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医学生の視点とベンチャーでの経験を活かし、介護現場の構造的課題に切り込む!

  • インタビュー
  • 2026.05.20
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プロフィール

最優秀賞受賞
企画名:シフトの穴は誰かの出番 CareConnect
慶應義塾大学 医学部 2年
石井 凜 さん

※本記事は「キャリアゲートウェイ2025-アイデアコンペティション」の受賞者インタビュー記事です。
本コンペは、「大学低学年のうちに実践的な経験を経て、さらに学びや経験を深めてほしい」という考えのもと、大学1,2年生を対象に腕試しと成長機会を提供するべく開催されました。

「SDGs課題をアプリで解決」をテーマに、興味のあるSDGs課題を選択し、解決策を提案。多くの素晴らしい企画の中から、最優秀賞(1組)、優秀賞(2組)、企業賞(15組)、審査員特別賞(2組)の計20組が表彰を受けました。

この記事では、受賞企画の内容から、ビジコン参加の理由や参加によって得られた経験まで、受賞者の声をお届けします。

「シフト作成」と「求人募集」をひとつのアプリで

――「キャリアゲートウェイ2025-アイデアコンペティション(ビジコン)」に出場したきっかけを教えてください。

私は、昨年の大学1年次のときもこのコンテストに参加しました。昨年は企業賞を受賞できたものの、グランプリファイナルの舞台に立ってプレゼンをすることは叶わず、本当に悔しくて……。「今年こそはあの舞台に立ち、絶対に最優秀賞をとりたい」という強い決意を持って応募しました。昨年のビジコンが終わってから、「次のビジコンのテーマはどうしようか」と考えながら準備を進めてきました。

――ビジコンで発表したアプリの内容について教えてください。

介護施設の「シフト作成」と「求人募集」をひとつのシステム上で完結させる、BtoB(法人向け)のアプリです。介護現場では人手不足が続くなか、法令で定められた人員配置基準を満たし、利用者の安全を守る必要があります。このために必要な人数を過不足なく配置するシフト管理がとても重要ですが、急な欠員が出た際の調整は今でも現場の大きな負担になっています。

このアプリは、AIが最適なシフトを自動生成するだけでなく、もし欠員(シフトの穴)が出てしまった場合、ボタンひとつでその不足枠をそのまま求人として掲載できるのが最大の特徴です。従来のツールは「管理」か「募集」のどちらか一方に分断されていましたが、このふたつをシームレスに繋ぐことで、現場の最終目的である「シフトの充足」を最短距離で達成することを目指しました。

「実現可能性」への徹底したこだわり

――このアイデアは、どのような経験から生まれたのでしょうか。

きっかけはふたつあります。ひとつは、私自身が医師を目指す医学生であり、医療・介護領域の課題を解決したい、という思いがあったことです。もうひとつは、昨年のビジコンをきっかけに始めた、ベンチャー企業でのインターン経験です。インターン先では、いかに業務フローを最適化するかについて考える機会がありました。また、お金の流れ、つまり「どの業務にどれだけのコストがかかり、企業はどこに投資しているのか」というビジネスの構造を学んだことも大きな武器になりました。

昨年の提案では「広告収益モデル」を考えていましたが、審査員の方から「広告だけではビジネスとして成立させるのは難しい」という現実的な指摘をいただきました。その反省を活かし、今回はBtoBのモデルを採用。「企業がお金を払ってでも解決したい悩みは何か、どんな価値なら費用をかけるのか」を徹底的に追求しました。その結果、企業の採用コストや人件費を削減することで利益を生む、実効性の高いビジネスモデルへとシフトさせました。

――企画を練るうえで、特に力を入れた部分はどこですか?

単なる「あったらいいな」というアイデアに留めず、「これなら実際に現場で動き、ビジネスとして継続できる」という裏付けを持たせることにこだわりました。 例えば、収益モデルにおける「マッチング手数料」の設定です。一般的なビジネスマッチングサービスでは、採用が決まった際に企業が支払う手数料は相場で30%程度と高額です。しかし、私が提案したサービスではこのマッチング手数料を10%という破格の設定にしました。

これが実現できるのは、今回のサービスが「シフト管理システム」を基盤として提供しており、求人掲載の際にかかる営業コストや集客コストを極限まで抑えることができるためです。この「管理と採用の一体化」という構造的な優位性があるからこそ、業界最安の手数料を実現し、競合他社には真似できないスピードで現場に普及させることができると考えました。また、5年後の収益予測なども具体的なグラフで示し、将来の市場規模をリアルにイメージしてもらえるよう工夫しました。

――プロトタイプの作り込みも非常に本格的ですね。

そこも「リアリティ」を証明するための重要な要素でした。昨年は見た目だけを整えるノーコードツールを使いましたが、今年はAIを駆使して裏側のロジックまでコードを書き、デザインツールのFigmaでUI/UXを詳細に設計しました。実際に動くレベルまで構築したことで、審査員の方々にも実現可能性を評価いただけたのではないかと思っています。

「自分にしか出せないオリジナリティ」が、アイデアを深くする

――今回のビジコンで、どのような学びを得ましたか?

大きな学びは、「自分だからこそ考えられるオリジナリティ」の重要性です。今はAIを使えば、誰でもアイデアはつくれます。しかし、そこに「医学生としての専門的な視点」や「インターンで培った実務的なロジック」を掛け合わせることで、案に独自の深みが生まれ、初めて人を動かす提案になると実感しました。

――この経験を、将来どのように活かしたいですか?

将来は医師として働きながら、ビジネスの知見も活かした「医者×ビジネス」のような形で、社会に貢献したいと考えています。今回の企画を通じて介護業界の現場の大変さや法規制について深く調べたことは、将来必ず役に立つ知識だと確信しています。

――最後に、ビジコンに興味を持つ学生にメッセージをお願いします。

このコンテストは、メンターさんや企業の方からのフィードバック、事前のレクチャーなど、サポート体制が非常に充実しています。知識がゼロの状態からでも、安心して参加してみてください。また、今年参加して悔しい思いをした方にもお勧めしたいです。私自身も2度目の参加で、昨年の反省点などを活かして挑戦しました。企画内容はもちろん、プレゼンも昨年のグランプリファイナリストの方の良いところを取り入れて実践したものです。1年目の経験をぜひ来年のビジコンにも活かしてみてほしいです。

※掲載情報は2026年3月時点の内容です。

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