高卒者中心に採用活動を行っていたが、ほとんどと言っていいほど、応募がなくなりつつ、採用ターゲットとツールの全面的な見直しが必要だった。
①採用活動の方針
高比良様:当社は福岡県に本拠を置く、ガラスの二次加工メーカーです。ガラス加工というとガラスをつくっているように感じるかもしれませんが、そうではありません、ガラスメーカーから原料となる板ガラスを仕入れて、それを色付けしたり、模様をつけたりし、建材などに使えるガラスにするという加工を行っています。
また近年業績を拡大している第二の事業として、セラミックをはじめとした石材の加工も行っています。ガラスに用いる水研磨加工という技術が、一部の石材の加工にも応用できることから始めた事業です。はじめはなかなか質の高い製品ができなかったのですが、今はどんどん受注が増えており、新しい工場を立てる予定もできました。当社の社風で強みでもある、「とにかくチャレンジしてみる」精神があったから成功した事業です。
高比良様:当社もかつては製造業のご多分に漏れず、新卒採用は高卒者が中心でした。ただ、私が採用活動に関わり始める少し前から、まったく高卒者を確保できなくなっていました。若い人材をあまりに確保できないせいで、次の世代を担う管理職候補がいなくなっている。これでは近いうちに会社が成り立たなくなるということで、3~4年前から私が中心になって、新卒採用を高卒者中心から、大学卒中心へと切り替えました。
もちろん、単に高卒者が採用できなくなったから学卒者へとターゲットを移したわけではありません。すでに人材が不足している中で、一から高卒者を育てるよりも、能動的に成長していく力の強い大学生の方が迎え入れやすいだろうというもくろみもありました。大学生というのは、基本的に自己責任で生活するものです。単位を取るのも、遊ぶのも自由。すべて自分で計画して行動するという点で、半分は社会人のようなものでしょう。だからこそ、育成リソースが今不足している当社でも、社風の通り、自主的に挑戦して成長していける人材を確保しやすいだろうと考えました。