プロフィール
企画名:健康で学びと社会を作る「SINSIN学」
立教大学 観光学部 2年
楠本 円香 さん
※本記事は「キャリアゲートウェイ2024-アイデアコンペティション」の受賞者インタビュー記事です。
本コンペは、「大学低学年のうちに実践的な経験を経て、さらに学びや経験を深めてほしい」という考えのもと、大学1,2年生を対象に腕試しと成長機会を提供するべく開催されました。
「SDGs課題をアプリで解決」をテーマに、興味のあるSDGs課題を選択し、解決策を提案。多くの素晴らしい企画の中から、最優秀賞(1組)、優秀賞(2組)、企業賞(14組)、審査員特別賞(2組)の計19組が表彰を受けました。
この記事では、受賞企画の内容から、ビジコン参加の理由や参加によって得られた経験まで、受賞者の声をお届けします。
コロナ禍の3年間。できなかったことを大学時代に思いきりやりたい!
――「キャリアゲートウェイ2024-アイデアコンペティション(ビジコン)」に出場したきっかけを教えてください。
昨年は友人と一緒にこのビジコンに参加していて、大会が終わった時点で「次回も必ず出よう」と考えていました。昨年は初めての挑戦で、手探りの部分が多かったのですが、それでもやり切った達成感がありました。今回は、昨年の経験を活かしてさらにレベルアップした企画を考えたいと思い、1人で挑戦することを決めました。
こうしたビジコンに参加しようと思った背景には、コロナ禍で思うように活動できなかった高校時代の経験があります。もともと企画を立てるのが好きで、中学時代からイベント企画に参加していた私は、高校でさらにこの分野を頑張ろうと思っていました。ところがコロナ禍で、すっかり状況が変わってしまい……。大学の時間は、中学時代に好きだったことを思い切りやりたいと考えて参加したのがこのビジコンでした。
体調管理も含めて学習のパフォーマンスを上げることが大切
――ビジコンで発表したアプリの内容について教えてください。
今回企画したのは、学習と生活のバランスをサポートするアプリ「SINSIN学」です。「心身・学」と「新・進学」をかけたネーミングになっています。特徴は、受験生向けに、勉強時間の管理だけでなく、睡眠や食事、体調管理といった生活面も記録できるような機能を持たせたことです。

この企画を思いついたきっかけは、3つ下の妹の学習スタイルが自分とあまりに違っていたこと。私自身は、ほぼ休みなく吹奏楽部の活動をしながらも、寝るときは寝て、「体調管理も含めて学習のパフォーマンスを上げることが大切」だと考えて、勉強の計画を立てるタイプでした。
ところが妹は、常に勉強中心で、テスト前は朝から晩まで休みなく勉強している状態で……。これではいつか限界がきますよね。体調がイマイチでは、勉強もはかどりません。そこで、体調管理が苦手な人や管理方法がわからないという人に向けて、「学習」と「生活」を一括管理できるアプリを考案しました。
――ユーザーはどのようにアプリを利用するのですか?
ユーザーには、会員登録後、「学習管理」ページと「生活管理」ページに自分の生活スタイルを入力してもらいます。入力は毎日ストレスなくできるようにしつつ、もっと細かく記録したい人向けに拡張機能も付けています。また、継続的に使ってもらうために、ボタンやアイコンデザインのカスタマイズ機能なども取り入れました。
便利なだけじゃない、ビジネスとして成立するか
――今回の企画を考えるうえで大変だったことは?
大変だったのは、企画の実現可能性を高めることでした。ただ、「便利なアプリをつくる」だけではなく、「ビジネスとして成立するか」を考える必要があります。収益モデルとして、広告収入を設定するのは簡単ですが、実際には企業が出稿するメリットを明確にしなければ、お金を出してもらうことはできません。広告収益を軸にしながらも、学習支援サービスとして通話機能の有料化など、ユーザーから課金するモデルも考えました。

そうなるとユーザーを飽きさせない工夫も必要です。そこで、学習成果のランキング機能を入れたり、アプリのログインボーナスを追加したり……既存のスマホアプリのアイデアを参考に工夫を重ねました。
ビジネスモデル以外にも、ユーザーアンケート調査も最初はなかなか集まらず苦労しました。私は現在、観光学部に所属しているのですが、まちづくりのプロジェクトで知り合った高校生などに積極的に声をかけて、最終的には高校生、大学生、社会人の計100名の回答を得ることができました。実際のユーザーの意見を聞くことで、企画の説得力を増すことができたと思います。
――今回のビジコンに参加してよかったと思うこと、学べたと思うことは?
プレゼンの準備も含めて、「自分の考えをどう伝えるか」を改めて考える機会になりました。実は、前回の「優秀賞」の方のプレゼン資料がすごく印象に残っていて……。それは、文字を少なくし、訴求ポイントをシンプルに伝えるデザインになっていました。今回は、私も情報をいかに少なくするかを考え、「伝わりやすいデザイン」、「シンプルなスライド」を徹底的に意識。審査員の方から「わかりやすかった」と言っていただけて、自分の成長を実感することができました。

また、今回のビジコンを通じて、「自分は企画を考え、形にすることが好き」ということを再確認できました。将来の仕事としても、企画の仕事に就きたいという気持ちが明確になりましたね。
自分の強みや興味に気づくきっかけにしてほしい

――この経験をこれからの大学生活でどのように活かしたいですか?
今後も企画立案やプレゼンのスキルを磨いていきたいです。昨年、このビジコンに出場したおかげでインターンシップに挑戦する勇気が持てました。2年次の夏には、ITサービスの企画を練る5日間のインターンシップに参加し、多くの学びを得ました。それは、今回の出場にもつながるステップになっています。大学3年次の夏以降も積極的にインターンシップなどに参加して、実践的な経験を積んでいきたいと思っています。
――最後に、ビジコンに興味を持つ学生にメッセージをお願いします。
「ちょっと気になるけど、自分には難しそう」と思っている人こそ、ぜひ挑戦してほしいです!私は最初、友達と一緒に参加したことで一歩を踏み出せました。でも、いざ参加してみると、運営の方のサポートも充実していて、ひとりでも十分やっていける環境が整っていると実感しました。何より、ビジコンに参加することで、普段の大学生活では出会えない人たちと交流できます。社会人の方の話を直接聞ける機会もありますし、自分と同じように挑戦している学生の存在も大きな刺激になります。
結果よりも、まずは「やってみること」が大事です。ビジコンに出場することで、今まで気づかなかった自分の強みや興味に出会えるかもしれません。ダメならダメで失うものはありません。迷っているなら、ぜひ一歩踏み出してみてください!
※掲載情報は2025年2月時点の内容です。
無料
- ▼ 自己分析に役立つ適性検査(GPS)
- ▼ 自己PR添削