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AI技術を活用した医薬品相談ツールで人々の健康と医療・販売の現場を支える

  • インタビュー
  • 2026.04.01
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プロフィール

審査員特別賞受賞
企画名:AIが支える安心セルフメディケーション -チャット型医薬品相談ツール
名古屋大学 理学部 2年
川嶋 宥翔 さん

※本記事は「キャリアゲートウェイ2025-アイデアコンペティション」の受賞者インタビュー記事です。
本コンペは、「大学低学年のうちに実践的な経験を経て、さらに学びや経験を深めてほしい」という考えのもと、大学1,2年生を対象に腕試しと成長機会を提供するべく開催されました。

「SDGs課題をアプリで解決」をテーマに、興味のあるSDGs課題を選択し、解決策を提案。多くの素晴らしい企画の中から、最優秀賞(1組)、優秀賞(2組)、企業賞(15組)、審査員特別賞(2組)の計20組が表彰を受けました。

この記事では、受賞企画の内容から、ビジコン参加の理由や参加によって得られた経験まで、受賞者の声をお届けします。

開発中のアプリをブラッシュアップするために参加を決意

——「キャリアゲートウェイ2025-アイデアコンペティション(ビジコン)」に出場したきっかけを教えてください。

私はドラッグストアで登録販売者としてアルバイトをしているのですが、その中でお客様が薬選びに悩んでいる様子を何度も目の当たりにしてきました。特に課題を感じていたのは、外国人や高齢者のお客様への対応に時間がかかり、ひとり一人に十分な時間を割けない状況です。この問題を解決するため、昨年5月頃から独学でチャット型医薬品支援ツールの開発に着手。さまざまなコンテストに参加し、ツールをブラッシュアップしてきました。

今回のビジコンについても、自分のアイデアを発表する場として活用しようと考えたことが出場のきっかけです。企業の方からアプリに対して具体的なフィードバックをいただくと同時に、サービスを広く知ってもらう機会にしたかったんです。他のコンテストで「メンタルの症状には対応できますか」と質問されたことを受けて、そのあたりの改善を試してみたいとも考えていました。

——ビジコンで発表したアプリの内容について教えてください。

私が開発しているのは、ユーザーが症状をテキストや音声で入力することによって、適切な医薬品を推奨してもらうことのできるチャット型ツールです。ChatGPTなどの大規模言語モデルを活用した意味解析機能と、300個程度の症状のデータベースを組み合わせ、数学的に安全性を保証したモデルを構築。「のどが痛く、熱があります」といった症状を入力すると、独自のアルゴリズムによって一般用医薬品の候補を提示します。翻訳機能も想定しており、日本語のみならず英語、中国語、韓国語による対応も可能です。

もちろんインターネットで症状を検索すれば、治療に必要な薬の情報を得ることはできます。しかし、それが本当に最善かつ安全な選択肢なのかどうかを判断することができません。また、妊娠中に服用していい薬なのか、スポーツ選手にとってドーピングにあたる薬ではないのかといったように、個人の事情までをカバーすることは非常に難しい。私の考えたサービスではチャットを通じてオーダーメイドの提案ができるようになっており、高い安全性を実現している点が強みだと考えています。

収益面や法律上の問題など、実装を見据えてアプリ開発に取り組んだ

——サービスのビジネスモデルについて教えてください。

サービスの展開に応じて、大きく3段階のビジネスモデルを考えています。第1段階ではドラッグストアの店舗を対象に、接客を補助するツールとして導入することで収益を得ます。第2段階では消費者向けの相談ツールとして展開。大手通販サイトやドラッグストアのECサイトにチャットボットを導入することにより、各社からの利用料収益を確保することができます。第3段階としては、匿名化処理したデータの行政・製薬会社・保険業界への販売による収益を想定しています。ユーザーからは料金を取らない方針で、企業や行政からの収益によって運営することを目指しました。

——今回の企画においてこだわったところは?

医薬品を取り扱うというサービスの特性上、医師法上の診断に該当しないよう細心の注意を払いながら設計を進めました。病気の診断や特定の医薬品の指示は医師など専門家にしかできない業務のため、このアプリでは推奨のみに留めています。薬事法の広告規制にも配慮し、PMDA(医薬品医療機器総合機構)が公表する一般用医薬品のデータのみを使用。特定の医薬品を絶対的に推奨することは避け、平等な扱いを心がけました。また、人命を左右するアプリであることも意識し、重篤な症状の場合は救急車を呼ぶよう誘導する安全機能も実装しています。法的な範囲内での運用を徹底するため、薬事法関係者への確認も行いました。

——今回のビジコンに参加してよかったと思うこと、学べたと思うことは?

さまざまな方との出会いが一番の学びです。予選の段階から幅広いテーマの発表を見ることができ、グランプリファイナルの会場ではさらに洗練されたプレゼンテーションを聞くことができました。自分の実践をビジネスに落とし込んで魅力的な発表をしている参加者もいて、大きな刺激を受ける機会になったと思います。私自身、機能性や利便性はもちろんのこと、楽しみながら活用してもらえることを意識しながらアプリの開発に取り組んできました。これからもアプリの改善を続けていく上で、より魅力が伝わるような工夫を意識していきたいと今回のビジコンを通じて強く感じています。

全力で取り組めばきっといい結果が返ってくる

——この経験をこれからの大学生活でどのように活かしたいですか?

私の場合は企画を考えるだけでなく、実際にアプリの開発を進めています。その過程で身につけたプログラミングの知識や試行錯誤した経験は、将来的に役立つのではないかと考えています。また、ビジネスの視点からアイデアをブラッシュアップできたことも大きかったです。私はIT業界で働くことを目指しているのですが、その際にコストやスケジュールなど、ビジネスならではの難しさに直面することもあると思います。大学生のうちからその視点に触れることができたのは、将来につながる貴重な経験だったと実感しています。

今はアプリをつくること自体が楽しく、今後もさまざまなものを生み出したいと思っています。実際にビジネス化にまで辿りつけるかどうかはわかりませんが、今回のビジコンでの学びを糧にブラッシュアップを重ねることができたらうれしいですね。

——最後に、ビジコンに興味を持つ学生にメッセージをお願いします。

こうしたコンテストに参加できる機会は大学生が最後だと思うので、すべての大学生に参加してほしいというのが本音です。メンターさんのアドバイスによってアイデアをブラッシュアップできますし、そこから新しい発想が生まれることもあります。また、私の場合はもともとアイデアを持っていましたが、参加してから考えることもできます。チームでの参加も可能で、協力することによって自分だけでは得られなかった経験ができるかもしれません。さらに、参加することで広がる縁や、周囲からの刺激もたくさんあります。全力で取り組めばきっといい結果が残せるので、ぜひ頑張ってください!

※掲載情報は2026年3月時点の内容です。

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