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カプセルトイの容器を再利用。楽しみながら環境問題を解決!

  • インタビュー
  • 2024.05.22
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プロフィール

AGC賞受賞
企画名:「ガチャポイ」
明石工業高等専門学校 建築学部 1年
松本 太樹 さん

※本記事は「[キャリアゲートウェイ powered by dodaキャンパス]ービジネスコンテスト2023」の受賞者インタビュー記事です。

本ビジネスコンテストは、「大学低学年のうちに実践的な経験を経て、さらに学びや経験を深めてほしい」という考えのもと、大学1,2年生を対象に腕試しと成長機会を提供するべく開催されました。

「SDGs課題をアプリで解決」をテーマに、興味のあるSDGs課題を選択し、解決策を提案。多くの素晴らしい企画の中から、最優秀賞(1組)、優秀賞(2組)、企業賞(16組)、審査員特別賞(1組)の計20組が表彰を受けました。
この記事では、受賞企画の内容から、ビジコン参加の理由や参加によって得られた経験まで、受賞者の声をお届けします。

目次

    カプセルが子どもでも持ち運び可能なごみ箱に

    ――「キャリアゲートウェイ ビジネスコンテスト2023(ビジコン)」に参加したきっかけを教えてください。

    僕は工業高等専門学校で「建築空間とビジネス性」について研究しています。そのなかで、ビジネスアイデアを考えることに面白さを感じていました。SNSで今回のビジコンの存在を知り、自分のアイデアを発信・提案してみたいと強く感じたことが参加のきっかけです。

    ――ビジコンで発表したアイデアの内容について教えてください。

    僕が考案したのは「ガチャポイ」という企画です。簡単に言えば、携帯用のごみ箱を普及させる仕組みを考えました。

    年齢を問わず大人気のカプセルトイですが、中の商品を取り出した後、外側のカプセルは廃棄されてしまいます。このカプセルを再利用すれば、誰もが手軽に持ち運べるごみ箱になるのではないかと考えました。カプセルの“中身”ではなく、“外側”に価値を見いだしたところもポイントです。

    まず、カプセルトイのマシンを設置している店舗に依頼し、近隣の小学校などに使用済みのカプセルを届けてもらいます。子どもをはじめとするユーザーはカプセルの中に消しカスや紙ゴミ、お菓子の袋などを収集します。この仕組みを支えるのがアプリ「ガチャポイ」です。カプセルを読み込ませることによって、ガチャショップと学校、行政のそれぞれが、必要な情報を共有できる仕組みをつくりました。これを実現することで、小学生の環境教育を行い、ポイ捨てを減らすことにつなげていきたいと考えています。

    子どもから大人まで楽しめるよう創意工夫を凝らした

    ――アイデアを考えるうえで着目した課題は?

    思い出の残る観光地を再訪した際、一帯がポイ捨てされたごみであふれていて、自分の楽しかった記憶まで汚されたような感覚に陥った経験があります。未来の子どもたちに同じ思いをしてほしくないと考えたことがこのアイデアの原点です。

    ポイ捨てが減らないことの要因を考えたときに、小学生時代に、消しカスや紙ゴミを床に捨てていた人が多かったことを思い出しました。こうした習慣がポイ捨てを生み出すのではないかと考え、テーマと方向性が定まっていきました。その後、アイデアがなかなか思いつかなかったのですが、偶然カプセルトイのマシンを見て雷が落ちたようにひらめいたんです(笑)。

    ――企画を考えるうえでこだわったところやアイデアの独自性はありますか。

    何より大切にしていたのは、楽しみながら継続してもらえる仕組みづくりでした。

    子どもたちにとって身近なカプセルを活用する利点として、自由にデコレーションできることが挙げられます。手芸用品などで装飾してオリジナルのごみ箱を制作することで、環境問題に貢献しながら創造性を育んでもらうことができるはずだと考えました。また、デコレーションには子どもたちの流行が色濃く反映されるので、そのデータをカプセルトイの仕入れや商品開発に役立てることでガチャショップにも利点を持たせました。

    さらに、ガチャポイのサイクルを円滑に行うための移動車として「ガチャモービル」を発案しました。

    さまざまな場所でゴミ入りカプセルを回収することによって、ごみ処理施設は手軽にごみを集めることができます。行政はごみ収集のコストを削減できるので、その分の費用をガチャショップに一部還元することも想定しています。また、「ガチャモービル」はカプセルを運ぶだけでなく、流行のカプセルトイで実際に遊べる仕様に。こうしたアイデアを積み重ねたことで、子どもから大人まで楽しんでもらえる企画を作り上げました。

    強みも課題も発見できた企業からのフィードバック

    ――今回の企画を考えるうえで大変だったことは?

    僕は今回の発表において、自分のアイデアをストーリーで伝えることを意識していました。次はどんなスライドがくるのだろうと、自分の世界観に入ってもらって、本を読んでいるような感覚で見られるプレゼンテーションにしたいと考えたんです。建築学部で学ぶ自分はコンペティションの機会も多いので、その点には強みを感じていました。実際に発表でも、オリジナリティについて企業の方からお褒めの言葉をもらうこともできました。

    同時に、論理性についてもアドバイスをいただいて、理論とストーリーに飛躍があったことを痛感しました。ストーリーを大事にしつつも、ビジネスとしての実現可能性を感じてもらうところが一番苦労したところだと考えています。

    ――今回のビジコンに参加してよかったと思うこと、学べたと思うことは?

    やはり企業の方からのコメントですね。自分のいいところも悪いところも率直に話していただけたことが励みになりました。また、他の参加者の発表も“目からうろこ”のものばかりで、新しい着眼点に触れられたのが大きな学びだったと感じています。グランプリファイナル後の懇親会では、他の参加者や企業の方からたくさん話しかけていただいて、自分のアイデアを認めてもらったような喜びがありました。

    建築とビジネスを結びつけた研究を続けたい

    ――今回の経験をこれからの学生生活にどのように活かしたいですか?

    ビジコンに参加したことで、ビジネス的な側面からアイデアを考えることの楽しさと難しさを知りました。今後は自分の専門分野である建築においても、この学びを活かしたいと考えています。僕は将来的に大学教授になりたいと思っているのですが、ビジコンを通じて、建築とビジネスの関係について研究を深めたいという思いを再認識することもできました。

    ――最後に、ビジコンに興味を持つ学生にメッセージをお願いします。

    私のように「良いアイデアを持っているけど、発表する場がない」という人にはぴったりの機会だと思います。くわえて何事もチャレンジしてみることが大切だということはお伝えしたいです。自分ではダメかもしれないと思っても、他の人から評価してもらえることもあります。そうしたことは、実際に行動しなければ気づくことができません。行動することから全てが始まり、貴重な経験になっていきます。

    私自身も、今回のビジコン参加は、人生においていい経験になったと思います。今は、もっと成長してアドバイスをいただいた皆さんに恩返しをしたいという気持ちです。まずは挑戦の第一歩としてぜひ参加してみてほしいと思います。

    ※掲載情報は2024年1月時点の内容です

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