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介護に悩む人々と専門家をマッチングし、“介護疲れ”による精神的な負担を軽減する

  • インタビュー
  • 2026.03.25
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プロフィール

KDDI賞受賞
企画名:カイキョウ
日本大学 法学部 2年
篠宮 沙希 さん

※本記事は「キャリアゲートウェイ2025-アイデアコンペティション」の受賞者インタビュー記事です。
本コンペは、「大学低学年のうちに実践的な経験を経て、さらに学びや経験を深めてほしい」という考えのもと、大学1,2年生を対象に腕試しと成長機会を提供するべく開催されました。

「SDGs課題をアプリで解決」をテーマに、興味のあるSDGs課題を選択し、解決策を提案。多くの素晴らしい企画の中から、最優秀賞(1組)、優秀賞(2組)、企業賞(15組)、審査員特別賞(2組)の計20組が表彰を受けました。

この記事では、受賞企画の内容から、ビジコン参加の理由や参加によって得られた経験まで、受賞者の声をお届けします。

昨年のリベンジを果たすため、2度目の参加を決めた

——「キャリアゲートウェイ2025-アイデアコンペティション(ビジコン)」に出場したきっかけを教えてください。

ビジコンへの参加は昨年に引き続き2度目です。私は将来的に公務員になることを目指しており、ビジネスの企画を考えることが政策立案などの勉強になるのではないかと昨年の参加を決めました。しかし、他の参加者の方々の発表を見て、自分のプレゼンテーション能力や資料作成スキルが不足していることを痛感。結果としても受賞を逃し、大きな悔しさが残りました。

参加してみて特に感銘を受けたのは、受賞者の方々の生き生きとした話し方でした。自分も聞き手を引き込むようなプレゼンテーションができるようになりたいと考え、昨年のリベンジのつもりで今回のビジコンに参加することを決めました。

——ビジコンで発表したアプリの内容について教えてください。

私が考えた「カイキョウ」は、介護をしている人と専門家をマッチングするアプリです。主な機能として、ケアマネージャーを含む専門家が介護に役立つブログ記事をアプリ内で公開。その記事を介護中の人々が閲覧し、両者のマッチングが成立すると、介護に関して直面している問題や悩みをチャットで相談できる仕組みを考えました。これによって、介護をしている人の負担を軽減すると同時に、ケアマネージャーが利用者宅へ訪問するための移動時間を削減する効果も期待できます。

このアイデアを思いついたきっかけは、母親が祖父の介護をしている様子を見て、その大変さを実感していたことでした。介護をされている人は支援を受けていますが、介護をしている人をサポートする体制は整っているのだろうか。そうした疑問から調査を進める中で、介護疲れによる悲惨な事件が頻発しているという現実に直面。自分が想像していたよりも遥かに深刻な事態だと理解した時には、驚きを隠せませんでした。同時に、多くの介護者が知識不足や相談相手の不在に悩みを抱えていることを知り、それらの課題をアプリで解決するためのアプローチを探りました。

サービスを継続させるためのビジネスモデルを熟考した

——今回の企画を考えるうえで大変だったことは?

特に難しかったのは、課題について深掘りすることでした。介護疲れによる悲惨な事件を減らすためには、その根本となっている原因にアプローチをする必要があります。問題の背景にある“なぜ”を突き詰めなければ、本当に意義のあるサービスを提供することはできません。

ビジコンの期間中は週1回ほどのペースでメンターの方と面談し、進捗報告や相談を聞いてもらっていました。その際、発表内容の根拠を明確にしたほうがいいというアドバイスをいただきました。そこで、具体的な事件の記事やケアマネージャーの仕事、行政の取り組みといった情報を収集した結果、「知識がないこと」「相談できる相手がいないこと」といった本質的な原因に辿り着くことができました。

また、前回のビジコンに参加した経験から、企画自体のアイデアはもちろんのこと、ビジネスとして成立させるための持続可能性まで深く考えることが重要だと理解していました。そのため、アルバイトマッチングサービスの事例なども参考にしながら、マネタイズを含めたビジネスモデルの構築に注力しました。

「カイキョウ」は、介護者からの相談依頼料の80%が専門家への報酬となり、残りの20%が運営会社の利益になるというビジネスモデルです。良質なブログ記事を作成することが相談依頼の増加につながるため、専門家サイドは有益な情報を公開するモチベーションを保つことができます。一方の介護者サイドは有益な記事が増えるほど利用頻度が高まり、アプリの価値を認識することで相談依頼を出しやすくなります。このサイクルを生み出すことによって、サービスを継続的に運用できるのではないかと考えました。

——今回のビジコンに参加してよかったと思うこと、学べたと思うことは?

これまで実情を知らなかった「介護」というテーマに向き合ったからこそ、普段は見えない社会の課題を知る機会を得られたのは大きかったです。また、大学生活とビジコンを両立させるためのスケジュール管理能力や、調べた情報を整理して伝えるプレゼンテーション能力も鍛えられたと感じています。

前回は自分の力を出しきれずに後悔が残ったので、「今年はやるぞ!」という気持ちで、受賞を目標に今回のビジコンに参加しました。その頑張りを企業の方から評価していただけ、「プレゼンが分かりやすかった」とも言ってもらえたのはとてもうれしかったです。諦めずに挑戦することの大切さを感じられたのも、このビジコンのおかげだったと思います。

ビジネスを深掘りすることが社会の理解につながっていく

——この経験をこれからの大学生活でどのように活かしたいですか?

大学では政策を考えるゼミに所属しており、自治体の魅力や課題点について調べたり、関連書籍を読んだりして、その内容を発表するといった活動などを行っています。特に私は、まちづくりに関する分野を学んでいるため、ビジコンとまちづくりは、当事者の人々の声をアプリや政策に反映するという点で、似ている部分が非常に多いと思いました。取り組みの持続可能性や本質的な原因を深掘りした今回の経験が、地域の課題解決に向けた政策を考えるうえで大きく役立つと考えています。

——最後に、ビジコンに興味を持つ学生にメッセージをお願いします。

2度の参加を通じて実感しているのは、ビジネスと世の中が深く関わっているということです。普段はビジネスを身近に感じられない人も多いと思いますが、深掘りしていけば自分たちが暮らす社会のことが見えてきます。そして、アイデアを考えることが社会や将来を見つめ直す機会になり、自分にとって興味のある分野を発見できる可能性もあります。だからこそ、将来的に自分が何をやりたいのか決まっていないという人にも、このビジコンへの参加をおすすめしたいと思います。

以前は自分に自信がなかった私ですが、このビジコンを経て「自分はできる」と思えるようになりました。また、自分の得意なところや弱点にもあらためて気づかせてくれるきっかけにもなるので、失敗を恐れずにとにかく挑戦してみてほしいと思います。

※掲載情報は2026年3月時点の内容です。

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