年以内に企画立案から実施までの一連の流れを経験し、10年後には新商品の企画やブランド戦略の立案を行うことです。
大学のマーケティングゼミで、地域の特産品を活用したプロモーション企画を立案し、実際にイベントを開催しました。この経験から、消費者のニーズを捉えた企画立案にやりがいを感じ、マーケターを志望しています。
入社後は、データ分析や市場調査の手法も学び、企画の精度を高めます。一人前のマーケターになった後はチームのマネジメントにも携わり、後輩の育成や組織の活性化にも寄与したいと考えています。
5.人事・採用職
回答例
私は、人事職として3年後までに採用活動全体を理解し、面接対応や説明会運営など現場で即戦力として動けるようになります。そして10年後には人事制度や研修設計に携わり、社員一人ひとりのキャリア形成を支える存在になりたいと考えています。
大学時代、学生団体の代表としてメンバー募集や面談を担当しました。その際、応募者一人ひとりの個性や動機を丁寧にくみ取り、活動内容と照らし合わせて配属を決定しました。「人の可能性を見出し、組織とつなげる」ことにやりがいを感じ、私の価値観は「人の成長に寄り添うこと」だとわかりました。
この価値観を大切に、組織の成長と社員の成長を同時に実現できる人事のプロフェッショナルを目指します。
6.クリエイティブ職
回答例
私は、クリエイティブ職として後世に残るブランド設計を行います。まず、3年後までに自社の商品やサービスを魅力的に伝えるデザインや映像の設計力を身につけます。そして10年後には新規ブランドを立ち上げ、チームを牽引する立場になりたいと考えます。
学生時代に映像制作サークルに所属し、企画から編集まで仲間とともに手がけ、何もない状態から一つの世界観を創り出す楽しさを知りました。そして自分の作品が誰かの心を動かした時に大きな達成感を感じ「表現を通して人に何かを届けたい」という気持ちが芽生えました。
見る人の共感を引き出すコンテンツづくりを追求し、人の心に残る価値を社会に届けたいです。
7.コンサルティング職
回答例
私は、3年後までに業界知識や論理的思考力を身につけ、小規模プロジェクトを主体的に担当できるようになりたいです。そして10年後には大規模案件をリードし、経営戦略や組織変革を支援する存在を目指します。
私はインターンシップで現状分析から課題抽出、解決策提案までを行った経験があります。チームで企業の悩みに向き合い、客観的な視点と柔軟な発想で課題を乗り越えるプロセスに強く惹かれコンサルティング職を志望しました。
クライアントとの信頼関係を築き、実行可能な解決策を提供しながら、社会全体をよりよくする変革の一端を担いたいです。
上記はあくまで回答の一例です。
実際の面接では「なぜそう思われるのですか?」など、深掘りされることも予想されます。自分なりになぜそのキャリアビジョンを目指そうと思ったのか、エピソードとともに自分の思いを伝えられるよう備えましょう。
「自分の強みをうまく言語化できない」という場合は、dodaキャンパスの生成AIによる自己分析サポートがオススメです。あなたの経験等から最適な言語化をお助けします。

Q&A|キャリアビジョンに関するよくある質問
最後に、キャリアビジョンを考える上でよくある質問を見ていきましょう。
キャリアビジョンが明確になっていないと選考に落ちますか?
キャリアビジョンが不明確だからといって、必ずしも選考に落ちるわけではありません。
ただし、ビジョンが曖昧だと「本気度が低い」「長期的な成長がイメージしづらい」と思われる可能性はあるでしょう。企業は入社後の継続的な活躍を期待しているため、将来像を具体的に語れる人材を好む傾向があります。
選考のためだけでなく、本当にマッチする企業へ入社するためにも、ビジョンを整理しておくとよいでしょう。
キャリアビジョンと「やりたいこと」「10年後のイメージ」は同じですか?
「やりたいこと」は将来携わりたい具体的な業務を指し「10年後のイメージ」は役割やライフステージを広く含みます。
キャリアビジョンを話す時は、その両方を含みつつ「中長期的に自分がどう成長し」「どんな役割を果たしたいか?」を考えながら伝えましょう。
キャリアビジョンがうまく答えられないときの対処法は?
自己分析を深め、自分の強みや価値観を再確認してみましょう。考えが整理できない時は、インターンシップやOB・OG訪問を通じて、先輩社員のキャリアパスを聞くと、具体的なイメージをつかみやすくなります。
企業の採用ページや社員インタビューを見て「この先輩社員のようになりたい」と思えたら、そのキャリアを参考にするのも良いでしょう。
キャリアビジョンを伝える時のNGワードを教えてください
「会社を踏み台にするような表現」は避けましょう。
例えば「御社でスキルを習得し、早く起業したい」といった内容は、企業への長期的な貢献が見えないため、敬遠される可能性があります。
キャリアビジョンを伝える際は、あくまでも「企業と共に自分も成長したい」というスタンスを示すことが重要です。
キャリアビジョンで大切なのは〇〇を考えること
キャリアビジョンを描くうえで大切なのは「自分が何を成したいか」を深く深く考えること。何を実現したいのかを具体的にイメージできていれば、自己PRや志望動機にも一貫性が生まれ、面接官に「将来性がある」と好印象を与えられるでしょう。
自己分析で明らかになった強みや価値観と企業のビジョンが重なるポイントを探し出し、納得感のある目標を描くことが、内定獲得への近道です。
本記事のまとめ
- キャリアビジョンとは「将来担いたい役割や、達成したい中長期的な目標」
(キャリアビジョン=やりたいこと+将来像) - キャリアビジョンを描くことで、面接やESに説得力が増し、入社後もモチベーションの維持につながる
1.自己分析を深める
2.将来像を描く
3.行動計画を練る - キャリアビジョンは3STEPで作成できる
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