キャリアアドバイザーが伝授!強い自己PRのつくり方
第4回 ~添削指導ビフォーアフター【強みの見直し編】~

  • 就活対策
  • 2017.12.04

企業に訴えかける効果的な自己PRをつくるためのこの連載。

今回は、これまでのアドバイスをもとに、実際に大学生がつくった自己PRを、ベネッセi-キャリアのキャリアアドバイザー孫田博美さんが添削指導。添削前と添削後では、どのように変わったのだろう。

出版業界で長期のインターンシップをしている大学3年生の曾根奈々美さん。「プロに添削してもらうのは勇気がいりますが、がんばります!」
プロフィール
ベネッセi-キャリア 孫田博美
ベネッセi-キャリア「DODA新卒エージェント」キャリアアドバイザー。国家資格である米国CCE、Inc認定 GCDF-Japanキャリアカウンセラーを取得。今までに1,000人以上の大学生のカウンセリングを担当し、内定に導いている。

今回、挑戦してくれたのは、大学3年生の曾根奈々美さん。旅行と読書が好きな曾根さんは、翻訳家をめざしながらも、旅行ガイドブックをつくる出版社を志望し、以下のような自己PRをつくってくれた。

添削前の自己PR

私の長所は好奇心が旺盛な点です。気になることは徹底的に調べ尽くさなければ気が済みません。例えば留学期間中に旅行をした際には、どのようなルートで回るのが最も効率がいいのか、公共交通機関のルールはどうなっているのか、宿泊に適した地域はどこなのか、観光名所の歴史についてなど、事前に調べ尽くして満足のいく計画を立ててきました。この経験から、全く知らない土地が知っている土地になること、わからないことがわかるようになることの楽しさを知りました。ですから、これから困難な状況に直面しても、乗り越えるために成長する努力ができる自信があります。

ステップ1 その強み、自分に合っている?

孫田さん:最も気になるのは、はじめに示している「好奇心旺盛」という長所に説得力がないこと。好奇心がある人というと、活発なイメージがありますが、エピソードだけを見ると、旅行先について徹底的に調べていることから、どちらかといえば慎重な性格という印象を受けます。曾根さんは、どうして「好奇心が旺盛な点」が長所だと思ったの?

曾根さん:何かをしようとするとき、あらかじめいろいろなことを調べるんです。情報を得ることに喜びを感じるから、好奇心が強いのではないかと思いました。

孫田さん:なるほど。では、どうして行動するよりも先に情報収集をするの?

曾根さん:それは……損をしたくないからです。旅行に行くとき、何も知らずに出かけるよりも、事前に調べておけばより素敵な場所に、効率よく行けると思うから。
友達とごはんを食べに行くときも、近所のお店で適当に済ませるのではなく、インターネットや雑誌で、おいしくて安いお店はないかを必ず調べてから行きます。

孫田さん:つまり、調べることで今よりも最適な方法を見つけたいと思っているわけで、情報を得ること自体に喜びを感じているわけではないですよね。これは、好奇心が強いというよりは、「よりよい方法を見つけるために行動できる」といった点が強みになるのではないでしょうか。

ステップ2 志望先で求められている人物像を意識しよう

孫田さん:強い自己PRのためには、企業研究も大切です。曾根さんは出版業界をめざしていて、現在、編集プロダクションでインターンシップをしているそうだけど、本づくりの現場を体験して初めてわかったことや、意外だったことはある?

曾根さん:本をつくっている人たちって、自分がやりたいことを好きなようにやっているイメージがあったんですが、実は読者やスポンサーが何を求めているのかをすごく意識しているんだな、と思いました。

孫田さん:すばらしい視点です。「企画」というと自由な発想で商材をつくれると思っている人も多いのですが、実は消費者視点がすごく大切で、エンドユーザーの要望を形にする力が求められます。
つまり、出版社で求められているのは、マーケットのニーズにこたえる企画を提案できるような人とも言えますよね。こういった力を備えていることを裏付けるような体験があれば、ベストです。

曾根さん:そうですね……。そう言われてみると、インターンシップ先で大学生向けの情報サイトの仕事を手伝ったときに、多くの閲覧数を得るために自分ならどのような記事に興味をひかれるかを考えて、魅力的な容姿の友人を紹介したことがあります。

孫田さん:いいエピソードですね。曾根さんの「よりよい方法のために考え行動できる」という強みと、インターンシップでわかった出版業界で求められている人物像「マーケットのニーズにこたえる企画を提案できる」の両方を裏付けられる、説得力のあるエピソードだと思います。

曾根さん:「なんでも調べる」=「好奇心がある」と思っていましたが、「どうして調べるのか」を考えることで、「効率よく過ごしたい」「より優れた方法で実行したい」という志向が見えてきました!これをもとに、自己PRをもう一度つくってみます。

添削後の自己PR

私の長所は、置かれた環境の中でより良い結果を残すためにこだわることができる点です。私は現在、編集プロダクションで長期インターンをしており、大学生向けのWebマガジンに掲載する「何かをがんばっている大学生を紹介する」という企画に携わったことがありました。多くの閲覧数を得るために、自分ならどのような記事に興味をひかれるのかを考え、自分がWeb上の記事を見る際には、まず写真に目がいくことに気づきました、魅力的な容姿の友人に出演を依頼し、さらに読み応えのある記事にするべく、彼女が資格取得に向けて地道に努力している姿を記載しました。結果、人気記事ランキングにランクインし、会社に貢献することができました。このように私は、与えられた仕事に責任を持ち、改善策を探し実行に移すことができます。

孫田さん:だいぶよくなりましたね。曾根さんの実際の雰囲気も「好奇心旺盛で活発」というよりも、自分なりに考えたり、こだわったりする人なのかなという印象を受けるので、この自己PRだったらキャラクターに合っていると思います。

今回のポイント

強みが本当にあなたの長所を表すものか、よく考える

ポイントは、「なぜそれが自分の強みだと思ったのか」「どうしてそう言えるのか」「なぜ自分はそういった行動に出るのか」を繰り返し問うこと。

企業研究を徹底する

インターンシップや会社説明会でリアルな仕事内容を知り、企業が求めている力を自分が持っていることを具体的なエピソードで示す。