dodaキャンパス活用事例 Vol.25

徹底したPDCAサイクルの構築で、“数”ではなく“質”を追う自社に合った採用活動の実現

アイフル株式会社/金融
消費者金融業界において、いわゆる大手4社の一つに数えられる企業。大手4社の中で唯一銀行の傘下になく、独立して事業を営んでいることが特徴。その強みを活かし、クラウドファウンディングやスタートアップ企業への投資、保険業など、キャッシング以外の事業も幅広く展開している。
アイフル株式会社は24卒からdodaキャンパスの活用を始め、4名の内定者を出している。成果を残せたポイントは、徹底してPDCAサイクルを回したこと。今後はダイレクトリクルーティングを採用活動の主軸にしたいと語る小泉様に、“質”を追った24卒の採用活動の全貌を伺った。

業種:金融事業
規模:2,180名(連結、2023年3月31日現在)
dodaキャンパスご利用の目的:母集団形成

この企業の成功ポイント

  • 優秀な社員の傾向等から、オファーを送るべき人物像を明確に設定する
  • オファー承諾率等のデータを通じて、設定した人物像を定期的に見直す
  • 本当に入社してほしい学生だけにリソースを集中するための、オファー文や選考フローを構築する

目標人数重視の採用活動から、質重視の採用活動にシフトしたい

①採用活動の方針

近年の採用活動で、抱えられていた課題感はなんでしょうか

ずばり、入社する学生さんの質です。当社は社員理念として「誠実・努力・信頼・感恩」を掲げています。仲間やルールに対して誠実であり、絶え間なく努力でき、関わる人々に感謝と敬意の気持ちを抱くことが、当社の社員に求められる基本的な資質です。ところが、この理念に沿う新卒社員が近年減少傾向で、危機感を感じていました。

この課題は、当社の採用活動が“数”ばかりを追ってきたことに原因がありました。採用目標人数が100人なら、辞退率を考えて130人、150人と多めに内定を出します。中にはカルチャーマッチしないと思っても、その他の部分で評価に値する内容があれば積極的に内定を出す場合もありました。それでは当然、価値観が合う学生さんなど求められないでしょう。採用活動の姿勢自体を見直す必要がありました。

数ばかり追う状況だったとのことですが、どうやって打破しようと考えられましたか

いわゆるナビサイトを通じた採用活動は、学生さんが来るのを受動的に待ちます。そうすると、なんとなく応募した学生さんも増えてしまいます。それって実際どうなんだろうと感じたんですね。待ちではなく攻めの姿勢で、我々が求める価値観やスキルを持っている学生さんにこちらからアピールするほうが、結果的に活躍できる社員を獲得できる打率は上がるはずでしょう。規模は多少減ってもいいので、価値観が合う“強い母集団”形成にこだわろうと考えて、ダイレクトリクルーティングの活用を検討し始めました。

ダイレクトリクルーティングの中でも、dodaキャンパスを選ばれた理由はなんでしょうか

dodaキャンパスと前後していくつかダイレクトリクルーティングを活用したのですが、中でも特に採用人数を確保できたからですね。また採用活動の後半に導入したのですが、それでもアクティブなユーザー数が多かった点も印象的でした。

加えて、学生さんと接触できる機会の豊富さも魅力でした。他のダイレクトリクルーティングの場合、一ヶ月で〇人など、オファーを打てる数に上限を設けられている場合が少なくありません。その点dodaキャンパスは、学生さんとマッチしなかった場合、オファーできる数が戻ります。制限にとらわれず、自由にオファーを打てるのは使いやすいと捉えました。

優先してアプローチすべき人材像を設定し、PDCAを回して精緻化し続ける

②導入後の運用

dodaキャンパスでは、どのように学生を探し、オファーしていますか

まず当社の社員の中でも評価が高い者について、出身大学や学部、地域性、思考力など様々な要件を分析し、重点的にアプローチしていくべき人物像をセグメンテーションしました。ベネッセi-キャリアのGPS-Academicといった、アセスメントのスコアも考慮しています。一つの例ですが、リーダシップよりも批判的な思考力や創造的な思考力が高い人物像のほうが当社で活躍できる可能性が高いようでした。こうした要件を可能な限り分析したうえでオファーを送り、承諾してもらえた学生さんの人物像を改めて分析の対象として、オファー承諾率を高めていきました。

オファー文も工夫しました。ダイレクトリクルーティングではよく「文章のはじめに特典や募集要項を書く」といったポイントがオファーの開封率や承諾率を高めるポイントとして謳われているようですが、当社は逆。「こんにちは、アイフルの新卒採用担当です」から始めて、スマホで2スクロール分程度、事業やインターンシップの内容を記載したうえで、最後にやっと募集のURLにたどり着くようにしています。つまり、最後までちゃんと読まないとリアクションが取れないようにしているのです。開封してもらう、オファーの承諾率を高めるといったことばかり考えているようでは、以前と同じ轍を踏むだけです。そうではなく、「価値観の合う学生さんに入社してもらう」ことこそが大事なのですから、「一つひとつの文章を丁寧に読む」「当社の事業にちゃんと関心を持つ」学生さんにだけオファーを承諾してもらえるよう、あえてこうしたオファー文を送っています。

最初にセグメンテーションをしてオファーの対象を絞り込む。そのうえで、本当にリアクションしてもらいたい学生にだけリアクションしてもらえるようオファーする。そして、学生のリアクションを見ながらセグメンテーションを続けて、オファーの対象を見直し続ける。これが当社の、オファーまでの過程における工夫です。

どんな学生にオファーを送るか、PDCAを回しながら検討され続けたのですね

そうですね、ほかにも活用していく中でオファー対象やフローを洗練させていった部分はたくさんあります。学生さんのつなぎとめ方もその一つです。例えばdodaキャンパス上でインターンシップへの参加を促したあと、開催一週間前にリマインドしたほうが参加率が高いのか、それとも3週間前にはリマインドしたほうがいいのか、検証したことがあります。データ上は2週間前までにアクションを起こさないと、離脱率が急上昇していました。規模の小さなデータですから完全に正しいとは思っていませんが、常に統計的な考察と、それにもとづくプランやアクションの改善は心がけています。

オファーを送ってからは、学生に対してどのようなアクションを起こしていますか

早期の段階ではすでに述べたようにインターンシップへの参加を促しました。インターンシップは夏と冬の2回に分けて開催していますが、採用に関わるのは冬のインターンシップのみです。そして夏と冬それぞれ複数の日程を用意して様々なコンテンツのプログラムを実施しており、早くに接触した学生さんにはなるべく複数回参加するように促しています。さらに、冬のインターンシップから選考までは最大4ヶ月程度期間が開きますので、その間にカジュアルな面談を設けたりもしています。

このように、インターンシップから選考に至るまでの過程を複雑にすることで、意志の強い学生さんだけを選考に進められるのです。もちろんこれまでも面接はしっかり行ってきました。ただ、面接だけで学生さんの資質を測るのは非常に難しい。だから入社してからカルチャーマッチの問題が生じていました。このフローであれば、本当に意志の強い学生さんだけが集まりやすくなりますし、相対的に面接回数が減って一人ひとりの選考によりリソースを割けるようになります。

価値観のマッチに、たしかな手ごたえ。DR一本での採用活動も視野に

③成功のポイントと今後

dodaキャンパスでの採用活動を振り返って、成果はいかがだったでしょうか

24卒はdodaキャンパスを通じて、ターゲットに即した4名の学生さんに内定をお出しすることができました。面接では頭の回転が速く、受け答えも正確でしたね。もちろん、当社が重視していた価値観の部分もよく理解していて、高い評価のうえで内定を出させてもらいました。

内定者以外の学生さんも含めて考えると、dodaキャンパスの学生さんはギラギラした方よりも、落ちついた方が多かったイメージがあります。また他のダイレクトリクルーティングに比べて、選考やインターンシップをキャンセルする方も少なかったですね。

ダイレクトリクルーティングの活用は今後も深められる予定でしょうか

そうですね、今後はナビサイトに代わって当社の採用活動の主軸としていく予定です。25卒は予定人数の8割をダイレクトリクルーティングで採用し、26卒についてはすべてダイレクトリクルーティングで採用しようと考えています。これは人事に異動してからずっと考えていた計画ですが、今取れているデータを踏まえると、十分達成可能だと言えそうです。

すべてをダイレクトリクルーティングで賄うのは、非常に勇気のいる決断だったのではないでしょうか

もちろん怖かったですよ。ただ、なにを怖がっているか本質を突き詰めると、それはやっぱり採用予定人数を達成できるかどうか、なんですよね。ただ、目の前の人数だけ達成して、いざ迎え入れてから退職されたり、マッチせずに問題を起こされたりしても意味がありません。もちろん採用予定人数は立てます。ただその予定人数が100人だったとして、その100という数字だけにこだわるのは間違っている。仲間として一緒に働いていくなら、一人ひとりをきちんと見るべきでしょう。そう考えると、無理に目標を達成しようとする必要も、怖がる必要もないのかな、と感じています。

この企業の成功ポイント

  • 優秀な社員の傾向等から、オファーを送るべき人物像を明確に設定する
  • オファー承諾率等のデータを通じて、設定した人物像を定期的に見直す
  • 本当に入社してほしい学生だけにリソースを集中するための、オファー文や選考フローを構築する

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