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トレーニングと幸福学を結びつけたサービスで、高齢者の心身の健康に貢献する

  • インタビュー
  • 2026.04.01
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プロフィール

優秀賞受賞
企画名:CloverFit 高齢者のためのWell-beingトレーニング
慶應義塾 大学経済学部 2年
小川 貴史 さん

※本記事は「キャリアゲートウェイ2025-アイデアコンペティション」の受賞者インタビュー記事です。
本コンペは、「大学低学年のうちに実践的な経験を経て、さらに学びや経験を深めてほしい」という考えのもと、大学1,2年生を対象に腕試しと成長機会を提供するべく開催されました。

「SDGs課題をアプリで解決」をテーマに、興味のあるSDGs課題を選択し、解決策を提案。多くの素晴らしい企画の中から、最優秀賞(1組)、優秀賞(2組)、企業賞(15組)、審査員特別賞(2組)の計20組が表彰を受けました。

この記事では、受賞企画の内容から、ビジコン参加の理由や参加によって得られた経験まで、受賞者の声をお届けします。

構想中のアイデアを深める機会にしたかった

——「キャリアゲートウェイ2025-アイデアコンペティション(ビジコン)」に出場したきっかけを教えてください。

私は高校時代からパーソナルトレーナーとしての経験を積み、大学1年生の夏頃に独立して個人での活動を続けてきました。独立のタイミングで事業のターゲット層を見直した時、従来の目的にとらわれずに幅広い可能性を模索したいと考えるようになりました。

そこで構想していたのが、高齢者のWell-beingに寄与するためにトレーニングをサポートする仕組みです。これは、トレーナーとして高齢者施設を訪れた際に、入居者の方々に喜んでいただけたことが強く印象に残ったことで考え始めたアイデアでした。ただ、自分の中で実現したいという思いはありつつも、なかなか行動に移せずにいました。

どこかでアドバイスをもらえないかと思っていた時に知ったのが今回のビジコンです。自分の考えたアイデアを、メンターの方のサポートを受けながらブラッシュアップすることができる。さらには、企業の方々から具体的なフィードバックをいただけるという点に魅力を感じ、参加したいと考えました。

——ビジコンで発表したアプリの内容について教えてください。

私が考えた「CloverFit」は、筋肉増強やダイエットといった従来のトレーニングの目的とは異なり、高齢者のWell-beingに貢献することを目指したサービスです。アプリ上では、自分で無理なく設定した目標に向けてトレーニングをサポートすると同時に、幸福学の知見を取り入れたワークによってメンタルヘルスの向上を実現。

さらに、コミュニティ機能を通じて孤立を防ぐことにも寄与します。運動・幸福・つながりという3つの視点から、高齢者の心身の健康を育むプラットフォームとして機能することを目指しました。アプリ側から一方的にトレーニングを提供するのではなく、幸福度の診断からスタートし、体験を振り返ることで自分の変化を可視化することができます。

このアプリによって解決したかった社会課題として、トレーニングの浸透率の低さがあります。パーソナルトレーニングは金銭面のハードルが高く、「きつい」という印象もあって継続率が約4%という非常に低い水準に留まっているのが現状です。しかし、「きつい」ことはトレーニングの本質ではありません。自分に合ったトレーニングを続けることによって、心身の健康を育む効果が期待できるんです。トレーニングを「高くてきつくて続かないもの」から「安くて楽しくて続けられるもの」に変えることで、より多くの人々に浸透させたいと考えました。

アイデアの背景にあるのは自分自身の過去の経験

——このアイデアを思いついた背景について詳しく教えてください。

中学生の頃、コロナ禍で部活動や学校生活が急にストップし、友人にも会えない状況が続きました。もともと部活動で活躍したいと思っていたため、せめて身体だけは鍛えておこうと考えたことが筋トレを始めたきっかけです。人に会えないことでメンタルの健康が損なわれることへの対策でもありました。やがて筋トレの成果が現れ、私はコンテストにも出場するようになりました。しかし、大会での結果だけを追い求めるあまり、過度な減量のストレスからくる摂食障害や度重なるケガを経験。幸せのために始めたトレーニングが自分を不幸にしている状況に違和感を抱きました。

自分が何をすれば幸せになれるかを考える中で出会ったのが、「幸福学の第一人者」として知られる前野隆司教授です。前野教授のもとで幸福学について学び、トレーニングを通じて人々の心身の健康に貢献できると実感。高齢者のためのWell-beingトレーニングを始めました。こうした経験を経て思いついたのが「CloverFit」のアイデアでした。トレーニングに幸福学のアプローチを取り入れ、「身体だけでなく心も変わることができる」というコンセプトでプログラムを設計しました。

——今回のビジコンを通して大変だったことは?

特に苦労したのはプレゼンテーションでした。幸福学やWell-beingは一般的に広く認知されているわけではなく、抽象的な概念だと誤解されている側面もあります。そこで、実際は統計学に基づいた学問的根拠のあるものだと説明するところからプレゼンテーションを始める必要がありました。解決したい社会課題や自分のストーリー、高齢者施設での実証結果など、他にも話したいことがたくさんあったので、指定時間内に収めることが非常に難しかったです。

その点、メンターの方からのアドバイスは大きな力になりました。メンターの方は多くの参加者の発表を見てきた経験があり、相対的な比較にもとづいてフィードバックしてくれました。私の場合、自分自身の体験に基づいたアプローチが他の参加者にはない強みだと言っていただけた一方で、話し方や情報の取捨選択が必要だという指摘をいただきました。こうした客観的な視点からのサポートがあったからこそ、発表内容をブラッシュアップすることができたと実感しています。

実装における事業の課題を見直せたことが最大の収穫に

——今回のビジコンに参加してよかったと思うこと、学べたと思うことは?

パーソナルトレーナーとして事業に取り組む中で浮かんだアイデアを、実装まで見据えた具体的な企画に落とし込むことができたことが最大の学びになりました。すでにビジネスを始めている私の場合、今回のビジコンがなくとも「CloverFit」の事業化を進められたかもしれません。しかし、ターゲット層の絞り込みや長期的な運営を見越したビジネスモデルの考案など、細かいところまでは考えられていなかったと思います。プレゼンテーションという形で人に伝える今回の経験のおかげで、自分の企画の強みや弱みを今一度しっかりと見直すことができました。

——今回のビジコンを経て、今後の目標はありますか?

トレーニングと幸福学を結びつけた今回のプログラムをさらに広げられたら嬉しいと思っています。フィットネスビジネスの大きな課題のひとつとして、トレーニングを実践する場所の確保が難しいという点が挙げられます。私の場合はようやく拠点を見つけることができ、お客さまに体験いただける場を提供できるようになりました。今のところはそこにお客さまを呼び込み、多くの人々に体験を提供することでプログラムをより良いものにしていきたいと考えています。その上で、将来的には自分の経験やスキルを目の前にいる人々の幸せに還元できるような人材になることを目指しています。

——最後に、ビジコンに興味を持つ学生にメッセージをお願いします。

人生でお金を得るために不可欠なビジネスですが、その根幹にあるのは「目の前にいる人をどう幸せにするか」という考え方だと思っています。そして、お金を稼ぐことだけを目標にしていると、その本来の目的を見失ってしまう可能性があります。今回のビジコンは、自分のキャリアや人生を振り返り、社会に貢献するための方法を考える機会になるはずです。サポート体制も充実しているので、まだ明確な目標を見つけられていない人にもぜひ参加していただきたいと思います!

※掲載情報は2026年3月時点の内容です。

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