プロフィール
企画名:stock voice(ストックボイス)
東京都立大学 法学部 1年
島 英里佳 さん
※本記事は「キャリアゲートウェイ2025-アイデアコンペティション」の受賞者インタビュー記事です。
本コンペは、「大学低学年のうちに実践的な経験を経て、さらに学びや経験を深めてほしい」という考えのもと、大学1,2年生を対象に腕試しと成長機会を提供するべく開催されました。
「SDGs課題をアプリで解決」をテーマに、興味のあるSDGs課題を選択し、解決策を提案。多くの素晴らしい企画の中から、最優秀賞(1組)、優秀賞(2組)、企業賞(15組)、審査員特別賞(2組)の計20組が表彰を受けました。
この記事では、受賞企画の内容から、ビジコン参加の理由や参加によって得られた経験まで、受賞者の声をお届けします。
身近な祖母の様子から、食品ロス削減アプリを企画
――「キャリアゲートウェイ2025-アイデアコンペティション(ビジコン)」に出場したきっかけを教えてください。
大学1年生の夏休みという長い時間を活かして、何か自分にできることはないかと探していたのがきっかけです。入学当初から大学のキャリア相談の方に「1年生のうちからいろいろな活動に参加するといいよ」とアドバイスをいただいていたこともあり、就活に向けて自分を成長させるために挑戦してみることにしました。
――ビジコンで発表したアプリの内容について教えてください。
高齢者の食品ロスを削減するための、冷蔵庫在庫管理アプリ「Stock Voice(ストックボイス)」です。きっかけは、私の祖母が困っている様子を見たことから。祖母の冷蔵庫がパンパンで、中身を把握しきれず同じものを何度も買ってしまう姿から、不要な廃棄や重複購入という「食品ロス」に直結しているという本質的な課題に気づきました。「無料で、かつ冷蔵庫と連携していなくても始められる」という手軽さを大切にして企画を練り上げました。
高齢の方向けのアプリなので、使いやすいように音声操作やレシートスキャンで簡単に商品を登録できるUI(ユーザーインターフェース)に徹底的にこだわりました。また、既存の管理アプリは若者向けが多く継続が難しいという課題があったため、自身の「消費サイクル」に合わせた通知機能を持たせ、自然と在庫確認が習慣化する設計にしています。
――収益モデルについても具体的に教えてください。
「ユーザー・企業・自治体」の三者がWin-Win-Winになる仕組みを考えました。 ユーザーは、アプリをスーパーなどで提示することで、自治体が発行する指定ゴミ袋を10%OFFで購入できるという実利を得られます。この割引費用は、食品ロス削減によってゴミ処理コストを減らしたい自治体が補助金として負担するモデルです。 さらに、スーパーや商店街といった加盟店からは、アプリ内での特売情報の掲載やクーポン利用に応じた広告収入を得ることで、ビジネスとしての継続性を担保しています。こうした複数の収益源を確保することで、2年目以降の黒字化を目指す具体的な計画を立てました。
「何から始めればいいかわからない」状態でも、アプリ提案までたどり着いた
――企画を立てるうえで苦労したことはありますか?
実は、最初は「何から手をつければいいのか全くわからない」という状態からのスタートでした。しかし、このビジコンはアイデア発想法やビジネスモデルの考え方など、さまざまなレクチャー動画や資料が準備されているので、それらをフル活用して進めることができました。レクチャーで教わった「自分の身近な視点で考えてみる」というアドバイスが今回のアプリのアイデアにもつながっています。また、メンターの方から都度、進捗を細かく確認してもらえたり、パワーポイントの構成や説明の仕方を丁寧に指導してもらえたりしため、ビジコン未経験の私でも途中で投げ出すことなく最後まで走り抜くことができました。
――企画を練るなかで、どのようなブラッシュアップを行いましたか?
プレゼンを見ていただいた企業の方から「アプリを開くきっかけや、それによる行動変容の繋がりが弱い」という鋭い指摘をいただきました。 そこから再度ヒアリングを行い、ユーザーの心情の変化まで深掘りしました。その結果、単に通知を出すだけでなく、その人の夕飯の準備時間などの「消費サイクル」に合わせたリマインド機能を前面に出すことで、アプリを開く習慣を作り、自然と在庫確認ができるような設計に改善しました。
ユーザーの解像度の高さが、企業の心に響く企画を生んだ
――調査の過程で意識したことはありますか?
とにかく「リアルな声」を大切にしました。自分の祖母だけでなく、友人の祖父母にも何度もヒアリングを行い、高齢者が本当に何に困っているのか、その解像度を上げることに注力しました。企業の方からは「大勢に聞くのも大事だが、1人のユーザーに対してここまで深くヒアリングできているのは素晴らしい」と評価していただけました。徹底的にターゲットに寄り添い、ひとつの課題に深く向き合ったことが、企業賞受賞という結果に結びついたのだと感じています。
――グランプリファイナルのステージはいかがでしたか?
グランプリファイナリストに選ばれるとは思っていなかったので驚きましたが、ステージに立ってみると不思議と緊張せず、「自分の考えを伝えたい!」という気持ちが勝りました。審査員の方やほかの参加者の方が真剣に聞いてくださっている様子を見て、ここまでの苦労は無駄じゃなかったと感じました。また、ほかの受賞者の「物語のように聴衆を引き込むプレゼン」には圧倒されました。熱意を持って伝えることの大切さを肌で感じ、自分もそんな発表ができるようになりたいと思いました。
――このプロセスを通じて学んだことは?
学校の課題などは「提出して終わり」ということが多かったのですが、今回は途中経過をメンターさんや企業の方と共有し、指摘を素直に受け止めて何度も練り直すことの大切さを学びました。人から言われたことをしっかり受け止め、より良いものを作り上げようと突き詰めるプロセスは非常に面白く、自分のアイデアが磨かれていく楽しさを学べたことは今後にも活きる学びだったと思います。
アプリ開発は理系だけのものじゃない!文系学生だからこそできる価値創造
――今後の展望について聞かせてください。
これまでは「アプリ企画は理系の人がやるもの」という偏見がどこかにありました。でも、実際にやってみて、文系であっても新しい価値を見出し、伝え方を工夫することで社会に貢献できるのだと気づけました。自分で自分の限界を決めつけず、壁を破り続けていきたいです。
――最後に、ビジコンに興味を持つ学生にメッセージをお願いします。
少しでも「やってみたい」という気持ちがあるなら、その直感を大切にしてください。ためらう気持ちもあるかもしれませんが、一歩踏み出して最後まで突き詰めれば、自分にとって本当に大きな経験になります。迷っているなら、ぜひ挑戦してみてください。
※掲載情報は2026年3月時点の内容です。
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