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QRコードで目的地まで誘導。駅ナカ専用道案内アプリを開発!

  • インタビュー
  • 2025.05.21
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プロフィール

最優秀賞受賞
企画名:「駅ナカ専用道案内アプリ COCODOCO」
大妻女子大学 社会情報学部 2年
高橋 美緒 さん

※本記事は「キャリアゲートウェイ2024-アイデアコンペティション」の受賞者インタビュー記事です。
本コンペは、「大学低学年のうちに実践的な経験を経て、さらに学びや経験を深めてほしい」という考えのもと、大学1,2年生を対象に腕試しと成長機会を提供するべく開催されました。

「SDGs課題をアプリで解決」をテーマに、興味のあるSDGs課題を選択し、解決策を提案。多くの素晴らしい企画の中から、最優秀賞(1組)、優秀賞(2組)、企業賞(14組)、審査員特別賞(2組)の計19組が表彰を受けました。

この記事では、受賞企画の内容から、ビジコン参加の理由や参加によって得られた経験まで、受賞者の声をお届けします。

駅構内で何度も迷った経験がある自分のためにアプリを企画

――「キャリアゲートウェイ2024-アイデアコンペティション(ビジコン)」に出場したきっかけを教えてください。

漠然と「就活のこと、何もできていない」という焦りのようなものを感じていたときに、友だちにすすめられたことがきっかけです。大学の課題で、QRコードを使って道案内をするという今回の企画の「種」にあたるアイデアをすでに考えていたので、「せっかくだしやってみようかな」と思って、参加を決めました。

――ビジコンで発表したアプリの内容について教えてください。

駅構内に特化した道案内アプリ「COCODOCO」を企画しました。このアプリを考えた理由は、自分が何度も駅構内で迷った経験があったから。特に、新宿や渋谷のようなターミナル駅では、まともに出口にたどり着くことができず、こんなアプリがあれば、「自分が助かる」と思ったことが原点です。

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現在、日本は世界トップクラスの鉄道大国といわれるほど鉄道が発達しています。しかし、路線の増加に伴う駅構内の商業施設の増加、出口の増加などにより、使いやすい駅としての改善が追いついていません。それでも大型インフラである駅を改良するのは、時間面、コスト面でスピーディには進まないのが実情です。
さらに、駅構内を案内する上で大きなハードルになるのが、GPS(位置情報システム)が効かないこと。これにより、スマホアプリの定番であるGoogle Mapsが使えなくなるため、「駅の迷宮化」が助長されています。「COCODOCO」はこのような課題を解決できるアプリにしたいと考えました。

はじめは迷いやすい自分のための企画でしたが、ユーザー調査を行ったところ、約97%の人が、私と同じように駅構内で迷った経験があることがわかりました。そして、迷いやすい理由にも「出口が多すぎる」「GPSが使えない」という回答があり、このアプリはきっと自分だけでなく、多くの人の役に立つものになるという手応えを感じました。

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とにかく「わかりやすい」を大切にしたアプリ

――アプリの機能について、具体的に教えてください。

機能は本当にシンプルです。まず駅構内で見つけたQRコードを読み込むことで、現在地を特定します。そして、アプリ上で目的地を入力するとその位置へ向かう動線上にある次のQRコードの位置が表示されます。「右手にコンビニを見ながら、200メートル進む」という具合です。ユーザーは、QRコードを次々に読み込むことで、目的の出口に向かうことができます。

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そもそも目的地にたどり着くことが難しいので、機能はとにかくわかりやすくすることにこだわりました。子どもから年配の方、さらに外国の方まで、誰にとっても使いやすいものにするため、文字を極力少なくし、直観的に扱えるデザインを心がけました。もちろん、多言語化にも対応する予定です。

――今回の企画を考えるうえで大変だったことは?

アプリを企画するうえで大変だったのは、ビジネスモデルを考えたことです。大学の授業でアイデアの種は考えていたもののビジネス化という発想はなく、どうやって利益を出すのか見当もつきませんでした。そこでまず、この課題に誰がかかわっているかを洗い出しました。

「駅」には、一般の利用者はもちろん、駅員、駅構内の商業施設のスタッフなどいろいろな人が関係しています。そこで、企業から広告費をもらうモデル、駅構内の商業施設のクーポンを発行して利用に見合った利益を還元してもらうモデルなどを考えました。また、このアプリによって道案内の負荷が軽減すれば、駅員の人件費を抑えられます。そうすれば、駅から費用を出してもらえる可能性も考えられますよね。

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商業施設のダウンロードクーポンは、「広告だけでビジネスが成立しなければどうする」というフィードバックを受けて考えついたものです。また、多言語化への対応、駅の改装に対応してアップデートする方法など、さまざまな課題を指摘してもらい、企画をブラッシュアップすることができました。

取り組んだ成果が評価されたことが自信に

――今回のビジコンに参加してよかったと思うこと、学べたと思うことは?

アイデアを考えるだけなら大学の授業でもやっていましたが、ビジネスモデルや技術的な実現可能性をここまで考えた経験はなく、すごく勉強になりました。企業の方から、「Google Mapsがカバーできない課題を解決できる」「GPSの代替としてのQRコードという着眼点がよかった」といった言葉をいただけて、頑張った成果に対してしっかり評価してもらえたことがうれしかったですね。今回の企画はほかの参加者のものに比べて、課題のスケールが小さいのではないか?という不安があったのですが、素晴らしい企画の中で1番になれたことは素直にうれしいです。

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また、人前での発表には苦手意識を持っていたのですが、「せっかくなら面白い発表をしたい!」と考えて、資料や台本を準備しました。最終プレゼンのグランプリファイナル会場の場所が、「駅の迷宮化」の代表のひとつである渋谷駅だったので、「このプレゼンを聞いた帰り道に絶対にこのアプリが欲しくなります!」というフレーズを考えていました。会場の皆さんに自分ごととして考えてもらえたことも、高評価をいただけたポイントだったのかもしれません。

苦手に挑戦したことで価値観が変わった

――この経験をこれからの大学生活でどのように活かしたいですか?

今回のビジコンを通じて、「こんなアプリがあったらいいな」という小さなアイデアも、しっかり形にすれば評価を得られることを実感できたので、アイデアを形にすることは今後もやっていきたいですね。また、今回の経験から、もともと苦手に思っていた、多くの人の前で発表することも、「意外と楽しいかも!」と思えるようになりました。この変化は自分でも驚くほどです。今後も、気になることがあれば、得手、不得手にかかわらず「とりあえずやってみる」という精神で、挑戦していきたいと思います。

――最後に、ビジコンに興味を持つ学生にメッセージをお願いします。

今回、最優秀賞をいただくことができましたが、もともとはこんな大きな目標は立てていませんでした。「とりあえずやってみよう」と軽い気持ちで踏み出したところから、進めていくうちにどんどんブラッシュアップされて、大事にしたい企画として愛着がわいていきました。終わってみても「楽しかった」というのが正直な感想です。
自分の発表に対して、企業の方からここまで本気のフィードバックをもらえる機会はなかなかないと思います。それを受けるだけでも参加する価値があります。ぜひ興味がある方は、楽しむつもりで参加してみてください。

※掲載情報は2025年2月時点の内容です。

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