プロフィール
企画名:自分にとっても、相手にとってもプラスに「わりびきしすてむ」
私立大学 文系学部 1年
嶺岸 ほのかさん
※本記事は「キャリアゲートウェイ2024-アイデアコンペティション」の受賞者インタビュー記事です。
本コンペは、「大学低学年のうちに実践的な経験を経て、さらに学びや経験を深めてほしい」という考えのもと、大学1,2年生を対象に腕試しと成長機会を提供するべく開催されました。
「SDGs課題をアプリで解決」をテーマに、興味のあるSDGs課題を選択し、解決策を提案。多くの素晴らしい企画の中から、最優秀賞(1組)、優秀賞(2組)、企業賞(14組)、審査員特別賞(2組)の計19組が表彰を受けました。
この記事では、受賞企画の内容から、ビジコン参加の理由や参加によって得られた経験まで、受賞者の声をお届けします。
大学生活をより豊かに!視野を広げる第一歩として参加を決意
――「キャリアゲートウェイ2024-アイデアコンペティション(ビジコン)」に出場したきっかけを教えてください。
私は大学生活を、「挑戦の期間」にしたいと思っていました。大学受験のタイミングで「自分って何がしたいんだろう?」と思い悩んだこともあり、せっかく大学に入ったのだから積極的にいろいろなことを経験してみたいという気持ちを持っていました。
その中でこのビジネスコンテスト開催を知り、はじめはハードルを感じたものの、アイデアを考えたり、何かを企画したりすることには興味があったので、自分の視野を広げる第一歩として参加を決めました。
――ビジコンで発表したアプリの内容について教えてください。
私が考案したアプリは、食品や衣類の廃棄を削減しながら、消費者が負担なく社会貢献できる仕組みを提供する「わりびきしすてむ」です。特に食品の割引商品は、通常消費期限が近いものが多く、売れ残ると廃棄されてしまいます。そのため、「割引商品の購入を促すことで、廃棄を減らしながら、同時に寄付もできる仕組みを作れないか」と発想を膨らませていきました。
まず、ユーザーはスーパーや衣料品店などで割引対象となっている食品や衣類を購入します。次に、購入したレシートをアプリでスキャンすると、割引分の5%相当額が協賛企業の負担によって支援団体へ寄付される仕組みです。寄付のプロセスが可視化されることで、ユーザーは自身の行動がどのように社会に貢献しているのかを実感しやすくなります。
この仕組みによって、まだ使えるのに捨てられてしまう食品や衣類の無駄を削減しながら、消費者と企業が協力して社会貢献を行う新しい形が生まれます。試算によると、このアプリを通じて年間1634万円の寄付が見込まれており、企業にとってはCSR(企業の社会的責任)活動としてのメリットを想定しています。
――このアプリの特徴やこだわったポイントは?
このアプリの特徴は、寄付への心理的ハードルを下げ、日常の買い物を通じて手軽に支援活動へ参加できることです。このアイデアを思いついた背景には、授業で学んだ世界の貧困問題があります。そこで、「寄付の仕組みをもっと身近にし、気軽に社会貢献ができる方法はないか」と考えるように。
アンケート調査を行うなかで、「寄付には興味があっても、実際に行動するのはハードルが高い」と感じる人が多いことが分かりました。そこで、普段の買い物の中で無理なく寄付できる方法をつくれれば、多くの人が社会貢献に参加しやすくなるのではないかと考え、企画を進めました。
「本当に大事なものは何か?」取捨選択の難しさ
――今回の企画を考えるうえで苦労したことは?
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特に苦労したのは、思いついたアイデアやいただいたフィードバックを企画に落とし込んでいくことでした。途中で「この情報もあの情報も入れたい」という気持ちになったのですが、全部を盛り込んでしまうと一番大切なことが届かないことに気づきました。そこからは「本当に大事なものは何か?」を考え、情報を取捨選択するように。
この企画で大切にしていたことは、「寄付のハードルを下げたくさんの方に行動してもらうこと」です。本来の目的に立ち返って情報や機能を絞り、消費者にとって、とにかくわかりやすいアプリにすることを大切にしました。

――ビジコンに参加して、学んだこと、得たことは?
企業の方やメンターとの交流からたくさんの学びを得られました。企画を考える過程で、マネタイズにおける市場推計や資金調達の難しさに直面しました。最初は「このくらいでいいかな」と曖昧に計算していた部分を、メンターさんのアドバイスを受けて深掘りし、根拠を持って説明できるようになりました。
また、企業の方からは「運営費の確保方法」についてフィードバックをいただきました。収益モデルとしては広告収入を考えていたのですが、それだけでは他のビジネスと差別化ができないと気づかされました。そこで、マネタイズの仕組みを考え直し、CSR(企業の社会的責任)活動の一環として企業が参加しやすい仕組みを作ることに注力。結果的にアプリの持続性を高められたとともに、ビジネスの視点も学ぶことができたと思います。
ビジネスの成功は利益追求だけじゃない。社会課題をより深く学びたい

――この経験をこれからの大学生活でどのように活かしたいですか?
今回のビジネスコンテストを通じて、最後までやり遂げる力が身についたと感じています。初めての挑戦で難しいことが多かったですが、一方向ではなく多角的な視点で突き詰めて考えるという経験が自信につながりました。「挑戦することで何かにつながる。失敗しても成功しても挑戦した証だ」と、“挑戦”に対しても前向きに考えられるように。今後もこの姿勢は継続していきたいですね。
また、今回の企画を進める中で、発展途上国や難民支援に対しての興味も強くなりました。今後も寄付以外の支援の方法を考えたり、自分でボランティアとして活動したりするなど学びを深めていきたいと考えています。
――最後に、ビジコンに興味を持つ学生にメッセージをお願いします。
私自身、ちょっとでも自分にとってプラスになればいいなというほんの些細な気持ちで参加を決めましたが、つい夢中になって取り組んでいるうちに賞をもらうことまでできました。最初はみんなできないし、私自身も話すことに苦手意識がありました。それでも、挑戦した自分を今は誇らしく思えています。
このビジコンは、最初は数枚の企画書の提出から始まり、そこから少しずつプレゼン資料を作り、発表の準備を進めていくので、一気に難しいことをやるわけではありません。段階を踏んで進めていけば、きっと誰でもやり遂げられるはずです。誰だって、できるかできないかはやってみないとわかりません。参加を迷う方には、「わからないからこそ、まずはやってみよう!」と伝えたいです。
※掲載情報は2025年2月時点の内容です。
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