プロフィール
企画名:「あなた専用!防災アプリ」
佛教大学 歴史学部 1年
横田 寧音 さん
※本記事は「キャリアゲートウェイ2024-アイデアコンペティション」の受賞者インタビュー記事です。
本コンペは、「大学低学年のうちに実践的な経験を経て、さらに学びや経験を深めてほしい」という考えのもと、大学1,2年生を対象に腕試しと成長機会を提供するべく開催されました。
「SDGs課題をアプリで解決」をテーマに、興味のあるSDGs課題を選択し、解決策を提案。多くの素晴らしい企画の中から、最優秀賞(1組)、優秀賞(2組)、企業賞(14組)、審査員特別賞(2組)の計19組が表彰を受けました。
この記事では、受賞企画の内容から、ビジコン参加の理由や参加によって得られた経験まで、受賞者の声をお届けします。
防災対策したいと思っているけれど、 正直よくわからない……
――「キャリアゲートウェイ2024-アイデアコンペティション(ビジコン)」に出場したきっかけを教えてください。
2024年8月に参加したdodaキャンパスのイベントである「アイデアが湧き出る発想法」の最後にビジコンの告知を見て、興味を持ったのがきっかけです。自分の力で企画書を作って、プレゼンテーションをして、企業の方から評価してもらえるようなコンテストに出たことはなかったので、挑戦したらきっと成長できると思って出場を決意しました。
――ビジコンで発表したアプリの内容について教えてください。
企画名は「あなた専用!防災ガイド」です。一人ひとりにカスタマイズした防災情報を提供するアプリを考えました。このテーマに着目した理由は、防災対策をしたいと思っているけれど、正直よくわからない……という悩みを自分自身も抱えていたからです。
ちょうどビジコンに参加する前に、家で停電を経験したことがあり、そこで、備えが甘かったことが露呈して、家族の防災意識の低さを痛感したんです。別居している祖母のことも気にかかり、「いざというときにどう動くべきか」を考える必要性を感じました。そこで、この家の防災対策を自ら先導しようと決意して、この企画を思いつきました。

実際に保険会社が公表しているデータを調べると防災対策ができていない理由として、「面倒で後回しになってしまっている」、「具体的にどのような対策をすればよいのかわからない」、などまさに我が家の状況と同じだと実感しました。
他にもさまざまな防災に関する調査データを集め、自分なりに分析した結果、「たくさんの情報の中から、自分だけに適したものを選び取ることができるアプリ」があればいいのではという結論に至り、具体的な機能に落とし込んでいきました。

――具体的にはどのような機能を考えましたか?
まず、ユーザーは自分のデータをアプリから入力します。その登録データをもとに、防災情報や防災製品をカスタマイズしていきます。例えば、持病などを登録しておくことで、その患者さん特有の困りごとに応える情報が得られます。
ステップは、「知る」→「備える」→「実践する」。まず、防災情報を得て、不足または購入を検討している防災製品を一覧化します。そして、実際に購入した製品はアプリ内でリスト化され、消費期限が来るとプッシュ通知が来るように設計しました。また、アプリ内での購入製品を、チャレンジ機能で活用したとき、特典も付与されます。

特に工夫したのはこのチャレンジ機能で、防災グッズは、購入して満足してしまいがちです。しかし、一度使って事前確認をしておかないといざというときに役立ちません。そこで、実際に使用して、使い方を理解するとそれがアプリに記録されるようにしました。さらに、シミュレーション機能も搭載することで、推奨される備えと実際の備蓄品リストのギャップを表示して、不足しているものを通知できるようにしました。
詰め込んだ企画書の内容を 「引き算」でスッキリ見やすくした
――今回の企画を考えるうえで大変だったことは?
正直、何から何まで大変でした。特にアイデアの集約と取捨選択ですね。やりたいことを詰め込むとすごい情報量になってしまうので、企画書の内容を引き算するのが特に大変でしたね。それでも情報を削ったことで、プレゼンの時に聞きやすく、要点も伝わる原稿になったとともに、資料の「視認性」も上げられました。おかげで、スッキリとしたデザインも審査で評価していただくことができました。
また、予選の段階で企業の方からフィードバックをもらって、さまざまな点を改善しました。アプリにプッシュ通知機能を加えたのも、「備蓄品はすぐに忘れてしまうので、消費期限を登録して、必ず通知が来るようにしたほうがいい」という意見がきっかけになりました。

――今回ビジコンに参加して、学んだこと、得たことは?
アプリのアイデアを考えるだけでなく、ビジネスモデルの構築に挑戦したことから多くの学びを得ました。広告収入のほか、防災グッズが売れた際の成果報酬を想定して、利益を出す設計をするなど初めてのことばかりでした。ただこのビジネスモデルを考える経験を通して、消費者でなく事業者として、ビジネスを考える視点が身についたと思います。社会にはどういうニーズがあって、そこにはどんな課題があり、何を解決すれば、ビジネスとして成立するのか——。将来、就職して仕事をするときにも必ず役立つ思考を得られたと思います。
企画を実現につなげるプロセスを経験したことが自信に

――この経験をこれからの大学生活にどのように活かしたいですか?
今回のビジコンで体験した企画を実現につなげるプロセスは、大学生活のいろいろなところで活用できると思っています。今までの私は、挑戦したいことがあっても怖じ気づいて、動けずにいました。しかしこの経験で自信をつけられたからこそ、これからは、やりたいことに対して、どんな風に周りを巻き込めば実現までたどり着けるかを具体的に考えて行動することができます。これは、大学生活だけじゃなく、将来の仕事にもつながると思っています。
――次年度の参加者に向けてメッセージをお願いします!
私自身、社会課題と向き合ったり、ビジネスモデルを考えたりするのはまったくの初心者でした。それでも、企業の方やメンターさんからアドバイスとサポートをもらえる環境があったので、ここまでやりきることができました。そして、学びや気づきもたくさん得ました。何かに挑戦するきっかけとして、このビジコンに出場するという選択肢は大いにありだと思います。初心者の方こそ挑戦してみてほしいですね。
※掲載情報は2025年2月時点の内容です。
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