プロフィール
企画名:「チャリスマ! 」
同志社大学 政策学部 2年
青木 太志 さん、杉田 迅 さん
吉川 周吾 さん、鷲尾 拓洋 さん
※本記事は「キャリアゲートウェイ2024-アイデアコンペティション」の受賞者インタビュー記事です。
本コンペは、「大学低学年のうちに実践的な経験を経て、さらに学びや経験を深めてほしい」という考えのもと、大学1,2年生を対象に腕試しと成長機会を提供するべく開催されました。
「SDGs課題をアプリで解決」をテーマに、興味のあるSDGs課題を選択し、解決策を提案。多くの素晴らしい企画の中から、最優秀賞(1組)、優秀賞(2組)、企業賞(14組)、審査員特別賞(2組)の計19組が表彰を受けました。
この記事では、受賞企画の内容から、ビジコン参加の理由や参加によって得られた経験まで、受賞者の声をお届けします。
最優秀賞を受賞した先輩の姿に憧れ、参加を決意
――「キャリアゲートウェイ2024-アイデアコンペティション(ビジコン)」に出場したきっかけを教えてください。
吉川さん:僕たち4人は同じゼミの仲間です。昨年のビジコンで最優秀賞を受賞したチームが僕たちのゼミの先輩で、先輩からの紹介で応募しました。もともと先輩たちのプレゼンを見て「僕もこうなりたい」という憧れを持っていたことと、社会に出ても役立つようなスキルが学べそうだと思ったことが参加の決め手になりました。
青木さん:もともと大学生活の中で何かチャレンジをしてみたいと思っていました。ゼミでは、今後もビジネスコンテストに参加する機会があるので、その前に自分たちの力で一度やってみたいという気持ちもありましたね。
杉田さん:僕は、チームでひとつの目標に向かって全力で取り組む経験がしたかった、というのが、参加を決めた理由のひとつです。ゼミでビジネスを学んでいましたが、実際にビジネスプランを企画したことがなかったので、経験を積めるチャンスだとも思っていました。
――ビジコンで発表したアプリの内容について教えてください。
鷲尾さん:僕たちが考えたのは、「チャリスマ!」という自転車の安全運転を促進するアプリです。アイデアのきっかけは、2024年11月1日に施行された道路交通法改正と、僕自身が自転車事故に遭ったことでした。実体験から危機感が増し、自転車事故を減らすことを目標に企画を考えました。
吉川さん:この企画の特徴は、ポジティブ・リインフォースメント(正の強化)という行動経済学の理論を活用した点です。企画を進める中で、自分たちで自転車の交通量が多い場所で実地調査を行ったところ、一時不停止やイヤホンをしたままの運転など、約87%の人が違反行為を行っていることがわかりました。そこから、自転車事故が起こる要因の1つとして「モラルの欠如」があると考え、“正の強化”によって、自転車モラルを向上させ、事故防止につなげるアプリを企画しました。
杉田さん:“正の強化”というのは、適切な行動を取ったユーザーに報酬を与えるものです。ルールを守って走行した人には走行距離に応じて「チャリスマポイント」がもらえ、獲得したポイントは電子マネーに交換が可能です。ポイントに加えて「ほめちぎり機能」も付加しました。運転後の計測結果画面で、ポジティブなフィードバックがもらえることで、安全運転のモチベーションを図るようにしました。
――どのようにビジネス化することを考えていますか?
青木さん:収益化に関しては、最初は広告収入やユーザー課金による収益を想定していました。ただ、それだけでは持続的な運営が難しいと考え、カメラ付きライトの販売を収益源として取り入れました。このライトは自転車のドライブレコーダーとしての役割を持ち、安全運転の証明にもなります。収益モデルの設計にあたっては、先輩たちに教えてもらって、ユーザー数や継続利用率、広告単価などを試算。その結果、2~3年後には黒字化できるビジネスモデルを構築しました。
アイデアを出し合い、みんなで作りあげた
――今回の企画を考えるうえで大変だったことは?
鷲尾さん:ビジネスに結びつくのか?という観点でアプリのアイデアやテーマを探すのに苦労しましたね。
青木さん:テーマを見つけるうえで、ゼミの先生からは「バズワードを探せ」と言われていて……世の中にあるコアな部分や流行など、“バズ”を探すためにみんなで図書館を4~5軒まわったことも、今となってはいい思い出です。
吉川さん:たくさん出したアイデアの中から絞っていく作業も大変でしたね。ただ、苦労を重ねたからこそ、今回のアイデアの根っこである「モラルで解決」が生まれました。飲酒運転など、モラルが向上すれば、事前に防げる事故が必ずある。法改正といった“負の強化”では防ぎづらい事故を、このアプリで解決できれば、企画としての独自性も高まるのではないかと考えました。
杉田さん:個人的にはプレゼン資料の作成にも苦労しました。伝えたいことを簡潔にしつつ、見やすく、かつ視覚的にも飽きさせない工夫を求められました。文章量を減らし、データやグラフを活用して、合理的かつ統一感のあるデザインを目指しました。デザイン力や文章力、情報収集力など、それぞれが持つ得意を活かして知識を補完し合うことで、説得力の高い資料になったと思います。
青木さん:プレゼンの準備においては、単に情報を詰め込むのではなく、いかに分かりやすく伝えられるかに苦心しました。ゼミの先輩から「聞き手を飽きさせない発表を心がけるといい」とアドバイスをもらい、ポーズを取り入れたり、全員で声を合わせたりといった工夫も取り入れました。
チームで取り組んだからこその難しさと達成感
――チームで進めるうえでの困難はありましたか?
杉田さん:特に鷲尾くんと吉川くんは、お互い真剣に考えるあまりに意見がぶつかることがありましたね(笑)スライドの流れや、プレゼンに入れるべき情報は本当にこれでいいのか?などちょっとしたことかもしれないですが、議論が紛糾することもありました。チームとして、それぞれの考えを取り入れながら、最適な形に落とし込めるように意識して取り組んだ経験は、社会に出てからも役立つと思います。
青木さん:意見がぶつかったことは決してマイナスなことではなく、それぞれが自分の言いたいことを言い合える空間がつくれていたからこそだと思います。僕個人としても、どうやったらチームがモチベーションを維持しながらうまく機能するのか、といったことを考える機会にもなりました。この経験は、将来どんな組織に所属しても活かせるものだと思うので、チームのモチベーションを高める方法や、組織の中で円滑に意見をまとめるスキルを磨いていきたいと思います。
鷲尾さん:僕自身もこの経験のおかげで、人と意見を擦り合わせる難しさや重要性を学べたのは大きな収穫でしたね。人の意見を尊重するだけでなく、自分が抱えた違和感をどう伝えればいいのか、苦悩したこともあったので、今後の大学生活で意識して取り組んでいきたいと思います。
吉川さん:メンバーがそれぞれの得意分野を活かしながら、主体的に取り組んだからこそ、より良い企画をつくりあげることができたと思います。今後の大学生活においても、このようなチーム作りを意識しながら、主体性を持って取り組んでいきたいです。
熱意を持ってやり遂げた経験が大きな財産に

――今回ビジコンに参加してよかったことは?
吉川さん:企業の前で発表するという貴重な機会を得られたこと、そしてチームでアイデアを出し合いながら挑戦できたことが一番の収穫でした。最初は手探りで進めていましたが、試行錯誤を繰り返すうちに企画が形になっていくプロセスがとても楽しく、学びの多いものでしたね。
杉田さん:企業の方々をはじめ大勢の前での発表は、これまでに経験したことのない緊張感がありましたが、自分たちが緻密に組み立てた企画をプレゼンできた経験は、今後の人生においても大きな財産になると思います。
―― 最後に、ビジコンに興味を持つ学生にメッセージをお願いします。
吉川さん:アイデアは日常の中にたくさんあります。ニュースを見たり、普段の生活の中で不便に感じることを深掘りしたりすることで、新しい発想が生まれます。ぜひ、身の回りにある社会課題に目を向けて挑戦してほしいです。
杉田さん:このビジコンはただ発表するだけでなく、ビジネスについて学べたり、企業の方々と交流ができたり、大学生にとって、とても貴重な機会です。目標に向かって熱意を持って取り組み、評価してもらえたことは、自分にとって大きな経験になりました。多くの方に、この貴重な機会を活かして大学生活をより良いものにしてもらいたいと思います。
青木さん:ビジネスを考えるのは簡単ではないかもしれませんが、壁にぶつかっても諦めずにやり遂げれば、必ず新しい学びが発見できるはずです。一人で考えるのは限界があるので、メンターやチームメンバー、周りの人を頼りながら、より良いものを作りあげてほしいなと思います。
鷲尾さん:迷っている方は、ぜひチームで参加してみてください。仲間とともに企画を作り上げるプロセスは、きっと学校での学びだけでは経験できないものになりますよ。
※掲載情報が2025年2月時点の内容です。
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