新卒採用を行う企業は、学生生活で「何に打ち込み、どのような学びを得たのか」を通して、学生の人間性を判断することが多いです。
とは言っても
「部活で学んだことを、就活でどうアピールすればいいの?」
就活にプラスになる部活動のアピール方法がわからない就活生も多いのではないでしょうか?
そこで今回は、部活動を通して学んだ気付きやエピソードを伝えるコツと、効果的なアピール方法について例文を交えてご紹介します。
目次
部活動の経験(役職や成果)から何をアピールするべき?例文やコツをおさらい
部活動は役職やポジション等に関わらず、得られるものがあるはずです。就活におけるアピールポイントを探す際は、「部活動を通して得た学び」と「成長できたこと」の2項目に絞ると良いでしょう。
また、面接官は思い出話を聞きたいわけではありません。部活動を通してあなたがどんな経験・行動をしてきたのか、あなたなりの工夫やトライした事柄を考えましょう。
ポイントは社会に出てからも活用できるかどうか、という点です。
このポイントをふまえ、部活動における具体的な役割や経験による考え方のコツや例文をご紹介します。ぜひ、自分ならではのエピソード探しに役立ててください。
キャプテンや部長の経験がある場合
キャプテンや部長はチームメイトの士気を高め、チームの団結力を形作る重要な存在です。そのため、練習メニューを組み立てたり、チームの方向性を決めたりすることで、リーダーシップが自ずと身に付くと言えます。
また、キャプテンや部長という役割は、チームメイトの「信頼」を獲得できなければ成立しません。部下から信頼される「できる」リーダーは、会社にとって喉から手が出るほど採用したい人材ですので、信頼を勝ち得るために心がけていたことや行ってきた事などをエピソードとして語れるようにしておきましょう。
具体的なエピソードを交えて自らのリーダーシップをアピールすることで、ゆくゆくはチームリーダーを任せられる、という印象を与えることができるでしょう。
<例文>
・試合等の大きなイベントでなくとも、選手のモチベーション維持を最優先事項にした。例えば、普段の練習から常に自ら率先して声をかけ、励まし、お互いにリスペクトし合えるチーム作りに取り組んだ。(集団と個人の両方の自己成長を実現できるリーダーシップ)
・リーグ戦で負けが続いた時にミーティングを行い、見失っていた当初の目標や現状を把握し、課題解決へとつなげることでチーム全体で乗り越えるよう指揮した。(困難な状況に対してチームを再決起する統率力)
副キャプテンや副部長の経験がある場合
副キャプテンという立場は、トップを「補佐」する役割を担います。キャプテンや部長の苦手なこと・できないことを引き受けてサポートする、あるいは、キャプテンや部長の判断に対し、客観的な意見を提案する場面も多いでしょう。
<例文>
・キャプテンにはチーム全体の指揮に集中してもらい、自分は部員一人ひとりの細かい技術指導の役割を引き受けた。(他人の苦手分野や手の回らない部分の巻取り)
・一歩引いた立場から部を見ることを徹底していたので、キャプテンの判断に対して「いまは○○をすべきではないか」といった客観的な意見を提案できていた。(客観的な視点での意見提案)
・部員とキャプテンの間で問題が発生した際には、自分が間に入り双方とコミュニケーションを取ることで、早期の課題解決を行った。(組織の調整役)
このように副キャプテン・副部長として、自分なりにどのように「補佐」の役割を全うしていたのかをアピールするといいでしょう。上記のように、ナンバー2のポジションだからこそ得られた経験や能力があるはずです。
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マネージャーの経験がある場合
マネージャーは、チーム全体のサポート役です。雑用を一手に引き受けるだけでなく、練習メニューの考案や部員の悩み相談など、さまざまな経験があるでしょう。
<例文>
・事務や会計の仕事を一手に引き受けて、キャプテンや副キャプテンがチームの指揮・指導に集中できる環境を作ってきた。(縁の下の力持ち)
・効率的な練習メニューの考案を、キャプテンに積極的に提案していた。(自分で考えて行動できる)
・部員の相談や悩み事に対して、親身になって向き合うことで、部員のモチベーション維持に貢献していた。(組織の雰囲気を良くする)
マネージャーは、キャプテンやプレイヤーのように目立った成果をアピールしにくいポジションかも知れませんが、日々の活動の中にこそ、企業にアピールできる経験・強みがあるはずです。
役職を持った経験がない場合
役職を持った経験がない場合でも、自分自身のスキル向上に費やした時間や努力、チームで活動することによって協調性を得たことをアピールすると良いでしょう。
例えば、チームで成果を出すにはチームメイトとコミュニケーションを活発にし、目標やモチベーションを統一する必要があります。結果が出ていない時にこそ周りを盛り立て、協調性を高めることができます。
<例文>
・負けが続いた時にキャプテンへ相談した上で自らメンバーを集め、反省会をするとともに次に何をすべきか話し合った。(周囲を巻き込む力、計画性)
・良いプレーをお互いに褒め合うなど、自分が試合に試合に出ていなくとも仲間のモチベーションアップを高め、勝利に貢献した。(モチベーションコントロール)
・部活内のトラブルに対し、改善策を模索する力が身に付いた。(課題設定能力)
・初心者で入部し、追いつくことで精一杯だったが、自主練習やチームメイトから積極的なアドバイスをもらいレギュラーを獲得することができた。(忍耐力と素直さ)
このように華やかな役職がない場合でも、言い換えによってアピールポイントとすることは可能です。
また、忙しい大学生活において、学業と並行して部活動にも熱心に取り組んだ方であれば、粘り強さや継続力も高評価につながります。一つのことを継続するのは一見簡単なようでも難しいため、「最後まで投げ出さずに職務を全うしてくれそうだ」という印象を与えることもできるでしょう。
部活動は楽しいことや辛い事など、さまざまなエピソードがあります。しかし、就活でプラスとなるのは、表面的なエピソードではありません。「どのように考え、どのように努力したか」という過程やストーリーが重要です。
そして、その過程やストーリーにこそ、あなたの価値観や思考、人間性が表れます。ぜひ意識して、考えてみましょう。
エントリーシートや面接で部活動をアピールする際の5つのポイント
重要なことは、「結論から話す」ことです。この場合、結論とは「部活動を通して身に付けた強み」のことです。冒頭で「私の強みは○○です」と、単刀直入に結論を伝え、そのあとで、その強みを裏付ける部活のエピソードを説明していきます。
本章で、いま一度基本的な構成や最低限のマナー、伝え方のポイントを押さえましょう。
(1) 基本的な構成を押さえる
エピソードが部活動であっても一般的な自己PRやガクチカの構成に則った書き方をしましょう
- 自分自身の強み
- (部活における)目標
- 途中で生じた課題
- 課題を解決するために行った事、なぜ行ったのか
- 結果的に目標や課題を解決できたか、どんな学びを得たのか
- 学びや部活動の経験・スキルをどう仕事に活かすか
(2) 専門用語を避ける
無意識に使ってしまいがちな専門用語。該当スポーツをしていた採用担当者なら理解できますが、全員がそうとは限りません。常に読む人の事を考えてわかりやすく書きましょう。
「これって専門用語?」と迷ったら友達に聞いてみるのもおすすめです。
(3) 部活のエピソードは1つに絞る
重要なのは「成長に繋がったエピソードに絞る」ことです。どれだけ大変だったかをアピールしたい気持ちから、あれこれとエピソードを書いてしまうと逆に最も伝えたいことが相手に伝わりにくくなります。
(4) 入社後活躍するイメージを持ってもらえるよう工夫する
部活動を自己PRやガクチカとして書く場合「全国大会出場」などの優秀な成績を収めていないとエピソードとして弱いと思う方もいると思いますが、そんなことはありません。
むしろ企業が見たいのは「生じた課題をどう乗り越えたのか、どんな志を持ってそれに取り組んだのか」であり、結果よりも過程を重要視します。これは実際に企業で働く際に、どのように課題に取り組み乗り越えるのかという「再現性」を見ているからです。
そのため、課題解決への取り組みをどう仕事に活かすことができるのかを書き、採用担当者にアピールしましょう。
(5) 部活で得たスキルが仕事でどう役立つかを考える
エントリーシートでは自己PRに加え、「入社後にどう役立てるか」という抱負を記入するのが基本です。 入社できた場合に部活で培った経験やスキル、強みを活かして、自分はどのようなことに貢献できるかということを考えれば、自ずと答えが見えてくるはずです。
また、就活で評価の高い3つのスキルを軸にした場合、次のような形で締めるといいでしょう。
・忍耐力…『仕事においては、長期間続く大規模なプロジェクトもあるかと思います。体育会系ラグビー部の活動を4年間継続してきた忍耐力で、大変な仕事でも粘り強く対応し、貴社に貢献したいと考えております』
・リーダーシップ…『いずれ、後輩や部下ができたときも、キャプテンとしての経験を活かして、ゆくゆくはリーダーとして貴社に貢献できるよう尽力いたします』
・協調性…『チームで仕事を進める以上、他のメンバーとの軋轢やコミュニケーション不足は避けていく必要があるかと思います。部活動で培った協調性で、チーム内の調整役となり、皆が仕事を円滑に進められる環境を作っていければと考えています』
最後に自己PRの例文を全文でご紹介します。
自己PRの例文
【例文】
私の強みは、物事を投げ出さない継続力です。大学時代は剣道部で活動していましたが、全くの未経験で入ったこともあり、最初は周りとの実力差に悩んでいました。しかし、負けず嫌いな性格もあり、少しでも早く同期や先輩に追いつきたいという気持ちから、週5回の練習に加えて、町の道場にも通って技術を磨いていました。
初めは、授業や通常の練習との両立は非常に大変でしたし、なかなか上達が実感できず、投げ出しそうになったこともありました。しかし、「他の人よりもうまくなりたい」という向上心を支えにして、4年間継続することができました。剣道の技術レベルは入部当初から大幅に向上して、大学3年時には、全日本学生剣道選手権大会で入賞を果たすことができました。
物事を簡単に投げ出さずに、継続する姿勢を養えたことは、とても貴重な経験だったと思います。剣道を通して培った継続力は、仕事においても活かせるものだと考えております。
自己PRの作成にまだ迷っている人は以下の『自己PR』作成ワークシートを参考にしてみてください!経験を深掘りできるので自己分析にも役立ちます。
高校時代のエピソードはOK??
コロナ禍の大学生活では
「サークルや部活に入れなかった」
「海外留学ができなかった」
などガクチカのエピソード作りに苦戦している方も多いと思います。
そこで高校時代のエピソードを書きたい!という方もいるのではないでしょうか?
結論からいうと、高校時代のエピソードをガクチカとして書いても問題はありません。
ですが、「ガクチカ」は一般的には大学生時代の経験を書くことが当たり前になっています。
よって高校時代のエピソードを書くと採用担当者から
「なぜ高校時代のエピソードを書いたの?」
「大学時代は何をしていたの?」
と面接で聞かれてしまう事があります。
もちろん高校時代のエピソードをガクチカとして書くのは問題ありませんが、こうした質問に対応するため
「その経験から何を学んだのか?」
「学びをどう大学生活に活かしたのか?」
という風に、現在の自分にその経験がどう活きているのかを明らかにすることで、高校時代のエピソードをガクチカにするメリットが出てきます。
高校時代でも大学時代でも、自分自身をしっかりと表現できるエピソードを書くことを目指しましょう!!
まとめ
部活動で得たことを就活で上手にアピールするには、事前の準備が欠かせません。部活動の経験を棚卸しして、これまでに何を得て、何を学び、どう成長できたかを、思い出しながらまとめましょう。
また、部活内の仲間に、過去の自分について客観的な意見を聞いてみることも有効です。第三者の視点が入れば、自分では気付かない部分を知ることができるので、大きなヒントを得られるかもしれません。
部活動で得た経験を、就活の場面で上手にアピールして、志望する企業から内定を獲得しましょう!
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